□燃料電池ワールド
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■Vol.078 2003/01/22発行
◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM
■お知らせ
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☆『日経エコロジー』2月号でホームページが紹介されました。
会員の方からの教えていただきました。『日経エコロジー』2月号103ページにPEM−DREAMのHPが紹介されています。「市民のための情報を発信」というタイトルが付けられ、光栄です。HPの制作まで手が回らなかった現状を改善して充実させなくてはと、ムチを入れられました。
☆第2回国際自動車用代替燃料フォーラムに参加されませんか。
エナジーエクスチェンジが主催する第2回国際自動車用代替燃料フォーラムと第1回代替固定電源ワークショップがそれぞれの分野で最も経験豊富なパイオニアを発表者、パネリストに迎えて開催されます。
2002年の第1回はシュツットガルトで開催され、自動車用に焦点を絞った2日間のセッションとエクセルシス(ダイムラークライスラーの燃料電池自動車「Necar」の開発会社)の研究所見学と燃料電池バスの試乗が行われました。
参加者には、EUのエネルギー政策担当者、自動車会社、石油会社のトップなど、代替エネルギーの将来展開の鍵を握るキーパーソンが多く、ネットワーキングにも非常に有用な国際会議でした。
2003年はミュンヘンで2月17日から3日間開催され、固定電源分野のセッションも加わって昨年より充実した内容となっています。又、ミュンヘン国際空港での燃料電池バス試乗と水素ステーション見学も含まれています。
発表者には、フォードモーター、フォルクスワーゲン、ボルボ、バラード・パワー・システム、アイスランド大学、アイスランド新エネルギー会社、リンデ、エクソン・モービル、シェル・インターナショナル、クイックパワー、グリーンエナジー、ミレニアム・セル、ヴァイラントなどが予定されています。
ご興味を持たれた方は下記で詳細をご確認下さい。
http://www.theenergyexchange.co.uk
Claire Pallen - Conference Director - c.pallen@theenergyexchange.co.ukCharlotte Hodson - Marketing Manager - c.hodson@theenergyexchange.co.ukTel: 00 44 (0)1242 529 090 / Fax: 00 44 (0)1242 529 060
文書作成者:難波多加志((株)アイシーティー)
原文 <wra@theenergyexchange.co.uk>.
----------Original Message Received----------
* * Updated conference programme with new speakers attached * *
The Energy Exchange's Global Alternative Fuels Forum for AutomotiveApplications and their first Alternative Power Sources for StationaryApplications Workshop is set to unite a speaker panel of the mostexperienced pioneers of the alternative fuels automotive and powerindustries with an international senior level audience.
SPEAKERS INCLUDE:
* FORD MOTOR COMPANY * VOLKSWAGEN * VOLVO CAR CORPORATION * BALLARD POWERSYSTEMS *
* UNIVERSITY OF ICELAND AND ICELANDIC NEW ENERGY COMPANY * LINDE *EXXONMOBIL *
* SHELL INTERNATIONAL PETROLEUM * KWIKPOWER * GREENERGY * MILLENNIUM CELL *VAILLANT *
EVENT SPONSORED BY: KWIKPOWER
For further information please contact:
Claire Pallen - Conference Director - c.pallen@theenergyexchange.co.ukCharlotte Hodson - Marketing Manager - c.hodson@theenergyexchange.co.ukTel: 00 44 (0)1242 529 090 / Fax: 00 44 (0)1242 529 060
→お問い合わせは、info@pem-drea.m.com へ。
☆カナダ燃料電池業界の視察旅行の問い合わせが15件に
カナダ・バンクーバー視察旅行のお問い合わせが、ネットがダウンしている間に15名の方から入っていました。企業の方、大学の方、個人とバラエティに富んでいます。15名になると添乗員をつけることができます。目標は20名です。今月末に一応の締めを行いますので、参加ご希望の方はお早めにメール(→info@pem-dream.com)で案内書の郵送先をお知らせください。主催旅行代理店である日本通運株式会社から、旅行条件などのパンフレットをお送りします。
○日程 2003年3月4日(月)〜8日(金)このうち、3日間を視察にあてます。
○人数 20名以内
○費用 23万円
○宿泊 1人1室
○通訳 現地のAグレードの通訳をつけます。
○主催旅行代理店 日本通運株式会社
○訪問先(現在、詳細を打ち合わせていますが、変更があるかもしれません)
・バラード・パワー・システムズ社:PEM型燃料電池のトップリーダー企業。社内視察は昨年から禁止されているが、本社と工場の外観を見学。
・パワーテック・ラボ社:BC州水力発電公社の高圧ガスシステム研究機関として、電力と天然ガス、水素の研究開発を行っている。
・メタネックス社:世界最大のメタノール生産企業。ダイレクト・メタノール燃料電池を始め、メタノール改質型燃料電池自動車をサポートしている。
・グリーンライト・パワー・システムズ社:燃料電池試験装置製造会社として、バラードの初期の頃から関わっている。今年4月、東陽テクニカと契約している。
・マグパワー・システムズ社:水素を使わない「マグネシウム/空気燃料電池」の開発を行っているベンチャー。2003年に最初の商品を出す予定である。
・ジュエネラル・ハイドロジェン社:バラード社の創立者であるバラード博士が設立し、燃料電池の技術開発と投資を行っている。バラード博士との面会を調整中。
☆1月の燃料電池市民講座と新年会〔再掲)
「未来を感じさせよう――建築のデザイン・マネジメント」
ゲスト=小林清泰氏((株)ケノス代表取締役)
昨年初めてお目見えした水素供給ステーションが、今年は8カ所になる。まだ、とばくちのとばくちにすぎないが、配管を外には出さないように気を配るなど、新しいイメージを表現するように努力をしているようだ。しかし、それでもガソリンスタンドのイメージからは抜け出していない、との厳しい意見もある。
社会に受容されていくためには、技術的メリットだけでは不十分なことは過去の幾多の商品が示している。
水素供給ステーションを建築デザインの面から考えたらどうなるのか。コンビニなどの商業施設デザインを手がけ、燃料電池ステーションの自主プロジェクト「ECO ENESTATION」を提案している(株)ケノスの小林清泰氏から、ECO ENE STATION の模型を使って、建築デザインの考え方を中心にお話を伺います。
・新年会 市民講座の後は、PEM−DREAMの新年会。そのために、全体の開始をいつもより1時間早めました。楽しいひとときを過ごしたいと思います。
○日 時 1月25日(土)午後1時から
○場 所 株式会社守谷商会(東京駅八重洲口から3分、地図をお送りします)
○参加費 全員4000円(新年会用)
○申し込み方法 メールまたはFAXにて、「1月の燃料電池市民講座」と明記の上、氏名、連絡先、電話番号をご記入の上、お送り下さい。
メール info@pem-dream.com
☆グッズ第3弾 『水素経済革命』(山本寛著、新泉社)の取り扱い開始〔再掲)
昨年9月の燃料電池市民講座で「燃料電池と水素エネルギー」のお話をしていただいた山本寛氏が、標題の新しい著作を出版されました。世界はなぜ「水素経済」を目指し始めたのか、現在その状況はどうなっているのか、日本にとってどういう意味があるのか等々、最新の情報に基づいて全体像が分かりやすく書かれています。
定価1400円(税、送料別)のところ、NPO特別価格として税、送料込みで1500円(PEM−DREAM会員は1割引))で提供します。ご注文はメールinfo@pem-dream.com で、郵送先と冊数をお書きの上お申し込みください。
☆「燃料電池+ミニカー」組み立てセットの普及が加速〔再掲)
資源エネルギー庁がエネルギー教育用教材キットに取り上げてから、この注文が増えました。基本部品の3セルPEM型燃料電池と水素ガス缶、LEDに、スケルトンのミニカーがセットです。
自分で組み立てた燃料電池をミニカーにセットして、水素を供給して走らせることができます。直線で20メートルくらい走ります。燃料電池単独でも使えます。楽しみをプラスした燃料電池セットは、NPO特別価格15000円(税、送料込み。PEM−DREAM会員は1割引))です。
ご注文はメール info@pem-dream.com でどうぞ。また、写真は
http://www.pem-dream.com/kit.html でご覧ください。
※激走―そして激突!? 燃料電池ミニカーの23秒ビデオ 鳥取県の信原一郎さんが、ミニカーの激走ぶりをビデオで撮影してくださいました。チョロQのようなユーモラスな走りっ振りに大笑い。どうぞ、ご覧ください。(データが少し重いです)
http://www.pem-dream.com/move.html
☆「ソーラー+燃料電池」学習キットも高校を中心に広がる〔再掲)
太陽光発電、水素の製造、燃料電池について、中学から高校生程度の物理と化学の基礎知識を学びながら実験を進めるこのキットは、高校の先生からの問い合わせが増えています。特に関心を持たれているのが、再生可能な循環型エネルギーの仕組みが分かりやすいことで、環境教育のテーマになっているようです。
株式会社のもとが Thames&Kosmos から輸入している燃料電池学習キットは、100頁の英文テキストと和訳テキストで、30種類の実験のやり方とテーマの内容について詳しく解説しています。販売価格24000円(税、送料別)のところ、NPO特別価格23000円(税、送料込み。PEM−DREAM会員は1割引)で提供します。
ご注文はメール info@pem-dream.com でどうぞ。また、写真は
http://www.pem-dream.com/kit02.html でご覧ください。
■PEM−DREAM NEWS
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☆燃料電池が巻き起こす公害?――電気と水
今回のネットダウンの経験で、メルマガの配信ルートを一部変更した。これまでは、まぐまぐ、malma、そして事務局からと3つのルートがあった。事務局分はメルマガの初期の頃、知人や親しくなった方々へお願いしながらとっていただいたもので、配信手続きの変更という手間をおかけするのが何となく申し訳ない気がしてなかなか踏み切ることができなかった。だが今回は、このままにしておく方が逆に迷惑をかけることになるとはっきりわかったので、まぐまぐとmelmaへの変更をお願いした。
ADSLのモデムの修理に来ていただいたNTTの方と話した会話から、新しい技術と今の技術の融合ということを少し考えた。NTTの方は、NTTが民間企業となったために起きている混乱として、ADSLの接続問題を話してくれた。以前、NTTしか通信に携わることができなかった時代には、新技術に伴ういろいろな規格や製品についてはNTTが十分に試してからでないと市場に出さなかったし、市場にでるものもNTTがコントロールしていた。それが、自由化となった今は、どんどん新しい技術が登場し、各社で開発した製品が市場に出回り、ユーザーが買って接続しているので、どこがどうなっているのか把握することができなくなっている。現場に来て初めてわかることが多く、社会全体で壮大な実験をしているようだとおっしゃる。
筆者がパソコンに手を染めたのは10年くらい前で、仕事柄Macだった。マニュアルの日本語になっていない日本語文に悩まされ、ソフトや周辺機器の煩雑さにムッとすることを長く経験した。今は一応のことができるようになり、すごい性能に驚かされているが、通信が入ってきた時には同じような苦労を強いられ、この分野は今でも苦手だ。それでも通信の技術はどんどん発展し、PEM−DREAMもその恩恵を被っているばかりでなく、ネットが使えなかったら存在することすらできないと思う。
燃料電池の本を読むと、燃料電池を分散型発電用途として使う場合、コンピュータの歴史になぞらえて説明されることがある。IBMが誇った大容量のコンピュータから分散型のパソコン社会へと変化したように、発電も遠隔地で集中発電して需要地へ送電する方式から、使うところで発電する分散型に変化させた方がよいのであり、そのための技術として燃料電池は有力だ、という燃料電池待望論である。パソコンを入手できてコンピュータ技術のすばらしさも知った身では、この論理はすっと入ってくるし、そう考えてもいる。
が、論理的な納得だけでは不十分ではないかと思い、少し前から系統連携の本を読み始めた。今読んでいるのは『電力系統崩壊――自由化への警鐘』(エネルギーフォーラムから出版)で、筆者は飯島昭彦氏である。飯島氏は、電力系統は「電気の需要と供給に関係する仕組み」であり、電力自由化の議論が「同じ自由化の流れにある通信ネットワークと一緒にして行われる傾向」を批判し、その技術的根拠について述べている。
先ほどのNTTの話とダブってきたのだが、燃料電池は電力系統に対してまだゼロの世界にいるが、急速に普及しだして系統に影響を及ぼすようになった時に連携技術の基礎がしっかり作られていないと、停電などの混乱が頻発することになりかねない。家庭用燃料電池製品が来年にも発売されようとしているが、このことの情報はほとんど見当たらない。
このニュースの表題に「公害」という言葉を使ったが、正確な意味で使っているのではなく、普及すればするほど社会的な混乱が大きくなるマイナス面、というような意味で?をつけた。自分が体験した通信の世界では、新技術が出るたびに新製品を買わされ、使い方にとまどい、持っていたものはごみとなることが繰り返されている。使い勝手は少しずつ良くなるにしても、こんなにしょっちゅう繰り返さなければならないのか疑問だ。企業間の自由競争だからといって、また、新製品の製造で売り上げが増える〔経済の活性化?)からといって、それらは事の一面ではないかと感じている。
燃料電池と電力系統連携の技術的規格を固め、混乱が起きるのを防ぐのは国の仕事である。1月20日付のNEDOのメールで、『新エネルギー等地域集中実証研究』『風力発電電力系統安定化等技術開発』ワークショップが2月5日に開かれることを知り、参加申し込みをした。だが、参加申し込みが多いので参加できるかどうかわからないらしい。幸運にも参加できたら、燃料電池を直接の対象としているものではないが参考になると思うので報告したい。この問題は今年大きく取り上げられるようになると思うからだ。
さて、もう一つは水である。読者の方から質問をいただいた。
「このごろふと脳裏をよぎる事がありますので以下に記載します。
表題にも書きましたが、現在の車社会を考えた場合、環境にやさしいといわれる燃料電池車が、もしかしたら新たな公害を生み出すのではと不安にもなります。何分にも燃料電池については殆ど知識がないのですが、
燃料電池車は、
[排ガスは出さず、排出されるのは水のみ]と捉えています。
となると、今並に燃料電池車が多く普及した場合、
1.道路には常に水がまかれる?
・特に幹線道路などでは常に雨上がり状態で
スリップ事故を誘発しやすくなる?
・冬季は路面がアイスバーンとなりやすく、
スリップ事故が増える?
(スパイクタイヤ復活?)
2.湿度が上がる?
・夏は路上の水分の蒸発で幹線道路の周辺は熱気で
ムンムン?(打水の効果あり?)
とはなりませんでしょうか。
内燃機関である車も、今のような普及に伴う公害を想定していなかったと考えれば、環境にやさしいはずの燃料電池も新たな公害の火種になるのでは、と気になります。
(個人的には早く燃料電池車が普及してくれればと思っていますが)」
冬季は道路が凍結するのではないかという話は、昨年夏に札幌で聞いたことがある。この質問と同じ事を考えている人が意外と多いのかもしれないので、聞き回ったことを述べてみよう。もし、理解不足のところがあったら指摘してください。
1も2も燃料電池車が出す水の量に関係している。燃料電池車はマフラーからぼたぼた水をまきながら走るのだろうか? それは違います。ほとんどは水蒸気になります。
現在のガソリン自動車でも水分を出している。冬の朝、エンジンを始動させるとマフラーから白い煙状のものが出る。これは水蒸気だ。走ってしばらくたつと出なくなる。車体も暖まり、水分が蒸発してしまうからだ。
では、燃料電池車と比べるとどのくらい量が違うのか? 理論的には水素のエネルギー量はガソリンよりも低いので、ガソリン車と同じだけの出力を出そうとすればガソリンに含まれている水素よりもかなりの水素が必要になる。それだけ水素を使うので、絶対値でいえば湿度が上がることにはなる。だが、現実の燃料電池車を見てもぼたぼた垂れるようなことはなかった。ガソリン車と見た目の違いがあるとはいえないようだ。このことが第1。
燃料電池を作動するためには水が必要である。そのために、燃料電池から出された水を回収して燃料電池側に戻す仕組みが考えられている。この仕組みはガソリン車にはない。このことが第2。
どうしても排出する水分が多かったら、その水を貯めるタンクを載せて、スタンドなどで捨てる方法も考えられる。つまり、技術的に対応できるだろうということ。これが第3。
これらのことから、燃料電池車によって道路が雨上がり状態になるような水の排出はないとと言えそうだ。だが、これは燃料電池車の普及の度合いによって実証されることなので、現在は推測の域を出ない。
「燃料電池車が水をぼたぼた撒き散らしながら走る」というイメージから、自動車が登場しだした頃の道路を思い出した。その頃は馬車が交通手段となり、馬糞が道路に撒き散らされていたということを聞かされたことがある。その状態を見てみたいと思っていたら、マイケル・チミノ監督の『天国の門』で、多分リアルといえる道路を見つけた。
自動車が道路の馬糞公害を解決した。燃料電池車はガソリン車の公害を解決することが求められている。考えられる疑問は今のうちに整理しておいた方がいい。いろいろな疑問があったらお寄せください。
■海外ニュース〔番外)
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☆中国初の燃料電池車、上海で完成
「超越1号」と名づけられた燃料電池車の安全走行テストが11日、上海同済大学のキャンパスで行われた。水素を燃料とするこの車から排出されるのは水だけ。環境を汚染する排気ガスは全く出さない。
電気自動車の開発は、国家科学技術部が定めた「第10次5カ年計画」期間中の12大重要プロジェクトのひとつ。燃料電池車開発プロジェクトは2001年末、上海で始まった。上海汽車集団、同済大学を含む、企業、大学、科学研究機関など10機関がプロジェクトチームを立ち上げ、燃料電池動力システム公司を設立、研究を進めてきた。
プロジェクトの責任者、万鋼教授によると、プロジェクトチームの初年度の目標は無事達成され、「超越1号」は科学技術部による重要特別プロジェクトの年度審査に合格。各性能もすべての要求をクリアした。燃料電池車は2008年の北京五輪、2010年の上海万国博覧会でお目見えする予定。
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■燃料電池ワールド
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□編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM
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