燃料電池ワールド Vol.1929 (2015/08/11 09:05)

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□燃料電池ワールド Vol.1929
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■2015年08月11日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン(07月29〜30日)
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2015/07/29 カナダ政府、クリーン・エネルギー燃料システムの安全を支える投資( Western Economic Diversification Canada)

〔訳注〕今日、西部経済多様化担当国務大臣(Minister of State for Western Economic Diversification)ミッシェル・ルンペル(Michelle Rempel)に代わってラングリー議会議員(Member of Parliament for Langley)マーク・ワラワ(Mark Warawa)は、CSAグループ社(CSA Group)に、自動車産業用の高圧水素と圧縮天然ガス部品を実証する野外試験を行う彼らのプロジェクトのために90万ドルの資金を発表した。この資金調達により、CSAグループ社は、実際の試験に使う用地を購入するだけでなく、必要な検査機器も購入設置できるようになる。CSAグループ社は、安全な自動車燃料システムだけでなく、たき火や砲火、高圧圧縮天然ガスと水素燃料電池容器の衝撃試験を含む破壊検査(destructive testing)を行うためにこの施設を使う。
〔訳語〕CSAグループについて:CSAグループは、製品安全、ソーシャルグッド、サステナビリティの推進に取り組む会員制の独立非営利団体です。その知識と専門性は、規格制定;トレーニング及びアドバイザリーサービス;グローバルな試験認証サービス (防爆機器・工業製品、配管設備、建設資材、医療機器、製品安全、ガス関連機器、代替エネルギー、照明灯具、サステナビリティ等);民生品評価サービスといった領域を網羅し、CSAマークは世界中の数十億に及ぶ製品に表示されています。(共同通信PRワイヤー)
※燃料電池ワールドでは、複数の集合体のグループと違って、単一の団体であることを示す意味で、「社」をつけて表現している。

2015/07/30 電気/水素ハイブリッド・マイクロキャブ・バン、市内配達の顔を変える(Microcab)
http://merumaga.fuelcellworld.jp/index.php?QBlog-20150811-1

〔訳注〕「水素ロンドン(Hydrogen London)」のパートナーであるマイクロキャブ社(Microcab)は、コベントリー大学(Coventry University)工学部(department of engineering)と協力して、市内の配達の顔を変える小型の配達バン(delivery van)を開発した。マイクロキャブ・バンは積載量220kgで、1.6kgの水素で180マイル走る。電気自動車を充電するための必要な6時間と対照的に、水素タンクを充てんするためにわずか3分で済む。水素の費用は、1kgあたりおよそ4ポンドである。

2015/07/30 ローガン・エナジー社、リーベンマウス・コミュニティの「グリーン水素」エネルギー・プロジェクトの最初の契約を獲得(Logan Energy)
http://merumaga.fuelcellworld.jp/index.php?QBlog-20150811-1

〔訳注〕ローガン・エナジー社(Logan Energy)は、野心的なリーベンマウス・コミュニティ・エネルギー・プロジェクト(Levenmouth Community Energy Project)の最初の契約を授与された。この革新的なプロジェクトは、スコットランドのリーベンマウスを世界的なクリーン・エネルギー革命の最前線に置き、電解槽や燃料電池、水素技術を統合する専門家としてローガン・エナジー社の評判を強調している。このプロジェクトを引っ張るパートナーのブライト・グリーン・ハイドロジェン社(Bright Green Hydrogen)は、未来の燃料として水素の可能性を調査するプロジェクトの主要な材料を配置するために、ローガン・エナジー社を電解槽や燃料電池、水素技術を取り入れたエネルギーの解決策を提案する専門家として任命した。
〔訳語〕ブライト・グリーン・ハイドロジェン社(Bright Green Hydrogen:BGH):水素関連設備を運用する非営利企業。なお、この大規模水素実証プロジェクトには東芝も参加している。

2015/07/30 福島県、水素燃料ネットワークの実行可能性を探究する

〔訳注〕福島県(Fukushima)と産総研の福島再生可能エネルギー研究所(Fukushima Renewable Energy Institute:FREA)は、早ければ2016年に県立の水素供給センター(hydrogen supply center)を作ることを視野に再生可能エネルギー・プロジェクトを発足させている。このプロジェクトは、県と産業技術総合研究所(National Institute of Advanced Industrial Science and Technology:AIST、産総研)間の共同研究で、福島再生可能エネルギー研究所が母体となっている。水素キャリアにメチルシクロヘキサン(methylcyclohexane)とトルエン(toluene)を組み合わせて使い、長距離輸送時の安全性を確保する。2020年の東京オリンピックでは、首都圏に水素を供給することも想定されている。

■2015年08月10日のWEB LINK NEWS
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2015/08/10 「地産地消」水素社会実現へ官民連携 昭和電工、トヨタ、東芝など(SankeiBiz)

 燃料電池車(FCV)や家庭用燃料電池を活用する水素社会の実現を目指し、企業が地方自治体と連携する場面が増えている。各社とも地産地消を視野に入れ、自治体の協力を得ながら地域内で水素の製造から貯蔵、運搬、利用まで完結する「水素サプライチェーン」の構築を目指す考えだ。地域の特性や事情を考慮することで、原料の安定調達やコスト削減に図ろうとしている。

 昭和電工は7月28日、川崎市と水素社会の実現に向けた実証実験を行うことで合意し、正式に協定を結んだ。川崎区の川崎事業所で製造した使用済みプラスチック由来の水素を、臨海部のオフィスなどへパイプラインで輸送。燃料電池で発電し、電力として利用する計画だ。

 川崎事業所は、火力発電所の脱硝装置やナイロン原料に使うアンモニアを水素から製造している。この水素は都市ガスのほか、2003年以降は自治体から調達した使用済みプラスチックからも作っている。

 使用済みプラスチックには不純物が混ざっているため、当初は製造設備が安定して動かず、たびたび止めざるを得なかったが、技術が蓄積するにつれて使用割合を高めてきた。7月には新設備を導入。それがフル稼働すれば、都市ガス2に対し、使用済みプラスチック1だった使用割合は逆転し二酸化炭素(CO2)の排出量も減らせることになる。

 一方、少子化で日本経済の成長が見通せない中、アンモニアは大幅な需要の伸びも見込みにくい。だが、同社では「実験がうまくいけば新たな(水素の)供給先となり、収入源にできるかもしれない」と期待をかける。こうした水素の製造設備は、使用済みプラスチックが大量に生み出される大都市に近い方が好ましい。その点、東京と横浜の間にある川崎は“適地”といえそうだ。

 その川崎市と横浜市では、トヨタ自動車も今年度から倉庫や工場の燃料電池フォークリストを動かす計画をスタートする。横浜港の瑞穂埠頭(ふとう)には高さ118メートルの大規模風力発電所「ハマウィング」があり、水素はこの設備が海風を使って生み出す電力で製造する。近隣の工業地帯で副次的に生み出された水素も併用するという。

 官民連携は地方でも進む。東芝は今年度から、釧路市に近い北海道白糠(しらぬか)町にある庶路ダムに小規模の水力発電所を建設。そこで得た電気で水を分解し、水素を生み出す計画だ。製造した水素はトレーラーで運び、周辺の酪農家や温水プールに設置した燃料電池の燃料などに充てる。寒冷地の北海道では、燃料電池で供給する電気とお湯の両方を最大限に活用できると考えた。

 同社は今年4月、20年度には水素関連事業で1000億円を売り上げる計画を掲げた。その中で、発電コストが高い離島や遠隔地で再生可能エネルギーから水素を作り出し、電力として再利用する「地産地消型エネルギー供給システム」を収益の柱と位置付ける。

 同社は川崎市とも連携し、5月に太陽光や水素から電気とお湯を生み出すシステム「H2One(エイチツーワン)」を臨海部の公共施設「川崎マリエン」に設置している。同施設は帰宅困難者の一時滞在施設に指定されており、エイチツーワンは300人に約1週間分の電気とお湯を供給できるという。

 水素は化石燃料や使用済みプラスチックだけでなく、バイオマス(生物資源)からも製造できる。特に地方はバイオマスを調達しやすい。工業用ガス大手のエア・ウォーターは、北海道鹿追町で家畜の糞尿(ふんにょう)由来のバイオマスから水素を製造し、周辺地域で利用する構想を進める。

 水素は究極のクリーンエネルギーとされる一方、輸送や貯蔵にコストがかかり、地方でインフラ整備が遅れる可能性が指摘される。昨年12月のトヨタによるFCV「ミライ」の発売で、水素ステーションの整備が加速するとみられるが、1カ所当たり5億円以上の整備費用がかかるとされ、当面の設置場所は大都市に絞られそうだ。地産地消の仕組みは、こうした大都市と地方のインフラ格差を最小限に抑えるためにも、早急に確立する必要がある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150809-00000008-fsi-bus_all

2015/08/10 3つのエンジンから分析するエコカー戦線の現状(ITmedia ビジネスオンライン)
●ハイブリッドとは何か?

 前段としてハイブリッドの生まれた背景から解説した方がいいだろう。1990年代初頭、ガソリンエンジンの次世代は燃料電池だと考えられていた。トヨタから初代プリウスがリリースされたとき、「燃料電池車が出るまでのショートリリーフ」と目されていた。

 ところが本命のはずの燃料電池が曲者で、すぐにでもデビューするような各社のそぶりにもかかわらず、ちっとも実現されなかった。そのオオカミ少年ぶりは、トヨタが2014年末に突如「MIRAI」を発売するまで、同業者の間では「燃料電池? あと20年は実現しないだろ」と言われていたくらいだ。

 実際、現時点ではMIRAIも極めて実験的な取り組みで、背景には石油、シェールガス、水素の次世代エネルギー争いがある。つまりMIRAIは、国策の都合で製品化されたようなもので、インフラの整備も含めて、一般人が普通に購入できるようになるかという点については筆者は少々懐疑的な目で眺めている。

 では、なぜハイブリッドがつなぎに過ぎないと思われていたかと言えば、クルマの中枢にして重量物であるエンジンとモーター両方を装備しなくてはならず、重量増加がメリットのほとんどを食ってしまうだろうと思われていたのである。

 実際にプリウスが登場しても欧州のメーカーは冷ややかなもので、歯牙にもかけない様子だった。しかし本命であるはずの燃料電池の実用化の遅れが、そう簡単なものではないことが判明し、慌ててハイブッドの開発を始めたのである。しかし時既に遅しで、ハイブリッド関連の特許はトヨタがガチガチに固めてしまった。欧州、もっと言えばドイツ各社は、低燃費型のハイブリッドの開発を諦めざるを得なくなった。その結果、ドイツ性ハイブリッドは低燃費志向ではなくハイパワー型に向かうことになったのである。

 さて、そうして先行したトヨタ型のハイブリッドは何が優れているのだろうか? ハイブリッドがエコである理由は2つある。1つはエネルギー回生だ。減速時にクルマの慣性エネルギーで発電機を回し、その電力をバッテリーに蓄える。電車ではとっくの昔から使われていた技術だが、これを自動車で使えるようにしたのだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150810-00000026-zdn_mkt-bus_all

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆第8回新電極触媒シンポジウム&宿泊セミナー【再掲】
  テーマ「高活性と高耐久性を両立する触媒を目指して」
◇趣旨概要

 触媒学会の燃料電池関連触媒研究会は燃料電池に関連する触媒を対象としています。この研究会では高活性/高耐久性触媒、触媒の低コスト化を含めた合成法、触媒の反応機構と基礎物性、評価/解析法等、燃料電池用触媒に関する学術情報交換を行っています。本シンポジウム&宿泊セミナーはFCDIC電極/界面研究部会とFC懇談会との共催で、PEFC用電極触媒に関する最近の研究開発状況と今後の展開について講演頂くと同時に、ナイトセッションで参加者が親しく討論します。2014年にFCVの市販が開始されましたが、Pt系触媒の高活性化と高耐久化はまだまだ不十分であり、これらを同時に高めることが更なるPEFCの低コスト化と高信頼化への鍵となります。第8回となる本宿泊セミナーでは、カソード環境でのPt系触媒の変化、Pt系触媒の耐久性を高める方法、MEA内で生じている現象とその理解およびメタノール酸化触媒について講演して頂きます。ポスターセッションでは電極触媒に限定せず、燃料電池に関連する研究を広く募集します。学生の方には優秀ポスター賞を用意しておりますので、奮ってご参加ください。
◇開催日時と会場
・日時:10月23日 (金) 12:30?10月24日 (土) 12:00
・会場:〒411-0032静岡県三島市末広町21-9 東レ総合研修センター TEL: 055-980-0333
◇参加申し込み
・参加申し込み締め切り: 10月9日 (金)
・ポスター発表申し込みと発表要旨の締め切り: 10月16日 (金)A4用紙1枚にフリーフォーマットでタイトルと所属を明記の上,下記西村までメールで送付してください.
・参加費: 一般会員 23,000円、一般非会員30,000円、学生5,000円
・宿泊費: 7,000円 (夕食・朝食込み)
・参加申し込み方法と問合せ先
氏名、所属、連絡先 (住所, 電話, メールアドレス)、宿泊の有無およびポスター発表の有無を明記の上、下記西村までメールでお申し込みください.

  同志社大学 西村メールアドレス: jt-liaiy@mail.doshisha.ac.jp 
        電話番号: 0774-65-6589
◇セミナー内容
◆1日目 10/23(金)
・セッション1 招待講演 (センター棟8階 多目的研修室)
12:40〜13:40 酸性溶液中でのPtの溶解機構 (東北大学 菅原先生)
13:40〜14:40 硬X線光電子分光法を用いたPt/C電極の酸化反応のその場観察 (分子科学研究所 高木先生)
15:00〜16:00 放射光を用いたMEA環境におけるその場観察技術 (豊田中央研究所 畑中氏)
16:00〜17:00 シリカ?Pt界面設計によるPtカソード触媒の高機能化 (九州大学 竹中先生)
17:00〜18:00 コンポジットカーボンナノファイバーを担体に用いたDMFC用アノード触媒 (群馬大学 中川先生)
・セッション2 (ナイトセッション)  ポスター展示 (ダイニング棟3階 第1パーティールーム)
19:00〜21:00 ポスターセッション&自由討議
〜22:30 自由討議 (ダイニング棟3階 バーラウンジ「アウル」)
◆2日目 10/24 (土)
・セッション3:招待講演 (センター棟8階 多目的研修室)
8:30〜9:30 PEFCの電位サイクル耐久性評価試験方法の比較 (自動車研究所 橋正氏)
9:30〜10:30 軟X線を用いたMEA内の水挙動 (東京工業大学 平井先生)
10:50〜11:50 白金・カーボン表面に吸着したアイオノマー相内の物質輸送と構造の関係(FC-Cubic 大平先生)
◇東レ総合研修センターへのアクセス
〒411-0032 静岡県三島市末広町21-9 TEL: 055-980-0333
JR三島駅北口より徒歩12分 タクシーでワンメーター
https://plus.google.com/116295045839993185703/about?gl=jp&hl=ja
◇主催: 触媒学会 (燃料電池関連触媒研究会)、燃料電池開発情報センター (FCDIC)、FC懇談会
◇協賛: 触媒学会、触媒学会工業触媒研究会、表面科学会、大阪科学技術センター、電池技術委員会
シンポジウム&宿泊セミナー準備委員会: 燃料電池関連触媒研究会世話人有志、FCDIC電極/界面研究部会、FC懇談会世話人有志  (調整中を含む)

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