□燃料電池ワールド
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■Vol.055 2002/07/17発行
◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM
☆燃料電池手作りキットの資料送付はもうしばらくお待ち下さい
第4回市民講座の報告で、手作りキットの情報を述べたところ、大勢の方から資料請求のメールを頂きました。事務局で元の原稿の改訂作業を行っており、今週中には終了する予定です。終了次第メールでお送りしますので、もうしばらくお待ち下さい。なお、ご請求いただければどなたにでもお送りしますので、ご希望の方はお申し込み下さい。
お申し込みは、info@pem-dream.com までお願いします。
■お知らせ
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◇ホンダも年内発売を表明・燃料電池自動車
燃料電池自動車の発売を、当初予定の2003年から年内に前倒しを表明したトヨタに続いて、ホンダも年内発売を表明した。トヨタは7月1日付でニュースリリースしたが、ホンダのサイトではリリースは見あたらない。NIKKEI NETの下記のところに記事が載っている。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20020710CAHI245010.html
■PEM−DREAM NEWS
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◇岐阜新聞に紹介されました。
フィルムケースを利用した燃料電池手作りキットが、6月28日付の岐阜新聞に紹介されました。岐阜新聞社と配信した家庭通信社から転載の許可をいただきましたので紹介します。
燃料電池の仕組み知ろう―NPOが市民向けに講座
「組み立てキット」も発売
(リード)次世代エネルギーとして注目されるのが燃料電池。しかしその実物を目にする機会は少ない。このほど燃料電池の普及を目指すNPOが、簡単に体験できる方法を開発した。
(本文)燃料電池はもともとアメリカの宇宙船用に開発された。水を電気分解すると水素と酸素ができるが、燃料電池はこの逆の反応を利用して、水素と酸素を化合させて水と電気を作る。燃料電池といっても、乾電池のように電気を貯めるのではなく、水素と酸素を材料に直接、電気を作る「発電装置」といえる。
特徴としては、水以外の有害物質をほとんど出さず、環境への負荷が小さいこと。そして燃料から直接、電気を取り出すため、ガソリンなどシリンダー内で燃料を燃焼させてから爆発させる内燃機関よりエネルギー効率が高いことが挙げられる。また渋滞する市街地を低速で走行してもエネルギー効率が下がらず、総合的にみてガソリン車の約二倍の高効率といわれ、来年からは東京都をはじめ各地でバスの運行が予定されている。
この燃料電池を普及しようと活動しているのがNPO法人PEMーDREAM(東京)で、同電池に関心を持つ研究者や企業の技術者や市民が集まって二年前に結成された。月に一度、市民向けの講座を開く他、各地の小学校や児童館で子供達を対象に学習会を開いている。
そのとき活躍するのが同電池を簡単に作れる実験セットだ。フィルムケースの中に塩水を入れ、ふたの部分に一センチほどの鉛筆のしんを取り付け、プラスとマイナスの電極とする。その電極に乾電池を触れさせ塩水の中に電気を通す。その電気エネルギーによって水が分解されてできた水素と酸素が再び結合し、水とともに電気が発生する。その直後に豆電球のついた銅線を電極に触れさせると明かりがつく。家庭でより本格的なキットを希望する場合は、「燃料電池組み立てキット」(九五〇〇円)も発売している。
同グループの坂本一郎事務局長は「原理そのものは簡単な実験で体験できるので小学生などは夢中になるほどだ。数年のうちに自動車だけでなく、電車、携帯電話の充電、家庭用暖房や照明などが置き換えられていく可能性がある。その変化に戸惑わないように、特に子供達には知識を持ってほしい」と語っている。
■PEM−DREAM NEWS 番外編
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◇六ヶ所村異聞(下)
これまで多少の見聞を書いてきたが、中には私の独断と偏見に基づいた記述だと言われるところもあったかもしれないが、これから書くことは、事実そのものだということを理解していただきたい。
もし、あなたの氏名、住所、性別、生年月日などが村中に知れる状態が出現したら、あなたはどういう考えを持つだろうか。投票区毎に編成されたこの名簿では、有権者となった家族構成も分かってしまう。いずれにせよ、個人情報の漏洩なのだ。
それがあったのだ。永久選挙人名簿が両陣営に流れていた。だが、このことが法律的に問題になるかどうかは難しい。
選挙人名簿は、選挙において投票する権利を持つ人の名簿である。戦前の、有権者が限られていた時代から作られていた。戦後の憲法制定とともに、投票する権利は基本的人権とされ、満20歳以上の日本国民は投票できるようになった。この権利の行使を実務的に担保しているのが、昭和21年から都道府県と区市町村に設置されている選挙管理委員会であり、その事務局である。選挙人名簿はここで作成される。昭和25年、公職選挙法が制定され、基本選挙人名簿と補充選挙人名簿が併用されてきた。
昭和41年、この名簿の作成方法が変更された。それまでは毎年9月15日現在で引き続き3カ月以上同一地域に居住していたかどうかを調べて名簿を作り直していたが、登録漏れや誤記などのさまざまな問題が発生した。そこで、住民票の異動を反映させる住民基本台帳とリンクさせ、選挙人名簿に一度登録すれば、死亡や日本国籍を喪失したときなどの事態以外は永久に登録しておく制度になったのである。
例えば、私がAという自治体で生まれ育って20歳になれば、自動的に選挙人名簿に登録される。その後、Bという自治体に移り住めば、住民票のAからの転出とBへの転入手続きをする。選挙人名簿に登録される要件は、住民票が3カ月間異動しないことだから、Bへの転入手続きが済んでから3カ月経てば私は、B自治体の選挙人名簿に自動的に登録される。A自治体の名簿からは、転出してから4カ月目に抹消される。そして、これらの事務がきちんと行われているかどうかをチェックするために、選挙人名簿の縦覧、閲覧の制度がある。
これがどうも問題の根っこになっているようだ。建て前はそのとおりなのだが、縦覧や閲覧は誰ができるのか。それは「選挙人」であり、登録・抹消される当事者とは限らない。つまり、誰でもいいのだ。選挙人名簿が出回ったということは、「閲覧し、コピーしてきた」からであり、こうした慣例は六ヶ所村だけではない。日本世論調査協会の倫理綱領実践規定では、世論調査や市場調査のみならず社会調査、学術研究調査、行政調査などで、住民基本台帳・永久選挙人名簿の閲覧・標本抽出が行われていることが記されており、こうした場合には一定の有用性があるのかもしれないが、それが選挙そのものに使われるとなれば話は別だろう。
六ヶ所村では以前は与党にしか名簿は渡らなかったという。それではあまりにも不公平だというので全体が共有するようになり、今日に至っている。この名簿があれば、票読みの基礎となるのは当然であり、金のばらまきも的確になる。六ヶ所村の異常な選挙を支えてきたひとつの基盤だったと言えよう。
同じような話が、ネットにあった。熊本県荒尾市の情報公開懇話会の議事録だ。
http://www.city.arao.kumamoto.jp/j_koukai/giji5.html から引用してみよう。
「・ 選挙人名簿の場合は、市議会議員などは自分でコピー機と紙を持ってきてコピーして いる。そういう場合は特別な規則を作っておかないと市としては膨大な紙を出すことになる。あまり公開公開としていると行政側が沈没しやしないかという懸念がある。閲覧してもらう訳だから、もしコピーが必要ならば「おたくの方で紙と機械は持ってきてください」ということになる。そして、電気代は役所の方でもつことになる。ただ、ある市町村では選挙人名簿をただでやっていたり売っていたりするところもある。そういう場合どう対応するかが問題にはなってくる。
⇒(事務局)選挙人名簿の閲覧については、誰にでも条件なしで開示しているわけではない。閲覧できるのは、(1)選挙運動関係 (2)公的機関 (3)公益上の使用の場合であって、営利を目的とした場合は閲覧できないとなっている。県からの要項があって県下どこでも同一の規定で運用している。委員が言われるとおり、電気代だけは市の負担になっているが、機械と紙は持って来てもらっている。
・ 選挙人名簿閲覧についての受付の判断は、どのようになっているのか?⇒(事務局)閲覧申請書と一緒に「これ以外には使用いたしません」という宣誓書を書いてもらっている。
・ 選挙人名簿は何人でも見られるのか?
⇒(事務局)選挙人名簿の縦覧は誰でも見ることができる。その主旨は、選挙人名簿の正確性をきすことであり、間違った登録はないかどうか確認をしてもらうということにつきる。今の時期一番多いのは新聞社等の世論調査関係で、これは縦覧できるとなっている。その場合も新聞社からの証明書や本人の身分証明書、宣誓書も必要になってくる。
⇒(会長)選挙人名簿の縦覧や閲覧が情報公開条例に基づいて認められるかどうかという ことは一度考えないといけないと思う。選挙人の誰がどこにいるかどうか、ということなので個人情報の方に該当すると思う。仮に個人情報に該当するとしたら、皆に公開することはできない。選挙人名簿を閲覧させるのは、先程、事務局から説明があったように、名簿自体がきちんとできているかどうかを一般の人に見てもらって、チェックしてもらうということなので、選挙人名簿自体の正確性の担保はそれで十分だと思う。情報公開で公開しなくてもその公職選挙法で決められたやり方でいいと思う。
・ 選挙人名簿を見せなかった時代がある。その後、縦覧・閲覧の規定ができ上がった。当時、選挙人名簿は今のように住民票とのリンク性はなく、全部本人の申請であった。もし、脱落者がいたら縦覧させて、確定したら閲覧させていた。昭和40年代半ばに永久選挙人名簿に変り、その時点で、全ての者に公開することになった。その後、プライバシーの問題が叫ばれるようになっていった。荒尾市だけでなく他の自治体でも同じように悩まれていると思うので、全体的な問題として捉えてほしい。それを規則というものの言い方で先程、申し上げた。
・ 別れた夫が子どもを探すために住民基本台帳を見に来たり、あるいは、選挙人名簿でもありうるかもしれないが、サラ金の取りたてのために住所を突き止めるのが目的で使われている、というのはよく聞く話だが、それは、選挙に関する目的のために必要であるかどうか考慮する必要がある。又、住民基本台帳が持っている機能からみてどこまで見せるかいうことも、別な法律で規制している。」
情報公開や個人情報の保護という現代的な政治課題をリードしなければならない自治体の首長や議員が、自分の選挙のために使っているのである。財団法人明るい選挙推進協会などで、この問題に対するキャンペーンをぜひやって欲しいものだ。
いずれにせよ、前村長の自殺から始まった実質1カ月の2002年六ヶ所村村長選挙は終わった。村議22人中19人に担がれた前教育長候補が勝ち、落下傘のO候補は破れた。5114票対1339票だった。投票率は、前回の88.96%(初回の記事中、投票率を94%と書きましたが、これは前々回の投票率でした。訂正します)を15.16ポイント下回った。基礎票が家族の2票しかなかったO候補の投じた一石は、前回の与党(村議12人)の得票を下回らせ、棄権票も生んだ。相手候補の選挙運動は、公選ハガキも新聞広告も出さず、1日数カ所の街頭演説と連呼だった。前回は候補者カーの前後に村議の車がずらりとくっついて、街頭演説の時には村議の演説があったが、今回は村議22名のうち約3分の2と言われる建設業関連の議員は街頭に出さない方針を立てていた。公約でも、情報公開条例の制定と入札制度の改革をせざるを得なくなった。
六ヶ所村の構図は、宗男疑惑や知事不信任の長野県政と酷似しており、いずれも公共事業をめぐる複雑な動きが背景にある。私は、村長選挙という角度からその現実の一端を垣間見たのだが、短期間ともに過ごした村の方からは、昔私も持っていた家族のふれあいを思い起こさせられた。東京から約750kmの六ヶ所村から、八戸自動車道、東北自動車道を走って帰途についた。何時間かかったかは神のみぞ知ることにしておこう。
注:この選挙については、以下のネットで知ることができます。
http://www.toonippo.co.jp/
http://mytown.asahi.com/aomori/news02.asp?c=5&kiji=322
また、今発売中の『サンデー毎日』にも記事があります。
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○燃料電池市民講座 http://www.pem-dream.com/citizen.html
○EVENT INFORMATION http://www.pem-dream.com/event.html
○燃料電池マイ・レポート http://pem-dream.com/report.html
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■世界のニュース〈7月)
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<輸送>
●フォードが新しいフォーカスFCVを披露
フォード・モーター・カンパニーは、新型燃料電池自動車「フォーカス」を披露した。燃料電池とバッテリーのハイブリッド式で、バラード製「Mark 902」燃料電池スタックを搭載している。フォードは、この新型車は160から200マイルを最高時速80マイルで走行可能としている。
●SFCCがスコットランド初のFCVを披露
スコッティッシュ燃料電池協会(SFCC)は、スコットランド初のハイブリッド式燃料電池自動車(FCV)を披露した。この自動車は、水素を動力源とする燃料電池スタックを利用、バッテリーを充電して走行する。自動車の水素燃料は、電気分解により発生させたものが協会の共同事業会社から提供された。
スコッティッシュ・エンタープライズのエネルギー部門は、燃料電池自動車プロジェクトへの奨励金を準備している。SFCCはまもなく、FCV計画の第2段階に取りかかる予定で、バッテリー駆動の輸送バスからハイブリッドFCVへの転換に焦点が当てられている。計画の第3段階では、市場への導入に向けたハイブリッドシステムの準備も視野に入れる予定だ。
●NECAR 5がアメリカ横断走行を達成
ダイムラークライスラーのNECAR 5 FCVは、3000マイルを超える燃料電池自動車の今までに無い長距離走行実験に初めて成功した。NECAR 5は、300マイル毎に燃料のメタノール補給のために停車しながら、サンフランシスコからワシントンDCまで横断した。
<定置型電源>
●フュエル・セル・テクノロジーズが国立公園へシステムを2基販売
フュエル・セル・テクノロジーズ(FCT)は、ボンビル・パワー・アドミニストレーションを通じ、固体酸化物型燃料電池システム2基を米国国立公園サービスへ販売し、カリフォルニアのヨセミテ国立公園で利用される事となった。FCT燃料電池システムは、公園内にあるアドミニストレーションビルの電気・空調・給湯サービスをまかなう予定である。
●三菱が燃料電池ジェネレーターを開発
三菱重工業は、住宅向けの小型燃料電池アプリケーションを開発した。2002年末頃にはサンプル製造開始を見込んでいる。この燃料電池は、およそ1kWの電力発生が可能で、その大きさは2400平方センチメートル程である。
三菱重工業は、2005年までに家庭向け試作システムの設置開始を予定している。この試作燃料電池は、最初の数年間は50万(約4000ドル)から60万円(約4800ドル)で販売され、2010年までには20万(約1600ドル)から30万円(約3400ドル)の間まで価格を引き下げたいとしている。
<携帯電源>
●メディスが兵士用FCバッテリー充電器を開発
メディス・テクノロジーズはジェネラル・ダイナミックス C4 システムズ(GDC4S)と協力して、アメリカ軍向けの高性能携帯型燃料電池(FC)バッテリー充電システムを開発している。メディスはGDC4Sから商品代金として7万5000ドルを受け取っており、最初の燃料電池充電器の試作品開発費用に充てている。
GDC4Sは、メディス社の所有するダイレクトメタノール燃料電池技術を使い、パーソナル・デジタル・アシスタントや携帯型パソコン、特定の武器などの携帯型電子機器用のバッテリーの戦場での充電を可能にするシステムを開発中である。
<燃料電池コンポーネント>
●モダインがFCコンポーネントをバラードに提供
モダイン・マニファクチュアリング・カンパニーは、熱量管理コンポーネントをバラード・パワー・システムズへ提供する予定だ。このシステムは、ダイムラークライスラー子会社でGM傘下のエヴォ・バスによって開発中の燃料電池バス「シターロ」に利用される。
●ザイロンが燃料電池用金属を開発
ザイロン・セラミック・マテリアルズは、固体酸化物型燃料電池用の低価格セラミック金属の開発に向けてニューヨーク州エネルギー調査研究機関(NYSERDA)との契約に達した。
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■燃料電池ワールド
□毎週水曜日発行
□編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM
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