燃料電池ワールド Vol.1455 (2013/08/08 08:30)

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□燃料電池ワールド Vol.1455
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■2013年08月08日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://www.fuelcellworld.jp/

■08月07日のWEB LINK NEWS
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2013/08/07 燃料電池の性能そのものにもある、水素社会実現への高いハードル(エコノミックニュース)

 アベノミクスの「第3の矢」に「2015年の燃料電池車の市場投入」が掲げられたせいか、水素社会の普及に向けた議論が活発になっている。最大の問題としてインフラ整備や、電池の低価格化ということが盛んに言われ、それさえ克服できれば、夢の未来が待っているかのようにも見えるが、実は、燃料電池の性能そのものにも、大きな問題がある。

 燃料電池は、電解質の違いによって、4つのタイプに分かれる。固体高分子型(PEFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体酸化物型(SOFC)だ。ところが、これらはいずれも欠点を持っている。その問題とは、稼働温度と発電効率。

 まず、稼働温度。燃料電池は水素と酸素を化学反応させることによって生まれるエネルギーを電気として取り出す仕組み。だから、化学反応を起こさせるために熱を加える必要がある。これが稼働温度だが、PEFCを除いて200度C以上の温度が必要だ。SOFCに至っては最低で600~800度Cの熱をかけなければいけない。SOFCの発電効率は60%を超える高さではあるが、大型の発電所として使うならばともかく、普通の生活のなかで内燃機関に代わって使うには、危険すぎる。

 一方、PEFCだけは、常温から90度C程度で稼働する。そういう点では、内燃機関の代替品として使うことができる。今、家庭用に売られている燃料電池も燃料電池自動車の電池もPEFCだ。

 しかし、PEFCにも大きな欠点がある。発電効率の悪さだ。ある化学専門家によれば、PEFCの発電効率は、理論的に最高で40%だという。火力発電の発電効率は40%がごく普通の水準で、60%というシステムもあることを考えると、発電システムとしては非常に効率が悪い。

 さらに、副産物として出る熱湯の使い道がない。量が非常に多いからだ。燃料電池の普及を進めている研究者がこう語る。「PEFCのエネルギー効率が60%を超えるという話がるが、これは、お湯もすべて利用した場合の話」。そこで、この研究者はお湯を使い切るためにとりあえず、北海道で普及を図ろうとしたが、「冬の北海道でもそんなに必要ないというくらいのお湯が副産物として出てきてしまい、結局、普及しなかった」。

 効率の悪さと、燃料電池の“燃料”となる水素を作るためのエネルギーを考えれば、PEFCの発電コストはさらに上がってしまう。

 もちろん、化石燃料を使い続ければ、かならず、枯渇することは確か。だからといって燃料電池がエネルギー問題のすべてを解決するというのは早計だろう。(編集担当:柄澤邦光)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130807-00000010-economic-bus_all

2013/08/07 鉄鋼業界、君津製鉄所に試験高炉建設 CO2排出量削減計画(SankeiBiz)

 日本鉄鋼連盟などは6日、鉄鋼生産の過程で発生する二酸化炭素(CO2)排出量を業界全体で30%削減する技術開発と実用化を目指すプロジェクト「COURSE(コース)50」について、2015年度までに新日鉄住金の君津製鉄所(千葉県君津市)に10立方メートル規模の試験高炉を建設し、昨年までの5年間に手がけた要素技術の総合的な実証実験を行うと発表した。

 17年度をめどに、炭素の代わりに水素を使って鉄鉱石を還元する「水素還元」の効果を最大化する技術や、高炉から発生したCO2の分離・回収コストを1トン当たり2000円に抑える技術の確立を目指す。

 通常の製鉄過程では、鉄鉱石中の鉄分に化合した酸素を取り除くために、石炭を蒸し焼きにしたコークス中の炭素を使っているが、これがCO2排出の原因となる。

 「COURSE50」は、新日鉄住金やJFEスチールなどの鉄鋼大手と鉄連が08年度から共同で進めているプロジェクト。鉄鋼業界のCO2排出量が国内製造業全体の排出量の約4割を占めることから、製鉄プロセスで発生するCO2の削減技術を30年までに実用化し、50年までに普及させて、業界全体のCO2排出量を30%削減することを目指している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130806-00000022-fsi-bus_all

■海外ニュース
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<輸送>
●ゴールデンゲート・トランジット社、燃料電池バスの路線サービスを開始 (2013年04月18日)

 ゴールデンゲート・トランジット社(Golden Gate Transit)は今年4月から、ゼロ・エミッション・ベイエリア(Zero Emission Bay Area:ZEBA)の一員として第3世代の水素燃料電池バスを操業する。ゼロエミッション・ベイエリアとは、カリフォルニア州のサンフランシスコ湾の湾岸地域、ベイエリア(Bay Area)の隅々まで実際に路線サービスを行っている12台の排気ゼロの燃料電池バスを共同して運営している5つの公共交通機関が結成したグループである。
http://goldengate.org/news/transit/zeb2013.php

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆福岡水素エネルギー人材育成センター【高度人材育成コース】【再掲】

 若手研究者や学生(院生・学部生等)を対象とした「高度人材育成コース」を開催します。本コースでは、九州大学の教授陣が研究内容・成果など学術面を主として解説するとともに、水素エネルギー関連企業から各社の取り組みや技術動向について説明していただきます。
◇日 時:8月27日(火)?29日(木)
◇場 所:1、2日目 九州大学伊都キャンパス(福岡市西区元岡)

   3日目 水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)(糸島市富)
◇対象者:大学生・大学院生、若手研究者等(原則35歳未満)

     ※35歳以上の方も申し込めますが、若手の方を優先させていただきます。
◇定 員:40名
◇内 容:プログラム等、詳細については下記のHPをご覧ください。
     ※講師プロフィールを追加しました。
     http://www.f-suiso.jp/info/6762.html
◇参加費:無料
◇申し込みと締切:下記申し込みフォームよりお手続きください。(8月20日(火)締切)

  https://www.sipstool.com/f-suiso/anq/index.php?p=20130708100555
◇問い合わせ先:福岡水素エネルギー戦略会議事務局(担当:中村)
  TEL:092-643-3448 E-mail:info@f-suiso.jp
◇主 催:福岡水素エネルギー人材育成センター(福岡水素エネルギー戦略会議)
◇共 催:(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、九州大学
◇後 援:水素エネルギー協会(HESS)、燃料電池開発情報センター(FCDIC)
     (財)水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)

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