小林 一三「私の行き方 阪急電鉄、宝塚歌劇を創った男」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆


購入: 2006/10/24
読了: 2006/11/ 6

阪急創始者・小林一三翁の著書が文庫で手に入る。

関連: 
小林 一三「小林一三―逸翁自叙伝」
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小林 一三「小林一三―逸翁自叙伝」

記事ページ 発行: 2006年01月03日

1月3日ということで。



祖父が小林一三翁の邸宅を美術館にした逸翁美術館に出入りしていた職人だったので、いつかは読みたいと思っていた本である。
財界の大物も多数登場し、明治期のダイナミックなビジネスが感じられる。

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ラチェットの精神

記事ページ 発行: 2008年04月02日

社会人になって丸2年がたったが、いま思うのは、いかにして社会を逆戻りさせないか、ということである。

そのためには、成果を確実に刻み付けていかねばならない。

そうでなければ、社会は錆び付いていってしまう。我々は社会を研ぎ澄まさねばならないのだ *。

 * この文章の発想の元:
ヘンリー・ペトロスキー=著, 中島 秀人・綾野 博之=訳 : 橋はなぜ落ちたのか―設計の失敗学 (朝日選書, 2001) p.211.

>こうして、技術の失われた偉大な教訓のいくつかが再発見され、未来の技術者の中で、技術的思考と判断は、錆び付くどころか研ぎ澄まされることになるだろう。

中学生になったら自らの手で人を殺せることを認識すべきだという話を聞いたことがある。

私は社会人になってから、自らの死を想定しなければならないと感じている。

古来よりある事柄について纏めようと文章を書いていた人間が、纏め終わる前に死んでしまうことがある。

例えば、クラウゼヴィッツ「戦争論」は、クラウゼヴィッツの死後、夫人 マリー・フォン・クラウゼヴィッツによって刊行された。よって、少なくとも推敲の面で、「戦争論」は未完成の作品なのである。

いろいろな思索をいつか纏めるために頭のなかにしまっておくだけでは、自らの死によって、その情報は消滅し、社会を逆戻りしてしまう。

随時、成果を確実に刻み付けていかねばならない。

関連:
小林 一三 : 私の行き方 (PHP文庫, 2006) p.32.

> 慶大の卒業生で、宝塚の大劇場で座席券の売りさばきやその取り扱いの仕事をしていたMという青年は、...いつもいつもその残務がキチンとして、その晩当人が仮に死んだとしても、翌日誰にでも分かるように片付けている。



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「後につづく者たちが、我々よりも苦しまない世の中」にするためには
( (1) 生産性の向上 手段2: 前例の創出 )
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フーヴァー米大統領による標準化

記事ページ 発行: 2008年04月05日

小林 一三 : 私の行き方 (PHP文庫, 2006) p.94.

> フーバー氏[:ハーバート・フーヴァー米大統領]がいかに無駄を省くことに努力したかが左の卑近な例で充分分かる。

 商務省に「単純化実行局」を設けて、米国産業の全般にわたって標準化の一大鉄案を立てた。すわわち、
「従来百七十五種類もあった自動車の車輪をわずか四種に制限し、二百八十七種もあったタイヤの種類を三十二に減じ、六十六種もあったレンガの型を二十に制限し、二百十種類もあった瓶の形を二十に制限し、一万七千余種もあった管具を六百十種に減じた」



関連:
人は小成に安んずる事は退歩である
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娯楽の社会的意義

記事ページ 発行: 2006年11月11日

私は人の苦しみを減らすことには関心があるが、楽しみを与えることにはそれほど関心がない。

達観視点において娯楽に意義を見出せないのであったが、娯楽には以下のような社会的効用があるそうだ:

小林一三 : 私の行き方 (PHP文庫, 2006) p.186.

>ロシア、ドイツ、イタリアなど資本主義の経済機構に驚天動地の夜嵐が襲来したその津波の跡を見る時、レストラン、映画、芝居などいわゆる大衆娯楽の機関のみは、その運転を停止せざるのみならず、むしろかえって世道人心に処し調和剤の一種として、必要欠くべからざる利器として、善用せられた事実は、...



関連:
小林 一三「私の行き方 阪急電鉄、宝塚歌劇を創った男」
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-822.html

 

人は小成に安んずる事は退歩である

記事ページ 発行: 2006年11月11日

小林一三 : 私の行き方 (PHP文庫, 2006) p.93.

>人は小成に安んずる事は退歩である。いつまでも若き心と、勇猛心とを失わずして働く事を、第一義務としなければならぬ。

ハーバート・フーヴァー米大統領による事業経営の精神の、小林一三翁による要旨。

関連:
小林 一三「私の行き方 阪急電鉄、宝塚歌劇を創った男」 
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