川喜田 二郎「発想法―創造性開発のために」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆


購入: 2008/ 8/23
読了: 2008/ 9/ 6

川喜田氏に関しては梅棹 忠夫 : 知的生産の技術 (岩波新書, 1969)の、まえがき p.v、本文 p.23, 42, 206 に記述がある。

ブクログ - web本棚サービス


この情報は2024年6月現在の情報です。現在の状態はこちら

この本からの引用、または非常に関連する記事

全 11 件

梅棹 忠夫「知的生産の技術」

記事ページ 発行: 2006年07月24日


購入: 2008/ 5/29
読了: 2008/ 5/31

 

野外観察の4条件

記事ページ 発行: 2008年12月06日

1. とき
2. ところ
3. 出所――情報源(通訳の有無を含め)、測定計器など
4. 採集記録者

川喜田 二郎 : 発想法―創造性開発のために (中公新書, 2008) p.36.

> まずどんな観察事項も次の四つの条件を備えていなければならない。それは、(1)とき、(2)ところ、(3)出所、(4)採集記録者についてである。



 

人間行動の観察における7つの着眼点

記事ページ 発行: 2008年12月06日

1. 類型的行動――ひとまとまりの行動
2. 状況――いつ、どこで、どんな事情・原因のもとにおける行動であるか
3. 主体――誰が、何が
4. 対象――誰を、誰に、何を、何に
5. 手段方法
6. 目的
7. 結果

以下を参考した:
川喜田 二郎 : 発想法―創造性開発のために (中公新書, 2008) pp.38-39.

 

川喜田氏に学ぶ、まとめサイトは議論を促進する

記事ページ 発行: 2009年07月29日

議論を口喧嘩にしないための方法について、先日なくなられた川喜田二郎氏の著書「発想法」に学ぶ。

「発想法」から考えたこと――まとめサイトは、議論を促進する


まとめサイトは、議論を促進する。

以下のようにすれば、まとめサイトは、議論をもっと促進できる。

  • まとめサイトにおいて、「この意見が言及している問題は何か」ということを明示する。

    新たな意見を表明しようとする人に、まず、問題を広げるのか、それとも、同じ問題に対して意見を述べるのか、二者択一をさせるように導くとよい。

  • まとめサイトにおいて、表明された意見を網羅する(トラックバックをたどる等して)。そして、意見の関係性を整理して公開する。その際、たとえ関係を見いだせない意見であっても、載せる。

  • 次の議論のために、長期間、維持する。まとめサイトは、議論の生産物である。


考えのもと――会議へのKJ法の応用


上記の考えは、川喜田 二郎 : 発想法―創造性開発のために (中公新書, 2008) p.161〜のV章「KJ法の応用とその効果」「会議への応用」節を読んで、得たものである。

なお、KJ法とは、カードに意見を書きため、それをボトムアップ的に内容が同類のカードを束ね、さらにカードの束の内容と束同士の関係性を描いた図を作成して問題解決を図る方法である。

以下に、同節をまとめる。

会議の進め方:

1. 参加者が「なにを問題にするのか」について意見を共通の場に吐き出す。そして、問題の構造を組み立てる。全員が「問題はなにか」を共通の認識でつかむ。

2. ブレーンストーミング。批判の代わりに提案をする。「まとめる」自信があれば、ブレーンストーミングによる意見の発散は怖くない。

3. KJ法を用い、討論構造を図解し、それを参加者にフィードバックする(呈示する)。

4. 討論の全体構造をみながら、「よい、わるい」という批判を加える。

5. 最後に多数決。

この手続きの重要な点は、少数意見がみな一度は生かされること。「自分の意見に一度も耳を傾けてもらえないところにさびしさがあり、ひいては衆知を集めることに参加する情熱を失っていく。(p.168)」

図解とフィードバックによる効用:

  • 完全に遊離していた意見は図の上で一目瞭然になり、「よい悪いはまったくなにもいう必要がない(p.168)」状態になる。

    遊離していた意見は、問題の見方を問い直すきっかけになる。遊離していた意見の位置づけを可能にする考え方を考えることによって。

  • 「意見の内容についてはけんかした人間同士でも、どういう土俵で相撲をとったのかという構造の点では、反対はしない。(p.170)」

  • 意見の関係を正しくとらえることができる。

  • 「討論は同じ段階で堂々めぐりすることは不可能になる。そして、皆の努力はむしろ、新たな知恵をいかにしてつけ加えたり生みだしたりするかという方向に向かうのである。このように、一回ごとの討論結果をはっきりと生産物にして組み立て、それを踏み台にして、次の討論に立ち向かう場合には、そうでない場合とは状況がまったく違ってくる。(p.173)」


 

問題の分割・構造・全体像を、共有する

記事ページ 発行: 2009年10月30日

KJ法の効用は、問題の分割・構造・全体像を、共有する(各人が共通認識を持つ)ことである。

関連:
分類
http://nhm.blog75.fc2.com/blog-entry-324.html

川喜田 二郎「発想法―創造性開発のために」
http://homepage2.nifty.com/mukyu/books/booknet/blog-entry-1628.html

川喜田 二郎「続・発想法」
http://homepage2.nifty.com/mukyu/books/booknet/blog-entry-2268.html

 

まとまる

記事ページ 発行: 2010年01月11日

川喜田 二郎 : 発想法―創造性開発のために (中公新書, 2008) p.53.

>要約分析と統合の両方法を関連的に全部行使したときに、はじめて「まとまる」のである。



 

加乗減除

記事ページ 発行: 2010年08月29日

川喜田 二郎 : 続・発想法 (中公新書, 2008) p.94.

>いったい、ほんとうの意味で衆知を集めるための会議は、どのように行うべきものか。そのなかで評価はどのどうすればよいのか。
 これは、前著でもふれたように、算術の四則演算のようにおこなうのがよい。ただし、加減乗除の順ではなく、加乗減除でなければならない。


川喜田 二郎 : 続・発想法 (中公新書, 2008) p.265

>「どのような意見も、それを足し算で加えて、掛け算で組み立て、位置づけを明らかにするまでは、どれほどの価値のあるものかがわからない」... 掛け算がすむまでは、まだ多数か少数かをいうべきでない。



 

「論文の書き方:結果から結論をどのように導くか?」関連書籍

記事ページ 発行: 2008年08月14日

論文の書き方:結果から結論をどのように導くか? - Y日記



 

記事ページ 発行:

 

記事ページ 発行:

 

記事ページ 発行:

 

↓下に表示している「関連書籍・記事」だけを新しいページに表示する:

|


© TAKAGI-1