JR東日本は、東北新幹線の新青森延伸に向けて、360 km/h での営業走行を目指しており、 そのために「FASTECH」(ファステック)と名づけた高速試験車を所有しています。 「FASTECH」には、以下の 2種類があります。
FASTECH 360S : 新幹線区間専用車。E954形。 新幹線E954形電車 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9AE954%E5%BD%A2%E9%9B%BB%E8%BB%8A 2005年 6月より走行実験開始。同年 8月に 398 km/h 走行を達成。 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060301AT1G0100K01032006.html FASTECH 360Z: 山形・秋田新幹線のような新在直通を考慮した車両。E955形。 新幹線E955形電車 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9AE955%E5%BD%A2%E9%9B%BB%E8%BB%8A 3月 9日に、仙台港に到着。 http://www.kahoku.co.jp/news/2006/03/20060309t73038.htm ←現在は見れません さて、「FASTECH」の最大のチャームポイントは、海外でも報道されたように ( http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/4621217.stm )、猫の耳のような緊急用の 空力ブレーキです。 開発サイドでも、これは気に入っているようでして、 スラッシュドット ジャパン | ネコミミ搭載型の次世代新幹線が初公開 http://slashdot.jp/article.pl?sid=05/06/25/2343200&topic=70&mode=thread * > JRの技術者は騒音対策に引っかけて「足音をたてずに走る猫にあやかりたい」と >コメントしている スラッシュドットではさらに続けて、 ( * より) >ついでに肉球とシッポも装備すると視覚効果倍増ではないだろうか。 とコメントしていますが、肉球はともかくシッポはいけません。電車は前後対称であることに 意味があるのです。前後対称だから、終端駅で運転手と車掌が入れ替わるだけで、折り返し運転が できるのです。 新幹線車両の先頭形状を開発する際にも、空気抵抗の面で最良な候補が複数あるとき、それら から最終的にひとつに絞り込む基準として「最後尾になったときの空力特性」が用いられたこと がありました。 (300系車, 大朏博善 : 新幹線 のぞみ白書 (新潮社,1994) p.73.) ...しかし、これは硬直した考え方かもしれません。山梨で実験されている 500 km/h で 走るリニアモーターカーは、その車両が先頭車両になるか、最後尾車両になるかで形状が 変わる機能を持っています。 青木 繁 et al., 山梨リニア実験線新先頭車両Mc5 −環境影響低減を目指して− 三菱重工技報, Vol.40 No.3, 138-143 (2003/ 5) http://www.mhi.co.jp/tech/pdf/403/403138.pdf ** >鈍頭で先頭部の長い車両が後尾車として走行する時,気流の剥離が起こりやすく,またその >剥離点の不安定な前後移動に起因する車体の縦揺れが懸念されたため,その改善策として >剥離点を固定し,かつ乗り心地を向上させる目的で図11に示す方向切替式スポイラを >車体先端部付近に設けている.本スポイラはMc5 が後尾車として走行する時のみ開き, >先頭車として走行する時は収納される. なお、このスポイラは、以下のようにあまり意味がなかったそうです。 ( ** より) >なお,本スポイラは乗り心地向上のために設置されたが,走行試験の結果,スポイラを展開 >しなくても気流の剥離は後端の極く小さい領域のみであり,当初懸念していた不安定な >剥離現象が発生しないことが確認され,また乗り心地も予想以上に良好であることから常用 >しないことになった. 関連: JR東日本、360km/h新幹線の試作車両、先頭形状イメージ http://mkynet.hp.infoseek.co.jp/webcic/lib/inw2/wr-c_0406200.html#3 −移転→ http://takagi1.net/g-sys/inw2/3_wr-c_0406200.html −移転→ https://takagi1.net/webcic/lib/inw2/wr-c_0406200.html#3