□燃料電池ワールド
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■号外 2001/10/04発行 ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM
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☆昨日の緊急ニュース・・・その結果をお知らせします。
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□ バラード社は10月2日午前10時30分(日本時間同日午後11時30分からの会見で、ダイムラー・クライスラー傘下のエクセルシス社、フォード傘下のエコスター社の株式を両社から取得すると発表しました。これにより、バラードは従来のエクセルシス、エコスター両社の持ち株を増加させ、ダイムラー・クライスラーとフォードは同様にバラード社の持ち株をそれぞれ19.3%から23.6%へ、14.5%から19.5%へと増加させることになります。
ダイムラー・クライスラー、フォード、バラードの関係はより緊密となり、バラードはコンポーネントから発電装置までの燃料電池と自動車用燃料電池のパワートレーンなど製品構成のはばを広げることとなります。バラード社は燃料電池スタックのサプライヤーから広範な燃料電池製品群のメーカーへと軸足を移し、より消費者に近づくことになります。バラードは2002年にいくつかの新製品を投入しますが、商品化時期は従来と変わらず、今年の末にポータブル発電機を市場投入(注)、2002年には路線バス用エンジンを、2003年に定置型電源を、2003年から2005年の間に自動車用燃料電池を販売開始する予定です。
バラードはこの株式取得で製品構成を強化し、早期に市場から資金回収が見込めることになります。また、所有する燃料電池関係の特許も550件から1200件へと増加します。この中には500件の発明も含まれています。
また、経営が統合され簡素化されることによって、コストの削減、効率の改善、生産性の増大が見込まれます。
エクセルシス社( XCELLSIS GmbH ):
ドイツ・シュツットガルトを拠点とし、社長はダイムラー・クライスラーの副社長で燃料電池開発の陣頭指揮をとるフェルディナンド・パニク博士です。アメリカ・サンディエゴ、カナダ・バンクーバーにも拠点を持ち、バスをはじめとする自動車用燃料電池エンジンを開発しています。ダイムラー・クライスラーが2002年にヨーロッパ10都市で燃料電池バスを走行させるCUTE計画で、心臓部の燃料電池エンジンを提供します。
この発表以前の持ち株は、ダイムラー・クライスラーが51%、バラードが27%、フォードが22%となっていました。
エコスター社( Ecostar Electric Drive Systems ):
アメリカ・ミシガン州ディアボーンを拠点とし、電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池自動車用のパワートレーンを開発しています。また、定置型燃料電池用のパワーコントローラーも主要な製品のひとつです。フォードが62%、バラードが21%、ダイムラー・クライスラーが17%の株式を分担していました。
(注)ポータブル電源モジュール「Nexa」:
9月27日にバラード社が世界ではじめて量産を開始すると発表したPEM型(固体高分子形)の燃料電池電源です。寸法は長さ56×幅25×高さ33cm、重さ14kg、出力1200W(46A、26V)、耐久時間1500時間で、燃料には99.99%の水素ガスを使用します。排出物は最大1時間に0.73リットルの純水だけで、CO、CO2、NOx、SO2、粒子状物質はなんと0ppm、騒音は1m離れた位置で72dBA。安全性・標準化については既にUL(アメリカ)とCSA(カナダ)の認証を取得しています。
このポータブル電源はOEMで提供され、コールマン・パワーメイト社が世界で初めて商品化に名乗りをあげ、今年の年末にアメリカで販売を開始します。
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