燃料電池ワールド (2002/09/11 15:00)

水素チャンネル Home

□燃料電池ワールド
■□□□□□□□□□
■Vol.062 2002/09/11発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
□□□

◇9月の燃料電池市民講座――原発による水素製造の話も準備
「燃料電池と水素エネルギー」 ゲスト=山本 寛氏(技術ジャーナリスト)

 「さようならエンジン 燃料電池こんにちは」「さようなら原発 水素エネルギーこんにちは」(ともに東洋経済新報社刊)の著者でいらっしゃいます山本寛氏が今回のゲストです。山本氏は上記の著書の中で、燃料電池について分かりやすく書かれています。また、この秋には「水素経済革命」を上梓される予定です。最新の情報も加えた面白いお話が聞けると思います。できれば本をお読みの上、ご参加下さい。常温核融合も飛び出すかもしれません。
○日 時 9月28日(土)午後2時から
○場 所 岩谷産業株式会社本社会議室(新橋駅から徒歩10分くらい。地図をお送りします)
○参加費 会員は無料。非会員は2000円。
○申し込み方法 メールまたはFAXにて、「9月の燃料電池市民講座」と明記の上、氏名、連絡先、電話番号をご記入の上、お送り下さい。
  メール info@pem-dream.com  FAX 03-5408-3252

☆「遊んで作る燃料電池100円実験キット」と材料提供(再掲)

 日本中、どこでも誰でも、手軽に、安全に、安上がりに燃料電池の原理を実験できる「遊んで作る燃料電池100円実験キット」。このキットの材料と製作ストーリーを書いた資料をメールで無料で差し上げています。ご希望の方は、
info@pem-dream.com までお申し込み下さい。

 また、すでに資料を請求された方から、材料として使うLEDと電線が入手しにくいので対応できないかとの相談がありました。そこで、私たちが常備している中から、希望する方に提供することにしました。

 内容は、LED3個と電線20cmくらいを2本です。ご希望の方は、切手200円分(郵送料含む)を事務局までお送り下さい。折り返し郵送します。
・宛先 〒105−0004 東京都港区新橋4ー28ー3 新正堂ビル2階
    燃料電池NPO法人PEM−DREAM

◇BMWのプレスリリース
 水素自動車をめぐるBMWのプレスリリースを掲載します。
------------------------------------------------------------------------2002年8月13日
BMW750hL:カリフォルニアで精力的なテスト
------------------------------------------------------------------------
○未来の自動車が決定されるにふさわしいカリフォルニア

 BMWの水素自動車750hLが、カリフォルニア州オクスナードのBMWエンジニアリング&エミッション・テスト・センター(EETC)に新たに配備され、非常に厳しいことで知られる米国の道路環境において様々なテストを行っている。ここでのテスト結果については、ニュー7シリーズをベースとする新型水素自動車の開発にフィードバックされるとともに、米国の自動車ジャーナリスト、著名人、政治家、一般市民、さらに、環境活動団体も大きな期待と関心を寄せている。

 米国最大の自動車市場であるカリフォルニア州は、今や、低排出ガス基準のパイオニアとして世界中に知られる存在である。過去10数年にわたり同州で制定された法規制はやがて連邦が施行するところとなり、さらにはEU条例にも影響を与えている。たとえば、合衆国で最初に触媒コンバーターの装着や無鉛ガソリンの使用を義務づけたのも、同州である。最近では、クリーンエア・キャンペーンの一環として、車両からのCO2やその他有害ガスの排出量を制限する規制法案が成立し、各国の自動車メーカーはこの規制への対応を迫られている。

○カリフォルニアの前線基地:EETC(エンジニアリング&エミッション・テスト・センター)

 さまざまな自動車公害対策をシステマティックに策定・施行するカリフォルニア州は、未来の代替燃料の実地試験をするには理想的なフィールドだ。BMWも2001年夏以来、15台の750hLの実験を精力的に重ねている。ロサンジェルス周辺の道路で水素パワーのV12が何度も目撃されているが、そこには技術的な検証を行うということと同時に、水素自動車のデモンストレーション走行を行うという二重の意義が含まれている。水素自動車に遭遇する機会を提供することにより、BMWは、エンジニア、科学者、政治家など、社会に対して影響力を持つグループに水素テクノロジーのメリットをアピールしたいと考えている。

 BMWエンジニアリング&エミッション・テスト・センター(EETC)は、カリフォルニア沿岸の小さな町、オクスナードに昨年開設された。これにより、シリコンバレーのパロ・アルトにあるBMWテクノロジー・オフィス、ニューベリー・パークのBMWデザインワークスとともに、“BMWカリフォルニア・イノベーション・トライアングル”が形成された。EETCは、BMWの全開発部門の出先機関として重要な役割を帯びている。車両全体、機能性、各種システムに関するテスト・プログラムを策定し、さらに実施することがEETCの主な機能である。中でも重要な機能は、米国市場向車両に関するすべての排ガステストおよび量産前の最終確認テストの実施である。米国ユーザーの運転慣習や道路状況は欧州とはまったく異なるため、こうした現地でのテストは必須である。プロトタイプ・テストは、通常12〜15ヵ月にわたって継続され、BMWテストドライバーはその間、灼熱のカリフォルニア砂漠から極寒のアラスカまであらゆる気候帯を走破、その走行距離は最大20万kmに達する。

○あらゆるテストに対応する最適な環境と最新鋭の設備

 テスト車両の750hLは、これまでカリフォルニア州内を中心に、デスバレーの超高温やロサンジェルス市街地の過酷な渋滞にも耐え抜き、3万kmの実地走行を問題なくこなしている。テスト走行後の車両は、テストセンターの広大なワークショップへと戻り、必要に応じてパーツ交換や改良が施される。一方、排ガス・テストラボでは、排ガス濃度や微量ガス濃度を測定するさまざまなテストが実施される。BMWは、排ガス・テストラボ用の最先端装備だけで約700万ユーロの巨費を投じ、最新鋭のハイテクを活かした排ガステストができる環境を整えている。

 ウルトラモダンな排ガス・テストラボは、世界一過酷な排ガス基準を施行するカリフォルニア州環境保護局(EPA)およびカリフォルニア州大気資源局(CARB)の要件を完璧に満たしている。排ガステストを厳格な環境で実施するためには、周辺の大気は純度が高く、清浄でなければならない。車両はラボに入る前、必ずエアロックを通過しなければならない。ラボ内部の空気が完全な清浄状態にないかぎり、正確なデータを得ることはできないからだ。BMWが敢えてオクスナードという、太平洋沿岸の小さな町にエンジニアリング・テストセンターを構えたのもこのためである。

○完結された車両コンセプトとして、また、テストベッドとしてBMW750hLを評価

 BMW750hLによる車両およびコンポーネント・テストで収集されたデータは、BMWの車両基礎研究、テスト、および量産デザインを担当するBMW研究開発センター(FIZ)とのダイレクトなコミュニケーションを通じて、ニュー7シリーズをベースとする新型水素自動車の開発へとフィードバックされる。水素自動車の量産開発責任者のベルント・ゲブラー博士は、BMW独自のクリーンエネルギー・ビジョンに基づく開発に、その将来を見出している。「ニュー7シリーズのモデルサイクルが終わる前に、是非とも水素エンジン・バージョンの量産を成功させたいと考えている。内燃エンジンに基づいた現実的なソリューションの提供を具体的目標と捉え、水素とガソリンを燃料とするバイフューエル・ドライブを採用する予定である。」現在、カリフォルニアで水素自動車の量産開発に関するテストを行っているのは、BMWだけである。

○水素インフラ整備は社会的課題

 水素自動車が一般ユーザーの手に届くようになるためには、今後5年間で水素供給ステーションのインフラを整える必要がある。BMWは、米国の関係当局や輸送業界、石油業界、“ビッグ3(フォード、ゼネラルモーターズ、ダイムラー・クライスラー)”をはじめとする自動車メーカーとの協力体制により、この目標の実現に向けて鋭意努力を重ねている。協力各社が描くのは、ゼロ-エミッション車両の実現。このコラボレーションは、すでに水素タンク供給システムの標準化という実績に結実している。EETCにはすでにテスト車両専用の水素供給ステーションが建設されており、カリフォルニア州当局は同設備を研究し、同一コンセプトに基づいた公共用供給ステーションの建設を進める計画である。

 BMWは、クリーンエネルギー・ワールドツアーの一環として、同州内においては、昨年はロサンジェルス、今年はサクラメントでスペシャル・イベントを開催し、クリーンかつパワフルな水素自動車の認知度を高めている。EETCのスタッフが精力的にテストを繰り返すカリフォルニアは、これからも地球規模の価値を持つ革命的なイノベーションの発信地となるだろう。

■イベント紹介
□□□

☆燃料電池開発情報センター(FCDIC)第16回講習会(再掲)「注目を集める定置型PEFC」
◇日 時 9月25日(水)10:00〜16:00
◇会 場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)
    〒102-0073 東京都千代田区九段北4-2-25
    TEL 03-3261-9921
◇プログラムおよび講演内容
1.250kWPEFCコージェネレーションシステムのフィールドテスト

   日本電信電話(株)NTT通信エネルギー研究所燃料電池プロジェクト
   主任研究員      工藤 一樹氏
2.家庭用1kW級PEFCシステムの開発
   東芝インターナショナルフュエルセルズ(株)機器開発部
   主務         宮原 秀夫氏
3.家庭用小型PEFCコージェネレーションシステムの開発
   松下電器産業(株)くらし環境開発センターFC事業開発室
   グループマネージャー 山本 義明氏
4.PEFC利用小型発電システムの開発
   松下電工(株)FCGプロジェクト事業化推進グループ
   課 長        安達 淳治氏
5.NEDOーJAGプログラムにおけるHパワー社製HPAC
   三井物産(株)通信機械・電線部
              河井 太志氏
※都合により、演題・講師および講演順序等が変更されることもあり得ます。
◇定 員 160名(定員になり次第締切)
◇参加費(テキスト代含む)
  FCDIC会員、大学、公共団体等 12000円
  非会員 24000円  学生 6000円
◇申込方法 燃料電池開発情報センターのホームページで確認の上、手続きに従ってお申し込み下さい。
        http://www.fcdic.com/ja/yokoku.html
◇お問い合わせ 
  燃料電池開発情報センター事務局(担当:天池・宮原)
   TEL:03-3296-0935
   FAX:03-3296-0936

☆PEM−DREAMが参加するイベント(再掲)
・10月19日(土)20日(日)
 環境博覧会すぎなみ2002
  会場:高井戸地域区民センターおよびセンター前広場
  参加自由です。もうすぐ、杉並区のHPに案内が載ります。

・10月24日(木)
 都市基盤整備公団総合研究所技術センター特別公開
  場所:東京都八王子市石川町2683−1
  参加自由です。詳しくは下記のHPで。
  http://www.udc.go.jp/research/

──────────────────────────────────────

○燃料電池市民講座 http://www.pem-dream.com/citizen.html

○EVENT INFORMATION http://www.pem-dream.com/event.html

○燃料電池マイ・レポート http://pem-dream.com/report.html

──────────────────────────────────────

■世界のニュース〈9月)
□□□

<輸送>
●バラードがバス用エンジンを受注

 バラード・パワー・システムズ社はジリング・コーポレーションから、オフロード用のバラード製燃料電池エンジン3基の納入とサポートサービスに関する注文を受けた。この250kW級燃料電池エンジンは交通バスに搭載され、2004年にカリフォルニア州サンノゼ市内のサンタクララ渓谷交通局(VTA)に引き渡される。この燃料電池バスは、カリフォルニア州大気資源局のゼロエミッション交通バス要件を満たしたものとして2年間、税金によるサービスとして実際に乗客を乗せて運用される。注:Santa Clara Valley Transportation Authority(VTA) サンタクララ渓谷交通局は、シリコンバレーのあるサンタクララ郡において郡全体の交通政策の立案と公共交通システムの運営に責任を持っている。

<定置型電源>
●ヌベラが販売用燃料電池ジェネレーターに着手

 ヌベラ・フュエル・セルズは、自社の「アバンティ」(Avanti?)という5kW級分散型電源製品で、水素燃料電池ビジネスに参入を開始した。ヌベラは1−6kWの範囲の水素電源をOEMとして提供する。

●DOEが石炭を利用した燃料電池の実証にフュエルセル・エナジーを選出

 米国エネルギー省(DOE)は、インディアナ州のウエストテレホートにあるワバシュ川石炭ガス化複合発電プラントに、フュエルセル・エナジー社の2メガワット級燃料電池プラントを設置すると明らかにした。この1年間の計画では、石炭ガスを使った燃料電池を実証する。

<燃料電池コンポーネント>
●イダ・テックが燃料改質器を発売

 イダ・テック社は、「FPM20」(TM)燃料改質器モジュールを発売した。このFPM20(TM)は、水蒸気改質による最初の商品で、小型ユニットの中でイダ・テックが特許取得済みである2段階の精製工程を行う。FPM20(TM)は初めて一般販売される燃料改質器で、燃料電池システムに簡単に組み込まれたり、また、高純度の水素を生成する独立型の水素発生装置として設計されている。

<報告・市場調査>

●世界規模での定置型燃料電池市場

 アライド・ビジネス・インテリジェンス社(ABI)は、近い将来、定置型燃料電池技術が商業的に広く採用されると予測する報告書を発表した。この調査は、『世界規模での定置型燃料電池市場――先端産業の詳細な分析』という題名で、燃料電池発電市場が2012年までに、現在の約45MWの水準から16000MW近くまで増加するだろうと述べている。

<その他>
●パシフィック・フュエル・セルがカリフォルニア大学と調印

 パシフィック・フュエル・セル・コーポレーションはカリフォルニア大学(UC)との合意文書に調印し、パシフィック社が所有するカーボン・ナノテクノロジー技術を基にした燃料電池のプロトタイプの研究開発を行うこととなった。この研究開発計画の最大の目的は、燃料電池の運転に必要な白金の量を大幅に減らすことである。

──────────────────────────────────────

■燃料電池ワールド
 □毎週水曜日発行
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

 □解除:「まぐまぐ」と「melma!」から直接ご購読の方が解除される場合は、「まぐまぐ」か「melma!」から直接解除の手続きを行ってください。PEM−DREAMでの代行はできません。
 まぐまぐ http://www.kaijo.com/  
 melma! http://www.melma.com/taikai/
 □連絡先: info@pem-dream.com
 □マガジンID:0000065319(まぐまぐ) m00039824(melma!)


**H2**

<前の号 次の号>

TAKAGI-1