燃料電池ワールド Vol.1661 (2014/06/16 09:45)

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□燃料電池ワールド Vol.1661
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■2014年06月16日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

☆PEMDREAMニュース「燃料電池ワールドの時空の構造」
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 先日6月13日に発行した1660号の燃料電池ワールドについて、読者の方から次のようなご指摘をいただきました。

1660号の海外ニュースのところに、
<定置用電源>
●クリアエッジ・パワー社、CTSエネジー社に・・・
という1月日付の情報が記載されていますが、クリアエッジは、ご存知かと思いますが、チャプター11を適用し、倒産しているようです。ご参考まで。

 これは、ある意味当然の指摘なのですが、間違いに対するものではありません。しかし、いつかは起きることだと考えていたことなので、その背景についてこの際、読者の方々にも説明したいと考えました。それは、燃料電池ワールドの時空の構造をぜひ理解していただくことでもあるからです。

 まず、返事の大要は以下のような内容です。

 「ご連絡ありがとうございます。クリアエッジ・パワー社の件ですが、これには以下のような経過がありました。

 クリアエッジ・パワー社は4月25日付けの「世界のヘッドライン」で破産の記事がでています。これはメルマガでは1635号 5月8日付けに掲載されました。

 その後、1660号 6月13日付けの「海外ニュース」で、まだ生きているときのニュースが報じられたわけです。この元の日付は1月16、30日となっています。

 このようにややこしくなっているのは、ニュース源の翻訳が次のようになっているからです。海外ニュースはずーっと以前から一日一つの記事のペースで、FuelCells2000の配信を訳しているのですが、だんだん記事が多くなり、メルマガ上では半年ほどの遅れになっています。世界のヘッドラインは今年から一日分を毎日まとめてのペースで、FuelCellsWorksの記事を訳していますが、土日を休んでも向こうでは休まないときがままあり、今の自分の能力では一日二日分はとても出来ないのです。

 そして、メルマガは平日毎日配信しているので、三つの日付(正確には日本のニュースは一日遅れなので四つ)がごちゃごちゃになって載っていることになっています。でも、これをどう整理するかということは案外難しくて、妙案が浮かばないまま続けています。

 もちろん、私も自分のペースでやれることが大切なので、今回のようなことで皆さまに誤解を生じることが心配ではあるのですが、仕事がらみで取り組んでおられる方々は私よりも正確な情報をつかんでいると、ほぼ確信しておりますので、あまり心配もしていません。メルマガの対象者は燃料電池に関心を持つ素人の方々(私もその一人なのですが)です。」

 もう一度整理すると、
1、燃料電池ワールドの発行日は実際の暦日で、平日毎日の発行です。2、「世界のヘッドライン」は、一日分のニュースをまとめて日替わりで載せていますが、2週間以内の遅れが生じています。
3、「WEB LINK NEWS」は、メルマガの発行日の前の日の日本のマスコミを中心とした記事を収録しています。ここにも時々世界のニュースが載ります。4、「海外ニュース」は<輸送>というようなテーマ別で一日一題のペースで、メルマガ発行以来世界のニュース源として続けてきているものです。この掲載順序はアトランダムで、1カ月分が終わったら次の月に続きますから遅れも広がり、半年ほどの遅れです。

 このような状況ですから、ニュースの内容を中心にすると時系列がごっちゃになっているわけです。その弊害を少しでも減らそうと、ニュースには「いつの」ものかが必ず分かるようにしています。これは発刊当初からの方針で、燃料電池がほぼ毎日、情報になるという現在のような状態とはまったく違っていたのです。

 情報の取得から発行まですべてにおいて無料でやる、という方針も始めるときに決めたものです。かなりの満足度で続けられているのはネットの世界のおかげです。でも、ウェブを運用するようになって少し様相が変わってきました。持続可能性はエネルギーにだけ求めるのではなく、こちらにも求められている(?)のですから、これをどうするか、しばらく考えてみようと思っています。

 日本のニュースは、公表されたものはいくらでも手に入りますが、世界のニュースは英語が分からないと手に入りません。広い意味で仕事として燃料電池にかかわっておられる方々は英語で理解するのは当然のことなのでしょうが、大部分の日本人は日常的に英語の情報を入手することはできません。でも、そうした方々に燃料電池について知ってもらうことも、燃料電池の普及には必要なのではないかと勝手に考えて始めたことなのです。正確さは抜きにして、少しは役に立てていると実感できているので、まだ続けるつもりです。よろしくおつきあい下さい。

■世界のヘッドライン(05月30日)
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2014/05/30 初めての「H2FC(水素・燃料電池)スーパージェン」白書を市役所が発行(h2fc)

〔訳注〕昨日、「将来の低炭素エネルギー・システムに、安くて確実な低炭素熱を提供する水素と燃料電池の役割」と題した「H2FC(水素・燃料電池)スーパージェン(H2FC SUPERGEN)」白書が発表された。大ロンドン庁(Greater London Authority)が主催するこのイベントは、気候変動に関する特別委員会委員長ティム・YeoMP(Tim YeoMP)、ジョンソン・マッセイ社(Johnson Matthey)燃料電池ディレクターのジョナサン・フロスト(Jonathan Frost)博士、インテリジェント・エナジー社(Intelligent Energy)のデニス・ヘイター(Dennis Hayter)、エネルギー・気候変動省(Department of Energy and Climate Change)のフィル・サージェント(Phil Sargent)たちを含む水素と燃料電池分野の主な利害関係者の議論だけでなく、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London, UCL)とインペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London, ICL)の執筆者のレポートからの著述もある。

2014/05/30 コロラド州立大学の学生チーム、「エコカー2」競争のために調子を上げる(CSU)

〔訳注〕コロラド州立大学(Colorado State University)のモータースポーツ工学研究センター(Motorsport Engineering Research Center)の建物のなかで、学生たちがさまざまに分解されたシボレー・マリブ(Chevrolet Malibu)を点検している。彼らは車の電位の変更を話し合い、最近、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)で排ガスの検査を受けた。彼らが行う任意の改造は、6月1日に始まる国家「エコカー2(EcoCAR 2)」プログラム競争の直前の最終段階となる。
2014/05/30 マントラ社、新施設の設立を発表(mantra)

〔訳注〕マントラ・ベンチャー・グループ社(Mantra Venture Group Ltd.)と子会社のマントラ・エネルギー・オールターナティブ社(Mantra Energy Alternatives Ltd.)は、新しい研究と会社の施設の設立を発表した。サウス・サリー(South Surrey)の新本社が経営陣と会社の発展に建物を供給する間、バンクーバー(Vancouver)の中心にある研究所では現在、会社の継続的に拡大している研究開発チームに場所を提供する予定だ。マントラ社は最近のスタッフと研究活動の急速な拡大に対応するために、以前からあるバンクーバーの施設に新しい研究所を統合して設立している。

2014/05/30 より効率的な固体酸化物型燃料電池のための潜在的な候補:ビスマスとイリジウム(Wiley)

〔訳注〕ドイツ化学会誌「アンゲヴァンテ・ケミー(Angewandte Chemie)」に掲載した「常温の金属酸化物イオン伝導(A Metallic Room-Temperature Oxide Ion Conductor)」と題した論文は、ドレスデン工科大学(Technische Universit〓t Dresden; TUD)とミュンスター大学(University of Munster、ヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学)、ギーセン大学(University of Giessen、ユストゥス・リービッヒ大学ギーセン)からの研究者チームが執筆した。

■06月13〜15日のWEB LINK NEWS
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2014/06/13 トーエルが堅調、今期営業益は中間期が減益、通期は増益の計画(サーチナ)

 トーエルが堅調。寄り付きで4円高の600円まで買われている。

 LPガスの安定収入に加え、LPガスと太陽光発電、燃料電池、蓄電池のパッケージシステムにより総合エネルギー供給提案で需要開拓に取り組むほか、ウォーター事業では従来のリターナルボトルに加え、ボトルが使い捨てとなるワンウェイボトルでの積極的な全国展開も図るという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140613-00000053-scn-biz

2014/06/13 超小型モビリティはシェア事業がビジネスの鍵に…フロスト&サリバン 森本氏(レスポンス)

 米コンサルティング会社、フロスト&サリバンで自動車・交通部門のコンサルタントを務める森本尚氏はこのほど都内で行った都市間交通に関する講演で、超小型モビリティとカーシェアリングとの組み合わせることでビジネスチャンスが中長期的に広がっていくとの見方を示した。

 森本氏は都市間交通に関して「郊外などの発達してきている地域ではなく、都市化が進んだ地域のモビリティ」と定義した上で、フロスト&サリバンが『アーバン モビリティ トリップ トラッキング プログラム』と名付けて実施した調査結果をもとに都市間交通で今問題になっていることを解説してみせた。

 ただ森本氏は「都市によってモビリティ自体が多岐にわたっているので、あるビジネスモデルを様々な都市に適用するのは難しい。その都市に応じたモデルを見極めて提供することが大事」とも指摘し、「交通移動に対するフラストレーションに対しては、超小型モビリティや電気自動車、あるいは燃料電池車といったソリューションにカーシェアリングを組み合わせたものは、都市交通においてある程度のビジネスチャンスが中長期には広がっていくとみている。さらに使用するエリアを限定すれば自動運転とも相性が良いとも考えている」と締めくくった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140613-00000042-rps-sci
※写真あり

2014/06/14 韓国人科学者、人間の「尿」を利用した燃料電池開発に着手=環境にも有益―中国メディア(Record China)

 2014年6月13日、新華社によると、韓国の複数の科学者が人間の尿を利用した燃料電池の開発に取り組んでいる。

 英紙デイリー・ミラーは11日、韓国高麗大学の柳正承氏の話として、尿に含まれる炭素をプラチナの代替とすることが可能だと伝えた。世界で1日当たり約105億リットル排出される尿を利用することで、燃料電池の製造コストを抑えることができ、環境にも有益だとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140614-00000009-rcdc-cn

2014/06/14 14日の朝刊(都内最終版)・完(時事通信)
【日刊自動車】
◆FCV 2025年に200万円台 自民、水素社会実現へ提言 段階的引き下げ 「HV並み」目標に 2030年には40万台市場へ(2)
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140614-00000000-jijnb_he-nb

2014/06/15 トヨタ燃料電池車発売、年内に前倒し検討 価格は800?900万円か(J-CASTニュース)

 トヨタ自動車が、これまで「2015年」としてきた、燃料電池車の発売時期を年内に前倒しする検討に入った。

 燃料電池車は既に国内では官公庁など向けにリース販売されている。燃料の水素を補給する「水素ステーション」も首都圏や中部、関西、九州などに17か所設置され、一般消費者の実用化の一歩手前まで来ている。日本ではトヨタとホンダが市販すると表明していた2015年が「燃料電池車元年」とも呼ばれている。

 こうした中、トヨタは愛知県豊田市の元町工場で、セダンタイプの燃料電池車の量産を年内に始める方向となった。月産100台程度を見込んでいる。これに合わせて一般への販売も始める見通しだが、実際の発売時期は年明けとなる可能性もある。価格や発売する場所などを最終的に調整しており、トヨタとして6月下旬に何らかの発表をするものと見られている。今のところ価格は800万?900万円台が想定されており、水素ステーションのある大都市圏での販売が検討されている模様だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140615-00000003-jct-bus_all&p=1

■海外ニュース
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<輸送>
●ヒュンダイ、燃料電池車の申し込みを始める(2014年01月23日)

 ヒュンダイ(Hyundai)は、2015年から燃料電池自動車「ツーソン(Tucson)」をリースするための申し込み受付を始めた。価格は2999ドルの頭金と、毎月のリース料499ドルで、それには水素燃料とメンテナンス費用、HOVレーン(HOV lane)の利用権が含まれる。
https://www.hyundaiusa.com/tucsonfuelcell
(参考)HOVレーン(HOV lane) ((米))(ラッシュ時などの)2人以上乗り合わせた車(high-occupancy vehicle)だけが通れる車線のこと。(コトバンク)

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆福岡水素エネルギー人材育成センター【経営者(燃料電池自動車)コース】【再掲】

 福岡水素エネルギー人材育成センターでは、水素エネルギー産業への参入を目指す意欲的な経営者等を対象とした、「経営者(燃料電池自動車)コース」を開催します。今回は、水素エネルギー分野の中の「燃料電池自動車」関連にスポットを当てた内容です。最新の技術動向に関する講演や、燃料電池自動車の試乗などを予定しております。水素エネルギー産業に興味をお持ちの企業経営者や幹部の皆様のご参加を、心からお待ちしております。
◇開催日:6月24日(火)
◇スケジュール 
 10:00〜12:00 燃料電池自動車運転試乗会(希望制)
 13:00〜16:55 講義
 17:00〜17:50 施設見学会(希望制)
 18:00〜19:00 交流会(希望制)  
◇場 所:水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)(福岡県糸島市富915-1)
◇プログラムはこちら↓
  http://www.f-suiso.jp/info/8712.html
◇受講料:3,000円(交流会 2,000円)
◇定 員:40名
◇申込締切:6月23日(月) (定員に達し次第受付を終了します。お申し込みはお早めに)
◇問い合わせ先:水素エネルギー国際研究センター 甲野
  TEL:092?802?3303 
  Mail : info@h2.kyushu-u.ac.jp 

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