無窮ナレッジ

▼新幹線の先頭形状の改良は空気抵抗を減らすためではない

小澤 智, 高速列車の空気力学的諸問題, ながれ, 21, 346-353 (2002)
http://www.nagare.or.jp/nagare/21-4/21-4-t04.pdf  より。
 
 >16 両編成( l = 400m)の 0 系新幹線電車の場合,空気抵抗の約90%は列車中間部からの
 >寄与であることがわかる.  [p.348]
「0系」というのは、最初の営業新幹線車両の系統。たまご型の面構え。
 
  >> 新幹線0系研究のページ : http://homepage3.nifty.com/sakapoyosu/tec0.htm 
 
じゃあ、先頭の流線型はなんの為かというと、
 
 >最近の新幹線電車の列車先頭部の形状は,空気抵抗低減よりむしろ微気圧波対策(...)
 >を考慮してきめられている.  [p.349]
 
「微気圧波」とは、なんなのかといいますと、
 
 >列車のトンネル突入により生じた圧縮波がトンネル内を伝播してトンネル出口に到達した
 >ときトンネル出口から外部に放射されるパルス状の圧力波  [p.350]
 
俗称「トンネル・ドン」ですね。
 
そして、
 
 >車両側の対策は圧縮波の列車先頭部を細長くすることである  [p.350]
 
もちろん、先頭形状の設計は微気圧波対策だけを考えれば良い、ということではなく、
 
 >先頭部形状は微気圧波対策のほか,空力騒音,列車風,すれ違い時の圧力などが
 >考慮してきめられる.  [p.350]
 
関連:
風洞・数値風洞
http://mkynet.hp.infoseek.co.jp/webcic/lib/inw2/wr-c_0311080.html#1 
−移転→  http://takagi1.net/g-sys/inw2/1_wr-c_0311080.html 
−移転→  https://takagi1.net/webcic/lib/inw2/wr-c_0311080.html#1