中尾 政之「失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆


購入: 2007/ 8/31
読了: 2008/ 2/17

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この本からの引用、または非常に関連する記事

全 6 件

中尾 政之「失敗は予測できる」

記事ページ 発行: 2007年11月29日


購入: 2007/12/18
読了: 2008/ 1/ 9

404 Blog Not Found:失敗学ドリル - 書評 - 失敗は予測できる

関連:
中尾 政之「失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する」
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1464.html

 

ヘリウムの産出国

記事ページ 発行: 2008年02月03日

ヘリウムの産出国は、アメリカ合衆国、アルジェリアなどごく限られている。

SUPERCOM on WWW「12.最近のヘリウム供給事情」

> 少し古いが1995年の資料によると、世界のヘリウムは、米国、アルジェリア、ロシア、ポーランドで生産され、合計143百万m3/年の供給能力を持っていて、そのうち米国が19の基地から世界の80%近くの114百万m3/年の設備で、約100百万m3/年を供給していた。

ヘリウム - Wikipedia [2008年1月8日 22:32 の版]

>ヘリウムは地球の大気中に5ml/m3しか含まれていないため、産業的な供給源は北アメリカ産やアルジェリア産の天然ガスから得ている。これらのガスには、岩石中の放射性元素が自然に核崩壊して生じたヘリウムが1〜7%含まれている。

2007年現在はアメリカ合衆国が20世紀に国家戦略物質として大量に備蓄していた液体ヘリウムを、民営化による方針変更によって国際マーケットに大量販売しているため、MRIの冷却材のような拡大する医療用や産業用の需要に十分対応できているが、この備蓄分の販売が終われば急激に価格急騰とヘリウム不足が発生すると警鐘が鳴らされている[1]。

中尾 政之 : 失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する (森北出版, 2005) p.217.

>ツェッペリン社はもともと水素でなくてヘリウムを使いたかったらしい。本質安全を考えると当たり前である。しかし、世界唯一のヘリウム産出国の米国が、ナチの飛行船の軍用転換を恐れて供給しなかったのである。



関連:
中尾 政之「失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する」
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1464.html

 

失敗学と「ヒューマンエラーを防ぐ知恵」、その関係

記事ページ 発行: 2008年02月17日

要約:
ヒューマンエラーを防ぐ知恵」は、失敗学ではあまり触れられてこなかった人間系の過失に触れ、それに対する解決策立案について論じている。

失敗学に対して、厳密には階層下に位置するが、実質的には並列関係にあるといえる。



404 Blog Not Found:失敗防止学の教科書 - 書評 - ヒューマンエラーを防ぐ知恵において、

>本書は失敗学ともかなり重なるが、違いもある。「失敗は予測できる」をはじめとする「失敗学本」は、まず「失敗から学ぶ」ということで、実際におきた失敗を重視しているが、本書の場合、それを防ぐにはどうしたらよいかというのが焦点。失敗学を「科学」とすると、本書のそれは「工学」ということになる。

と書いてあるので、失敗学の延長のつもりで読んだら、違和感が生じた。いままでに読んだ失敗学の本との知識のリンクがとれないのだ。

それもそのはずで、題名に"失敗"の文字はない。3ページある「まえがき」にも"失敗"の文字はない。目次(つまり各章各節の見出し)にも"失敗"の文字はない。

そこで、「ヒューマンエラーを防ぐ知恵」と、いままで呼んだ"失敗学"の本を比較した。

■ 前置き

失敗・事故が発生する「現場」は、機械系(システム系)と人間系から構成される。人間系は、過失と故意の違反(いけないことはわかっているけれどもコスト削減・手抜きのためにやった。「だまし運転」など)からなる。

つまり、
  • 機械系
  • 人間系
    • 過失
    • 故意の違反

■ 「ヒューマンエラーを防ぐ知恵」

範囲: 人間系の過失
重点: 解決策の立案


概要:

今までうやむやにされることが多かったヒューマンエラー(人間系の過失)を対象にしている。

直感的に得られる対策である「人間への指導」という手段をよらない解決策を導こうとしている。

原理がわかなくても解決策を立案できることが重要視される工学的領域にある。

もうすこし詳細:

問題のとらえ方として、以下の6通りの捉え方をするように推奨されている。

中田 亨 : ヒューマンエラーを防ぐ知恵 (化学同人 DOJIN選書, 2007) pp.60-63.

>前提条件の問題だ
>やり方の問題だ
>道具と装置の問題だ
>やり直せればよい
>致命的でなければよい
>認識の問題だ

この捉え方と「なぜを五回繰り返す」を表現したような「ミス対策検討用紙」(p.147)がある。

また、機械系と人間系との接点であり、情報伝達に齟齬が生じる可能性があるインターフェイスは、ヒューマンエラーが発生する大きな源であるため、インターフェイス論が大きく取り上げられている。


■ 失敗学

範囲: 機械系・故意の違反・過失
重点: 失敗情報の利用促進

概要:

すべての失敗・事故を対象にする。しかし、ヒューマンエラーに関しては扱われることは「少なかった」/(その蓄積として)「少ない」。反して、機械系の失敗および人間による故意の違反を原因とするものに関しては、情報が蓄積されている。この情報空間から得られる結論は、未知の事故原因が生じることをあまり考えなくてよい、である。

よって、これまでの失敗情報の利用促進に重点が置かれている。

失敗学が期待している行動は、失敗知識の伝承と、アナロジー(類推)による失敗予測である。

データベースの作成手法の考案*・データベースの公開、そして41原因への整理(体系化の一歩)**はその目的のためである。

科学領域にあり、また教育体系が語られる段階にある。

* 関連引用: 畑村 洋太郎 : 失敗学のすすめ (講談社, 2000) p.109.

>事象、経過、原因、対処、総括に知識化を加えた六項目の記述は、後に役立つ失敗情報を正しく伝える上で最も適したスタイルです。

また、航空業界におけるデータマイニングによる事故要因の可視化(参考: 佐々木 俊尚「ウェブ国産力 日の丸ITが世界を制す」第四章)が例としてあげられる。

** 中尾 政之「失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する」

 

ヘンリー ペトロスキー「橋はなぜ落ちたのか―設計の失敗学」

記事ページ 発行: 2008年02月19日


購入: 2008/ 2/20
読了: 2008/ 3/29

中尾 政之 : 失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する (森北出版, 2005) p.335.

>著者は大型橋梁の失敗を「設計者は大きなものに挑戦したくなる」「大きなものが壊れたときに、人間は新たな現象を理解する」という2,000年間も続いた歴史的な失敗シナリオを論じた。



関連: 
中尾 政之「失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する」
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1464.html

 

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