人類文明を持続させなければならない *。
ただし、ただ持続させるだけではなく、人類文明の持続による人類の向上を実施しなければならない。
ローマ・クラブがいう「成長の限界」(参考: 1972年『成長の限界』の予言通りに人類は2030年の臨界点に向かっている : ギズモード・ジャパン)以降においても、人類文明の持続による人類の向上を実施するならば、人類文明に累積性が働かなければならない。
* 岸田 一隆 : 科学コミュニケーション――理科の〈考え方〉をひらく (平凡社新書, 2011) pp.184-185.
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-3499.html
関連:
ラチェットの精神
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1814.html
我が主軸 2011年版 #規範の展開
http://takagi1.net/shafts/2011/index.html#development
専門知を要するクラスタ(斯界)である *1、
・産業界(企業)
・学術界
・統治機構(政/官)
では、その内部の部分および他クラスタの部分に対する無関心が発生する。
それは、〈自分のものではない財産を使用すること〉と〈費用対効果という指標〉を大義名分として駆動される、以下の機序(=メカニズム)による:
・より利益を大きく得るために、費用対効果の良い部分に関心を指向する代わりに、費用対効果の悪い部分に対して無関心になる。
・より損失を小さくするために、費用対効果の悪い部分から関心を逸らすことによって、その部分に無関心になる。
無関心は、知識や知の方法(技術・技能)を忘失・散逸させる。
対して、「ONの市民」*2、例えば、知的ネット社会 *3 では、無関心に自らを押し込める駆動源が存在しない。
無関心をなくすことによって、知識や知の方法を、社会において累積させることができ、知性・知能の退歩・減衰を防ぐことができる。
*1, *2: それぞれは、「3台の「紡績機」――知に関する社会の仕組み」( http://nhm.blog75.fc2.com/blog-entry-594.html )に挙げた、知に関する社会の仕組みのひとつ〈第3の「紡績機」〉における〈知性・知能を有し、それを意識的に発揮して行動するクラスタ〉である。
*3: 〈多くの人々がつながり、持ち寄られた知性と、それを支援する装置によって、社会が問題を解決する能力を高める仕組み〉を指す。
関連: 知的ネット社会の設計 http://takagi1.net/sekkei/
関連:
ネットの再配信性の効用
http://nhm.blog75.fc2.com/blog-entry-437.html
万有引力で有名なアイザック・ニュートンの「巨人の肩に乗っている」という言葉に代表されるように、科学では累積性が実現されている。
日常社会と科学を近接させ、たとえば科学の成果を彩りにして、社会・人類文明に、科学の考え方をより多く取り入れる環境を醸成する。これによって、人類文明の中心が科学に寄り、科学の累積性に引っ張られて、人類文明に累積性がより働くようになる。
関連:
巨人の肩に乗っている
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1077.html
巨人の正体
http://nhm.blog75.fc2.com/blog-entry-368.html
岸田 一隆 : 科学コミュニケーション――理科の〈考え方〉をひらく (平凡社新書, 2011).
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-3499.html
累積性を、不当に解釈し、人類文明を向上がない固着したものにするために利用してはならない。
累積は、革新である。また、累積性が醸成する保守は、革新的試行錯誤の際に戻ってこられる場所であり、革新者を生かすものである。
関連:
圧倒的優位性を実現する装備。そして、Do × Cancel=不可能を可能にする
http://takagi1.net/blogja/archives/208
伝統とは火を守ることであり、灰を崇拝することではない――グスタフ・マーラー
http://takagi1.tumblr.com/post/71691058050
伝統は革新の連続
https://twitter.com/takagi1/status/379148052822376450
累積性への志向、すなわち〈より強固な、当座の対応ではない将来にわたる累積性を実現させようとする意志と行動〉は、個人それぞれの幸福を実現させる基盤としての最小不幸社会を志向させる。すなわち、〈後につづく者たちが、我々よりも苦しまない世の中〉を志向させる。
岸田 一隆 : 科学コミュニケーション――理科の〈考え方〉をひらく (平凡社新書, 2011) p.184.
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-3499.html
科学の方法から学んでみることにしましょう。科学では、間違いを排除して正しい答に到達しようとしました。つまり、不幸を取り除くことで幸福に至る道を探ればよいわけです。幸福は人それぞれで共通性に乏しいものでした。ところが、不幸には共通の要素が多いのです。たとえば、紀元前五世紀に釈迦が見いだした不幸の要素とは、「生・老・病・死」の四苦でした。十八世紀のヴォルテールは、「無知と偏見と狂信」こそが人間の不幸の原因である、と考えました。
関連:
「善」への普遍的アプローチ の(1)
http://takagi1.net/ezhtml/inw3/za_1303300.html#1
我が主軸 2011年版 #規範
http://takagi1.net/shafts/2011/index.html#canon
公開開始: 2014/ 5/11
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