燃料電池ワールド Vol.1476 (2013/09/05 10:32)

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□燃料電池ワールド Vol.1476
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■2013年09月05日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://www.fuelcellworld.jp/

■09月04日のWEB LINK NEWS
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2013/09/04 JAMSTEC、海底熱水噴出孔の熱水と海水を利用した燃料電池の実発電に成功(マイナビニュース)

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)は9月3日、沖縄トラフに人工的に作られた深海底熱水噴出孔(人工熱水噴出孔)において熱水と周辺海水の電気化学的な現場測定を実施し、その結果から、熱水と海水を燃料にできる燃料電池(熱水-海水燃料電池)を開発、人工熱水噴出孔に設置し、深海底での実発電に成功したと発表した。

 同成果は、JAMSTEC海底資源研究プロジェクトの山本正浩研究員と理化学研究所・環境資源科学研究センターの中村龍平チームリーダーらによるもの。詳細は独化学会誌「Angewandte Chemie International Edition」オンライン版に掲載された。

 現在、化石燃料や原子力に頼らない発電技術としてさまざまなものが考案、開発されているが、その中の1つとして、海洋のさまざまなエネルギーを電力に変換することが、海に囲まれた日本では期待されている。また、そうした技術は、海洋資源の探査や開発を行ううえでも重要と位置づけられている。そのような海洋エネルギーの1つとして、海底の熱水噴出孔の応用が考えられ、これまでにも噴出する熱水と海水の温度差を利用した発電の研究が行われてきた。しかし、そうした熱水に多く含まれる電子を放出しやすい物質(還元的な物質)と、その周囲にある電子を受け取りやすい物質(酸化的な物質)を多く含む海水の電子の移動を人工的に促進し、電力を取り出そうという考えは、理論的には考えられていたものの、実際にそうした電気化学的な発電を深海で試みた例も、その基礎となる電気的な解析も深海熱水を対象に行われた例はほとんどなかった。

 そこで研究グループは、2010年の統合国際深海掘削プログラム(IODP)の活動で、沖縄トラフの伊平屋北フィールドで行われた海底掘削研究で作られた人工熱水噴出孔の1つを使って、発電に関する実験と観測を実施。

 実際に海底に電気化学的な測定を行える装置を持ち込み、熱水や海水が持つ電気的な特徴の調査を行ったところ、熱水と周辺海水の間には約520mVの電位差があることが確認されたほか、熱水中では水素や硫化水素などの還元的な物質から電子が電極に流れ、海水中では電極から酸素や酸化鉄などの酸化的な物質に電子が流れる様子を観測することに成功したという。

 この結果を受けて、今回、その一連の電子の流れから電力を取り出す装置(熱水-海水燃料電池)を開発、改めて人工熱水噴出孔に設置して動作試験を行った。同電池は、電動機器(今回はLEDライト)を熱水側の電極と海水側の電極の間に電線でつなぐだけのシンプルな構造の燃料電池で、深海での発電によって消費電力が21mWのLEDライトを点灯させることに成功したという。

 研究グループの試算では、この熱水噴出孔が持つ化学エネルギーの潜在能力は2.6kWとのことで、電極の大きさ・構造・素材などを工夫することで、大きな電力を取り出す事が可能になると考えられるとしているほか、熱水噴出孔に自然に沈殿する硫化鉱物が電極に付着した場合にも燃料となって消費され溶解することや、硫化鉱物自体が電極として機能できることが実験的に確かめられたことから、熱水-海水燃料電池の電極が硫化鉱物などで覆われにくく、仮に硫化鉱物で覆われた場合にも高い発電能力を維持できることも予想される結果を得たとのことで、熱水-海水燃料電池が幅広い範囲で応用可能であることが示されたと説明している。
http://news.mynavi.jp/news/2013/09/04/020/index.html
※写真及び概念図あり

2013/09/04 1兆円を超えるエネルギー関連予算、2014年度の概算要求で(スマートジャパン)

 国の産業支援策の中で最大の重点分野になっているエネルギー関連の予算が2014年度に1兆円を超える見通しだ。経済産業省が「エネルギー対策特別会計」の対象として概算要求で出した総額は1兆294億円にのぼり、2013年度の予算を2461億円も上回る大規模になる。

 2014年度に開始する新しい政策では、燃料電池に関する予算規模が大きい。家庭を対象にした民生用の燃料電池、いわゆる「エネファーム」の導入を促進するための補助金として、新たに224億円を予算に盛り込む。政府は自立分散型のエネルギー供給体制に向けて、2030年までにエネファームの導入台数を530万台まで拡大する目標を掲げている。大型の予算で一気に普及を図る。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130904-00010000-biz_it_sj-nb

■海外ニュース
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<報告書/市場調査>
●燃料電池の仕事を創造せよ――ノリコ・ビーイングの提言 (2013年Spring)

 米国政府は基礎的な研究に基づいた新しい燃料電池プログラムを実行するべきだ、と主張するノリコ・ビーリング(Noriko Behling)からの政策提言文書がこのほど、米国科学アカデミー(National Academy of Sciences)科学技術ジャーナル(Issues of Science and Technology Journal)で発表された。新しいプログラムは、燃料電池のメカニズムを探求して、高いコスト、そして不十分な信頼性と効率を解決できないでいる持続的な難問を解決すること、そして、短期間で、税制上の誘導措置や助成金なしに彼らが従来の電源と競争することができる燃料電池製品を実現することへの提言が盛り込まれている。この文書が必要なら、右記にメールを送って下さい。jennifer@fuelcells.org

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