燃料電池ワールド Vol.2077 (2016/03/25 08:54)

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□燃料電池ワールド Vol.2077
■2016年03月25日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

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■世界のヘッドライン(02月17日)
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2016/02/17 イラン製造の燃料電池、高温でよく機能する〈PT〉

〔訳注〕テヘラン(TEHRAN)発:イランの研究者は、高温で燃料電池の性能を向上させるナノ複合膜を作った、とイラン・ナノテクノロジー・イニシアティブ協議会(Iran Nanotechnology Initiative Council:INIC)が報告している。同協議会によると、アミール・キャビール工科大学(Amirkabir University of Technology)の研究者は、高温で燃料電池の性能を向上させるナノ複合膜を製造した。研究は実験室規模で行われている。この結果は、国際ジャーナルの『ハイドロジェン・エナジー(Hydrogen Energy)』(vol. 40, issue 40, 2015, pp. 13964-13978)に掲載されている。

2016/02/17 テキサス大学アーリントン校の研究者、太陽燃料電池用の効率的な材料を考案〈PT〉

〔訳注〕テキサス大学アーリントン校(University of Texas at Arlington)の化学者は、メタノール(methanol)や水素ガスなどの使用可能な燃料から二酸化炭素と水を分割するために太陽光を利用する膜の新しい高性能材料を開発した。これらのグリーン燃料(green fuels)は、自動車や家電製品の動力、またはバッテリーのエネルギー貯蔵にも使うことができる。

2016/02/17 ホライゾン・エナジー・システムズ社の新しい固体水素オン・デマンド燃料電池、エスティ・エアロスペース社の無人航空機で6時間の飛行を記録

〔訳注〕シンガポール(SINGAPORE)発:ホライゾン・エナジー・システムズ社(Horizon Energy Systems:HES Energy Systems)、エスティ・エアロスペース社(ST Aerospace)、国防研究のディエスオー国立研究所(DSO National Laboratories)、そしてシンガポール防衛省(Singapore’s Ministry of Defense)のフューチャー・システムズ・アンド・テクノロジー・ディレクトレイト(Future Systems and Technology Directorate)を含むシンガポールの国家機関と民間企業のコンソーシアム(consortium)は共同で、エスティ・エアロスペース社がシンガポールで建造した無人航空機(UAV)「スカイブレイド(Skyblade)360」の6時間航続時間と300km飛行記録に取り組んできた。スカイブレイド360UAVとその燃料電池システムは、シンガポール航空ショー2016(Singapore Air Show)のエスティ・エアロスペース社のブースに展示されている。〔訳語〕ホライゾン・エナジー・システムズ社(Horizon Energy Systems:HES)の社名の表記が、HES Energy Systemsとなっているが、原稿の間違いであると思われる。

2016/02/17 ITMパワー社、580万ドルの資金調達と総会の結果、オープン・オファーの結果を報告〈PT〉

〔訳注〕ITMパワー社(ITM Power)は本日、1月29日に発表した総計580万ドルの資金調達を締め切った。この記事は、資金調達の細かいことを述べており、専門用語が自分には訳せない。

2016/02/17 リバーシンプル社、画期的な水素駆動ロードカー「ラサ」を発表〈PT〉

〔訳注〕ランドリンドッドウェルズ(LLANDRINDOD WELLS、ウェールズ)発:リバーシンプル・ムーブメント社(Riversimple Movement Ltd)は、完全なヨーロッパ型式認証(European type approval)のために構築された初の2シーター水素駆動ロードカー(two-seater hydrogen powered road car)の道路法的エンジニアリング・プロトタイプ(road-legal engineering prototype)である「ラサ(Rasa)」を発表した。2015年のウェールズ政府(Welsh government)200万ポンド助成金で支援されている「ラサ」は、燃料源として水素を最大化して汚染を最小限に抑える車両を生産するために、総車両重量580kg(小型車のほぼ半分)、8.5kW級燃料電池(11馬力のフォークリフトで使用されるサイズ)、水素の走行距離300マイル、毎時60マイルの最高速度の性能を持っている。2018年の最初のフル生産モデルの継続的な開発の一環として「ラサ」は、20台のベータ版試作車で12カ月の公開試用を行う。

2016/02/17 オールジャ社、荷物運搬市場や他のモバイル製品用の新しい燃料電池を発表〈PT〉

〔訳注〕フリーモント(FREMONT、カリフォルニア州)発:オールジャ・プロトニクス社(Oorja Protonics, Inc.)は、新製品の「オールジャ・モデル3(Oorja Model 3)」燃料電池システムを発表した。「オールジャ・モデル3」燃料電池は、24Vまたは48Vで正味電力1.1kWを提供する。システムが継続的に使われている場合は、約14時間の電力を発生させるのに充分な3ガロンのメタノール・タンク(methanol  tank)が統合して付いている。

■2016年03月24日のWEB LINK NEWS
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2016/03/24 JXエネルギー、神奈川県10か所目の水素ステーションを伊勢原市に開所…全国32か所目(レスポンス)

 JXエネルギーは3月23日、神奈川県伊勢原市に「伊勢原岡崎水素ステーション」(移動式)を開所し、水素の販売を開始したと発表した。

 同ステーションは、同社として神奈川県において10か所目、伊勢原市初の水素ステーションとなる。

 同社は、次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けて、四大都市圏に約40か所の商用水素ステーションの開所に向けた準備を進めている。今回開所した伊勢原岡崎水素ステーションを含め、同社の開所済みの水素ステーションは合計32か所となる。

 なお伊勢原岡崎水素ステーションは移動式で、水曜日・金曜日の15時から17時のみの営業となる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160324-00000001-rps-bus_all

2016/03/24 水素社会を目指す国家戦略が前進、燃料電池車を2030年に80万台へ(スマートジャパン)

 経済産業省は2014年6月に初めて策定した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を改訂して3月22日に公表した。この戦略ロードマップは日本が世界をリードする水素・燃料電池分野の先端技術を生かして、CO2(二酸化炭素)の排出量が少ないエネルギーの利用を促進するのと同時に、新たな産業の創出を含めて国全体を水素社会へ発展させる壮大な構想をまとめたものである。

 当初の戦略ロードマップには数値目標が少なかったが、改訂版ではフェーズ1で実現する家庭向け燃料電池のエネファームの価格目標を設定したほか、燃料電池車と水素ステーションの普及目標を具体的な数値で掲げたことが最大の注目ポイントだ。エネファームは1台100万円以下へ

 そこで戦略ロードマップの改訂版では2020年前後にPEFCで80万円、SOFCで100万円まで引き下げる目標を新たに設定した。この価格まで下がると、エネファームを導入して電気料金を削減できることによって7?8年で初期投資を回収できる。大量に普及する2030年には5年で回収できる水準まで価格が下がることを想定している。

 特に今後の普及が見込まれるSOFCに関しては、国が中心になって技術開発プロジェクトを推進して2019年までに低コスト化を図る。コスト削減の可能性が最も大きいのは燃料電池の本体を構成するスタックである。発電効率を向上させる技術の開発などを通じて45%程度のコスト削減が可能になる見通しだ。

 さらにエネファームで発電して余った電力を固定価格買取制度で取引できるようにする検討も進めていく。早ければ2017年度から太陽光発電と同様に家庭の自家消費分を除いた余剰電力を買い取る仕組みを整備して、一般家庭のあいだにエネファームの導入機運を高める狙いだ。
燃料電池車は2025年に300万円台へ

 政府が期待をかけるのは現在の第1世代の次に2020年あたりに登場する第2世代、さらに2025年までに市場投入を想定している普及タイプの第3世代だ。2025年には自動車に搭載する燃料電池のコストが現状の4分の1程度まで下がって、車両価格がハイブリッド車と同等になることを見込んでいる。

 戦略ロードマップでは価格目標は設定していないが、ハイブリッド車の代表格であるトヨタの「プリウス」が300万円台であることを考えると、普及タイプの車種では燃料電池車でも300万円台で購入できるようにする必要がある。

 さらに通常の水素ステーションとは別に、地域の再生可能エネルギーを利用したCO2フリーの水素ステーションを2020年度までに全国100カ所程度に増やす。これから再生可能エネルギーの発電設備が地方を中心に拡大していくと、余剰電力が大量に発生するようになる。その電力からCO2フリーの水素を製造して燃料電池車に供給できれば、エネルギーの地産地消が進んで地方の活性化につながる。
水素発電のコストは石油の半分以下に

 戦略ロードマップでは燃料電池車の普及と同時に水素発電の導入を本格的に開始するために、海外から調達する水素の価格を2030年までに30円/Nm3(ノルマルリューベ)へ低下させる目標を掲げた。この水準は現時点の水素ステーションで販売している水素の価格(1キログラムあたり1000?1100円)と同等で、燃料電池車の燃費がハイブリッド車並みになる。

 同じレベルの価格の水素をガスタービン発電などに利用した場合には、発電コストが17円/kWh(キロワット時)になる見通しだ。石炭やLNG(液化天然ガス)の発電コストは12?14円/kWh程度で、その水準に近づく。そうなれば2030年代には発電所の燃料に水素を利用することが期待できる。石油の発電コストは30円/kWhを超えることから、石油火力の代替手段としても水素の利用を見込める。

 さらに2040年代には再生可能エネルギーを使ってCO2フリーの水素を大量に製造・輸送・貯蔵できるインフラの整備を目指す。特に太陽光や風力のように天候によって発電量が変動する場合には、電力を水素に転換して貯蔵・再利用できるメリットは大きい。現状では水を電気分解して水素を製造するコストが高いことから、変換効率を引き上げる技術の開発・実証を通じてコストの低減を図る。

 政府は再生可能エネルギーから水素を製造するための技術面と経済面の課題を具体的に洗い出すために、2016年度内に国内の主要な設備メーカーや水素供給事業者などの参加を募ってワーキンググループを立ち上げる予定だ。その中で2030年代に向けて取り組むべきテーマを設定して開発・実証フェーズへ移行する。

 いよいよ水素社会の実現を目指す国家戦略がさまざまな分野で動き始める。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160324-00000013-biz_it_sj-bus_all

2016/03/24 ロックフェラー家基金が化石燃料への投資中止、石油株の保有解消(ロイター)
[ヒューストン/ニューヨーク 23日 ロイター] - ロックフェラー家関連のロックフェラー・ファミリー・ファンドは23日、化石燃料関連投資を可能な限り早期に中止し、米石油大手、エクソンモービル<XOM.N>の株式保有も解消する方針を表明した。
 石炭やカナダのオイルサンド関連の保有資産も処分する。

 ロックフェラー家はかつて、石油関連事業で財を成した。だが、気候変動が人類や生態系を脅かす現状を踏まえ、ファンドは「炭化水素の新たな供給源を各社が探査し続ける行動に良識ある論拠がない」と指摘した。

 今回の方針表明について、エクソンは声明で「化石燃料への反対姿勢を踏まえれば、(エクソン株の)処分に驚きはない」とした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160324-00000014-reut-n_ame

2016/03/24 コース50、新日鉄住金君津内に試験高炉が完成 6月から本格実験(日刊産業新聞)

 水素還元型製鉄プロセス技術開発の国家プロジェクト「COURSE50(コース50)」(プロジェクトリーダー=上野浩光・新日鉄住金執行役員製銑技術部長)は、新日鉄住金君津製鉄所内で建設を進めてきた試験高炉が完成し、2016年2月で熱間試運転が終わり、6月から試験高炉を用いた本格実験を開始する。16年度後半に行う予定の連続操業試験において、新日鉄住金・君津に設置しているCO2分離・回収設備(CAT30)と連動させる計画で、高炉からのCO2排出量約30%削減に向けて、17年度までに水素還元とCO2分離・回収を統合した総合的な技術を確立する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160324-00010001-sangyo-bus_all

2016/03/24 西部ガス、水素ステーション運用開始(時事通信)

 西部ガスは24日、福岡市東区の福北工場跡地に建設していた商用「東浜水素ステーション」の開所式を行った。施設内で都市ガス(天然ガス)を原料に水素を製造するオンサイト方式で、25日から運用を開始する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160324-00000036-jijc-biz

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