□燃料電池ワールド
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■Vol.042 2002/03/27発行
◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM
■お知らせ
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◇HPを公開(一部)
約半年間ダウンしていたHPを、トップページからアクセスできるようにしました。ご覧になれる内容は、「燃料電池マイレポート」「イベント」「PEM−DREAMニュースのバックナンバー(1999〜2001)」「PEM−DREAMとは」の4項目です。
今後、準備が出来次第、他の項目も公開していきます。
◇今週の新着『マイ・レポート』
・アメリカ・ドイツ燃料電池取材紀行・その4(富永良治)
○燃料電池マイ・レポート http://pem-dream.com/report.html
◇PEM−DREAM第3期に向けて、サ〜、どーする・・・
辻本清美代議士の秘書給与問題が世情をにぎわせている。その一連の報道を読んで、目的が決められているお金が他の目的に使われたという似たような構図が、私たちにも有り得ると思った。それは助成金である。
PEM−DREAMのことで恐縮だが、2000年6月にスタートを切ってから、財政のことではずーっと頭を悩ませている。法的な責任を持つ社会的存在としてのNPOの仕組みが、よく分かっていないところがあるからだ。これは、資金が潤沢にあれば解決するということではない。もちろん、意欲に比して資金は不足気味なので、2000年の後半には助成金を得ようと考え、2,3の公募に応募した。結果は皆ダメだったが、今はそれで良かったと思っている。
理由はふたつある。ひとつは、通常の管理運営にかかる資金が不安定なので、助成金を獲得しても流用してしまう可能性があった。助成金ではその助成目的に沿った支出しか認められていないので、それはいけないことなのだが、背に腹は代えられないというルーズな倫理観が悪魔のささやきをつぶやく。応募をしたとき、事務局内では「もらっちゃったら大変だぞ」という話も出たほどで、聞くところによると、助成を行ったところからは厳しいチェックが待ち受けていて、きちんとしていても多くの労力を費やすそうだ。
今ひとつは、自立した財政基盤がないままに助成金を受けると、麻薬のような作用が働きかねない。もちろん、NPOの置かれている現実は、両方をうまくコントロールしていくことを必要としているのであり、そうはならない運営を行っているところがほとんどなのだろうが、私たちはまだそのレベルではないので、結局この1年は助成金の応募はしなかった。
3月23日の第3期事業計画懇談会でも、財政基盤の問題が話し合われた。この問題は、会員制度と裏腹の関係があると以前から感じていたので、会員制度の見直しという形で問題提起をした。
PEM−DREAMの会員制度は、正会員と情報会員、学生会員、賛助会員の4種類があり、年会費制をとっている。会員とは何か、ということを考えると、人間が集まって活動をするときはどうしても東京を中心とした地域限定になるが、ニーズからみると地域性はない。現に、「素人が取り組む燃料電池の制作」については、名古屋の方から「東京だけでなく他の大都市で開催してくれると幸いです」という希望が寄せられた。
会員を、会費を払っていただき、その見返りとして会の活動に参加したり、何らかのサービスを受ける存在、あるいは一緒に活動をしていくための経済的負担を分担する存在と考えると(この考え方が強かったのだが)、自己撞着を起こしてしまう。会員勧誘のインセンティブを考えることは当然だが、活動に参加することとお金を払ってもらうことは分けて考えるべきだ、という方向で議論がまとまった。つまり、会費とは、PEM−DREAMの活動を支持するが、寄付の代わりに会費という形で行う財政支援という意味であり、会員は財政的支援を行う人であり、その見返りを求めない。私たちの活動への社会的支持が会費となって現れるように、そういう活動を目指さなければNPOではなくなるのだろう。活動への参加は会員、非会員の区別をつけず、やりたい人が自発的意志で参加するということである。私たちはそういう場を提供し、運営していく団体なのだ。
PEM−DREAMの組織運営にこの原則を導入するためには、総会での議決、定款の変更が必要であり、3カ月くらいの時間がかかる。だが、今のうちに基本的なことをしっかりさせておかないとえらいことになるので、第3期は応援団の力を借りて、足下から作り直そうと思っている。
法的な提出書類でも、提出が遅れるという苦い経験をした。NPOは、設立時に2年分の事業計画と予算を作り、承認を受けなければならない。私たちもそうしたのだが、どうしても作文的になってしまった。予算書などは気持ちが入り込んでいて、決算と比べると数字のかい離は甚だしいものがある。2年近く続けてきて、予算決算のポイントや他の書類の作り方も教えてもらい、自分たちの経験から肌身で感じることも少なくなかった。事務局の仕事もペースに乗ってきたので、事務的な違法状態! は第3期からはなくす。
こうしたことを考えるようになったのも、ひとえに活動に参加して下さる方が増えてきたからである。第3期の事業計画については、3時間半にわたって突っ込んだご意見をたくさん頂いた。ひとつひとつの事業では実施計画があいまいなものもあるが、燃料電池教室の会場には岩谷産業株式会社のお部屋を貸していただけたり、素人が取り組む燃料電池の制作の監修を横浜国立大学の神谷信行先生がお引き受け下さったり、燃料電池の原理がよく分かる手作りの燃料電池のプレゼントがあったりと、少しずつ具体的な前進がある。これから細部を詰めて、総会の承認を得て実施を目指していきたい。サー、頑張るぞ〜!!!
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■イベント紹介
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先週からメルマガの情報量を整理するために、イベント紹介のシステムを次のように変更しました。
・新着のイベント情報は、1回目の週だけ内容を全文メルマガで紹介します。
・再掲となるイベントは、HPにイベント紹介コーナーを設置して公開しましたので、メルマガではタイトルのみ紹介し、内容はHPでご覧ください。
●シンポジウム「次世代エネルギーとこれからの暮らし」(3月27日)
ポスターの画像をHPに掲載しました。なお、予約無しで当日のご参加もできます。
●レスター・ブラウン氏の講演会&エコ・ネットワーキングの会(5月12日)
●第9回燃料電池シンポジウム(5月15〜16日)
○EVENT INFORMATION http://www.pem-dream.com/event.html
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■世界のニュース〈3月)
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<携帯電源>
●SFCが燃料電池の製造を開始〔ドイツ〕
スマート・フュエル・セル社(SFC)は、125mlのメタノールを蓄え、ノート型パソコンを8時間以上起動できる超小型メタノール型燃料電池の生産に着手した。SFCは、最終的に1個あたり3〜5ドルの製造コストを見こんでいる。
<定置型電源>
●HパワーがEPAC500を披露〔アメリカ〕
Hパワー社は、アリゾナ州タックソンで開催された第3回タッチストーン・新発表エネルギー技術会議と展示会において、燃料電池をベースとした商品化前の新型電源「EPAC500」を披露した。このEPAC500は内臓式で、ラックマウント型500Wの燃料電池電源を搭載でき、屋内外で広範囲に使える製品群として設計されていて、通信機能も備えている。
<燃料電池コンポーネント>
●ECが研究所用にハイドロジェニックス社のテストシステムを選択〔ヨーロッパ〕
共同研究センターのエネルギー研究機構のために、欧州委員会(EC)は、ハイドロジェニックス社のFCATS評価設備を、オランダのペッテンにできた新しい燃料電池研究所用に選択した。ハイドロジェニックス社の燃料電池評価設備は、研究機構の活動が、きたるべきECの燃料電池システムの標準化と評価活動に関係したように、燃料電池の制度的な研究を推進するために使われる。
<提案要求>
●EPA埋立地メタン利用プログラム〔アメリカ〕
米国環境保護庁(EPA)の埋立地メタン利用プログラム(LMOP)は、埋立地から発生するメタンガスの有効利用によ温室効果ガスを削減させる基礎となるような提案の事前申請を受付中であると発表した。LMOPは1つかそれ以上の参加者を期待しており、およそ1万5000〜7万5000ドルを予定している。
<その他>
●HARCとLACTECがブラジルの燃料電池計画を共同研究〔アメリカ・ブラジル〕
ヒューストン先端技術センター(HARC)とLACTEC(Instituto de Tecnologiapara o Desenvolvimento)は、特にブラジルにおける発電とエネルギー貯蔵を促進する燃料電池のために、エネルギーと環境の開発プロジェクトの協力協定を結んだ。
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