森 有正「生きることと考えること」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆



購入: 2008/ 7/12
読了: 2008/ 8/ 4

2008-04-18(Fri): 「利用者のつながりを創り出すコミュニティ指向型図書館システム」を読んで - ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版

>自分が日常において、あるいは日本語で提供されるコミュニティーサービスのウェブプロデューサーであったときに、コミュニケーションのあり方を考える上でしばしば読み返した本を一冊挙げておこう。参考になるところがあるかもしれないし、ないかもしれない。



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この本からの引用、または非常に関連する記事

全 6 件

日本語には判断をさしひかえる形が多すぎる

記事ページ 発行: 2019年09月25日

森 有正 : 生きることと考えること (講談社現代新書, 1970) p.195.

日本語には判断をさしひかえる形が、言語構造そのものの中に多すぎる。そのために客観的な認識というものが発達しないのです。



 

記事ページ 発行:

 

実体を伴わない言葉が、それに対する批判がない中で、凝固する

記事ページ 発行: 2008年08月16日

森 有正 : 生きることと考えること (講談社現代新書, 1970)

p.84. [自分の中の経験に結びつけられて普遍的なものとなる]

>ほんとうに生きるということは、ほんとうに考えることだということの意味は、ほんとうに生きることによって、個的なものと普遍的なものとが、自分の名前を与えるという決定的な行為において、自分の中の経験に結びつけられて普遍的なものとなるということです。


p.88. [自分の中に実体がなくてはならない]

> 第二には、ヒューマニズムというのは一つの「ことば」ですから、ことばとしてそれを使うには、やはり自分の中にヒューマニズムということばであらわされる実体がなくてはならない、ということです。実体なしにそれをかってに使って、ヒューマニズムをつくろうといっても、それはことばだけに終わってしまう。(中略) ...平和とか、自由とか、人間とかのばあいも同じことですが、ヒューマニズムに至るためには、ヒューマニズムから出発してもだめなのです。


p.98. [「経験」と「体験」]

> このように、経験というものが過去に凝固して、それが絶えず自分の意識の中で繰り返されるという過程をとる、それが体験です。


p.100. [「体験」を「経験」に転化する]

>われわれは絶えず「体験」を「経験」に転化させるように努力しなくてはいけない。...

 われわれには、一つの経験しかない。その一つの経験を体験的なものに凝固してしまうか、あるいは経験的なものに柔軟に開いていくか。


p.102. [「経験」から「不可知論的」なものがなくなったときに、それは体験となり、荒廃する]

>ほんとうの経験というものには、絶えず一定の程度の不可知論的要素がはいっている。... そして、「経験」から「不可知論的」なものがなくなったときに、それは体験となり、荒廃になってしまうのです。


p.104. [「不可知論的」とは真の自己批判の対象であること]

> 不可知論的になるということは、私がよくいう、「自分自身に対して否定的な原理が働く」ことですが、たとえば、よく使われる自己批判ということばも、...



 

組み合わせることによって、自分のものになる

記事ページ 発行: 2008年08月23日

「自分のもの」というのは、単なる所有ではなく、習得・愛着という意味を含む。

森 有正 : 生きることと考えること (講談社現代新書, 1970) pp.72-73.

>私ども自身が、そのものについてある責任があり、それをオーガナイズする能力があり、またオーガナイズする意図を持ってわれわれの欲望と感覚と、それから期待と、すべてのものをそこに注ぎかけることができる対象ができたときに、それをものということばで私は呼ぶのです。["もの"に傍点あり]

つまり、

 組み合わせやすいもの = 習得しやすいもの(:使いこなせるもの・使いやすいもの)・愛着がわくもの

なのだ。

先日、電力供給の問題に関連して、自分の部屋にある電化製品のつながりを整理した。TS330480.jpg
そして、「自分のもの」が「オーガナイズ」されていることを実感した。

 

言葉の思想をなくさない

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「不謹慎厨」という障害。名が付くという解決

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