燃料電池ワールド Vol.1204 (2012/07/23 08:49)

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□燃料電池ワールド Vol.1204
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■2012年07月23日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2012年07月20〜22日のWEB LINK NEWS
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2012/07/20 石炭ガス化効率 世界最高 Jパワーの北九州試験プラント(産経新聞)

 福島第1原発事故で国のエネルギー政策の行方が注目を集める中、Jパワー(電源開発)が、北九州市で次世代火力発電技術の開発を進めている。石炭を高熱でガス化し、ガスタービンと蒸気タービンを併用する「石炭ガス化複合発電(IGCC)」で、世界最高のガス化効率を達成しているという。実用化されれば、発電効率が高まることから二酸化炭素排出量も低く抑えられるという。

 Jパワーは平成14年から、北九州市若松区の若松総合事業所内で、経済産業省の補助を受けながら「イーグル」のプロジェクト名で、IGCCの研究に取り組んでいる。

 IGCC最大の課題である石炭をガス化する技術も、ガス化反応を促進する特殊な炉を作ることに成功。石炭のガス化効率も82%に達しており、先行していた「ロイヤル・ダッチ・シェル」「ゼネラル・エレクトリック」など欧米企業のガス化効率(72?81%)を追い抜き、世界最高を達成した。石炭ガス精製の過程で生じる二酸化炭素の回収技術も確立した。

 Jパワーは今後、北九州での実験データを基に、中国電力と協力して瀬戸内海に浮かぶ大崎上島(広島県)に、合計出力17万キロワットのIGCC発電所を建設。商用化を目指して平成28年度から実証実験に入る。

 Jパワー若松研究所の笹津浩司所長は「世界の先行技術に追いつき、一部で追い抜いた。将来的には石炭ガスに含まれる水素を使った燃料電池発電も組み込み、全体の発電効率を55%程度にまで高めたい」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120720-00000074-san-l40

2012/07/20 JASRIなど3者、3次元的に頑丈な「多孔性配位高分子」の結晶薄膜を作製(マイナビニュース)

 高輝度光科学研究センター(JASRI)、京都大学、物質・材料研究機構(NIMS)の3者は7月19日、3次元的に頑丈な「多孔性配位高分子(Porous Coordination Polymer:PCP)」を特定の方向に配列(配向)させたナノオーダーの膜厚を有する結晶薄膜の作製に成功し、この薄膜が可逆的なガス吸脱着反応の機能を有することを確認したと共同で発表した。

 成果は、JASRI利用研究促進部門の坂田修身 客員研究員、同藤原明比古 主席研究員、京大大学院 理学研究科 ナノ物質化学特別講座の大坪主弥 特定助教、同化学専攻の北川宏教授らの共同研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、米科学雑誌「Journal of the American Chemical Society」6月13日号に掲載された。

 活性炭に代表される吸着剤は、分子を取り込み吸着する役割を果たす物質であり、物質内部に多数の細孔を有することから「多孔性物質」と呼ばれ、幅広く利用されている。

 中でも、細孔サイズが2nm以下のものを「ミクロ孔」と呼び、細孔サイズが分子サイズに近いことからさまざまな分子の吸着・分離(分子ふるい)への応用研究が盛んに行われてきた。

 高いガス吸着特性と高い規則性(結晶性)を有するPCPは、ガス分子の高効率分離・濃縮機能や空孔内部での反応などさまざまな機能が期待できるため(画像1)、従来の多孔性物質である活性炭やゼオライトに比べ幅広い応用が期待されている。

 さらに、設計性や物質群の多様性に優れるため異なる機能を持ったPCPを作製することも可能だ。これら異なる機能を有するPCPを集積することで、高効率な燃料電池など、さまざまなエネルギー関連素子を作製することが可能となる。

 研究グループは今回、配向成長に適切な基板とその表面加工、3次元方向に剛直性を示しながらも成長方向が制御できる骨格形成材料を選ぶことで、配向成長した3次元PCPのナノ薄膜作製に成功した(画像2)。

 今回の研究成果は、高い機能を有しながらも配向成長の難しい3次元多孔性配位高分子を配向成長することに成功し、得られたナノ薄膜の持つガス吸脱着機能と構造の剛直性をSPring-8のX線回折手法とシミュレーションにより検証された。

 この成果により、異なる機能を持ったPCPをナノサイズの精密さで集積することで、新たな機能を持った素子(例えば、酸素・水素ガスの分離・輸送・混合・反応の機能要素を効率よく集積した燃料電池など)を作製することが可能であることが明らかになった形だ。今後、ナノ薄膜で作製する素子の研究開発が大きく加速されることが期待されると、研究グループはコメントしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120720-00000061-mycomj-sci
※画像あり

2012/07/21 県:住宅の電力、自給自足 普及を推進 太陽光、燃料電池で /岐阜(毎日新聞)

 太陽光や燃料電池による発電を組み合わせて電力を安定供給し、エネルギーの自給自足を目指すシステムの一般家庭への普及を県が進めている。電力会社に依存せず、災害に強い住宅環境を整える狙いで、2030年までに県内30万世帯での導入を目指す。

 ガスから取り出した水素と酸素を化学反応させて発電する燃料電池と、太陽光発電による電力をバッテリーにためる仕組み。電力を多く使う時間帯や電気自動車の充電の際に放電する。雨が続いても燃料電池による発電でカバーできるという。

 関市下之保の住宅で20日、第1弾が公開された。1日の発電量は平均約14・5キロワット時で、この住宅の消費電力(平均約9キロワット時)をまかなえるという。電気自動車の充電にも使用するため中部電力の電力も約5キロワット時使う。

 導入費用約900万円のうち約500万円は国や県が補助した。今後5年間、季節ごとにエネルギーの需給状況を県が分析し、システムの改善に生かしていく。

 導入した住宅建設会社「ヤマムラ」(関市)の山村誠示社長は「原発に頼らない生活のあり方を示したい」と話す。県産業技術課は「まだ初期コストが高いが、導入が進めば価格も低くなっていく」と期待している。

 東日本大震災以降、大手住宅メーカーなどが同様の「スマートハウス」の開発を進めているが、同課によると、太陽光と燃料電池、バッテリーを組み合わせた住宅に自治体が補助するのは全国初という。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120721-00000044-mailo-l21

2012/07/21 アップル、メイデンに厳重警備のデータセンターを新設か(CNET Japan)

 Hickory Daily Recordが調査した記録によると、Appleはノースカロライナ州メイデンの巨大データセンターがある敷地内に、警備が厳重な「戦術的」データセンターを建設しているという。

 Appleがこの計画にかけるコストは約180万ドルだが、同じ敷地に50万平方フィート(約4万6450平方m)の大規模なデータセンターを建設した際には10億ドルを費やしたと報じられており、それに比べるとはるかに少ない。この敷地では、巨大データセンターに電力を供給する太陽電池アレー設備の建設が2カ所で進められている。2つ併せると、年間の発電量は8400万キロワット時になる。

 Hickory Daily Recordによると、計画からは、新たな小型のデータセンターはすでにある大きなデータセンターに対してT字状に配置されていること、また、「すでにあるデータセンターとほぼ平行」で、建設中の小さなデータセンターに対してT字状の位置する「大きめのデータセンターの予定地」があることが分かるという。このことから、Appleにはこの施設のさらなる拡張計画があることがうかがえる。

 この施設に対して発行された別の許可証には鉄筋コンクリートの基礎を備えた新しい建設物の説明があり、ここには水素燃料電池の施設が入ると思われる。許可証には、建設費が410万ドルと記載されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120721-35019465-cnetj-sci

■海外ニュース
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<定置用電源>
●トップソー社とSK社、二つの協力協定を締結 (2012年05月14日)

 二つの初期的な協力協定が、デンマーク企業のトップソー・フュエルセル社(Topsoe Fuel Cell)と韓国のSKホールディングス社(SK Holdings)によって締結された。両社は昨年、2020年までの固体酸化物型燃料電池技術の商業化を目的とした覚書をデンマークで交わしており、今回の協定はその具体化である。

 協定の一つは、住宅用製品に使うマイクロコージェネ・システム(micro combined heat and power (CHP) system)を開発し商業化することを目的としている。二つめの協定は、SKイノベーション社(SK Innovation)とトップソー・フュエルセル社が締結した。これは、大規模コージェネシステムの開発及び商業化をめざすものである。

 トップソー・フュエルセル社は、SKホールディングス社が固体酸化物型燃料電池による発電システムを開発・製造・配備する間、燃料電池スタックを提供する。両社は、技術開発で協力し合う予定である。
http://www.topsoefuelcell.com/sitecore/content/Topsoe_fuel_cell/news_and_info/press_releases/140512.aspx〔参考〕SKイノベーション社(SK Innovation) 元SKエナジー。分社化により2011年1月社名変更。SKエナジー、SK総合化学、SKルブリカンツ三社の親会社である。SKグループは、石油精製業や通信事業を軸とする韓国の財閥である。 エネルギー、化学、経済、建設などの分野を扱う。(Wiki)

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆福岡水素エネルギー戦略会議総会・記念講演会(7/26)【再掲】

 今年の総会では、2015年からの燃料電池自動車普及開始に向けて、戦略会議が先導的な役割を果たしていくため今年2月に策定した「北部九州燃料電池自動車普及促進構想」等について事務局から報告いたします。

 記念講演会では、分散型電源として期待が高まる次世代型燃料電池(SOFC)のトリプルコンバインドサイクルシステムの開発に取り組んでいる三菱重工業(株)原動機事業本部新エネルギー事業推進部 小林由則次長から、産学連携による開発の動向や、九州大学次世代燃料電池産学連携研究センターへの期待についてご講演いただきます。

 また、北九州水素タウン実証をはじめ、水素社会の実現に向けて最先端の事業を推進している水素供給・利用技術研究組合 斎藤健一郎理事長から、北九州水素タウン実証の動向や、燃料電池自動車・水素供給インフラの本格普及に向けた最新の動向についてご講演いただきます。

 当日は、情報交換・懇親の場となる交流会も開催します。皆様奮ってご参加ください。
◇日時:7月26日(木) 14:00〜18:00
◇場所:西鉄グランドホテル(「福岡市中央区大名2-6-60)
◇日程:
『福岡水素エネルギー戦略会議総会』 14:00〜15:00
『記念講演会』 15:10〜16:40

 記念講演1「次世代燃料電池への期待と産学連携による研究開発の動向」

   小林 由則氏(三菱重工業株式会社原動機事業本部新エネルギー事業推進部次長)

 記念講演2「水素エネルギー社会の実現に向けた水素供給・利用技術研究組合の取り組み」
   斎藤健一郎氏(水素供給・利用技術研究組合理事長)
『交流会』 16:45〜18:00(5,000円/人)
◇プログラム詳細はこちら→    http://www.f-suiso.jp/info/752.html  
◇申込み方法:7月24日(火)までに入力フォームからお申し込みください。
https://www.sipstool.com/f-suiso/anq/index.php?p=20120411113236

☆国際燃料電池ワークショップ2012 ? PEFCs:基礎から応用まで ?【再掲】

 このワークショップは招待講演(口頭発表)と、ポスター発表から構成されます。日米欧アジアの各分野の研究、開発のリーダーを招待し、講演と討論に十分な時間をかけます。また、ポスターセッションの討論時間も十分とり、通常の学会では得られない深い認識と、研究交流の促進をめざします。なお、イベントして燃料電池車の試乗会、燃料電池関連機器の展示等も企画しています。
◇日時:8月2日(木)、3日(金)(2日9時開会、3日17時閉会)
◇場所:甲府富士屋ホテル( http://www.kofufujiya.jp/
◇参加費および参加登録申込締切
早期参加登録(3万3千円):7月3日(火)(会場定員200名になり次第、締切)通常参加登録(3万8千円):7月19日(木) (余席が有れば、受付可能)
◇ポスター発表申込および要旨提出締切:6月29日(金)
◇ホテル予約締切:7月19日(木)
◇プログラム及び申し込み方法は下記のウェブで↓
 http://fc-nano.yamanashi.ac.jp/ifcw/index2012.html
◇連絡先
山梨大学燃料電池ナノ材料研究センター IFCW世話人 犬飼潤治
TEL&FAX 055-254-7129
E-mail: ifcw@yamanashi.ac.jp
◇主催:山梨大学燃料電池ナノ材料研究センター・クリーンエネルギー研究センター
◇共催:NEDO、山梨県ほか

☆水素エネルギー人材育成センター 第5回「高度人材育成コース」開催【再掲】
   〜 水素エネルギー分野の将来を担う若手研究者を育成 〜

 9月3日(月)から9月5日(水)までの3日間、大学生、大学院生、若手研究者等を対象とした「高度人材育成コース」を開催します。

 燃料電池産業や水素エネルギー研究の最新情報をサマースクール形式により幅広く講義することで、将来を担う若手研究者の育成を目指します。

 世界で活躍する研究者、企業の最前線で活躍する技術者が、最新動向を分かりやすく講義します。
 受講料無料! 定員40名に達し次第締切ります。
〜コースの概要〜
◇対象:大学生・大学院生、若手研究者等(原則35歳未満)
◇日程:9月3日(月)から9月5日(水)の3日間
◇会場:(1、2日目) 九州大学伊都キャンパス ウエスト4号館 914号室
    (3日目)水素エネルギー製品研究試験センター
◇受講料:無料(交通費、宿泊費は受講者負担。)
◇交流会(名刺交換会)[初日の講義終了後。全員参加] 参加無料 
 ※社会人(大学生・大学院生以外)は2,000円/人
◇募集人数(定員):40名(定員に達し次第、募集を締め切ります。)
◆高度人材育成コースの詳細はこちらから
 http://www.f-suiso.jp/info/3084.html
◆受講申込みについて (オンラインでお申込みください

 https://www.sipstool.com/f-suiso/anq/index.php?p=20120620151141
◇主催:福岡水素エネルギー人材育成センター(福岡水素エネルギー戦略会議)、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立大学法人 九州大学 水素エネルギー国際研究センター、独立行政法人 産業技術総合研究所 水素材料先端科学研究センター(HYDROGENIUS)
◇後援:燃料電池開発情報センター(FCDIC)、水素エネルギー協会(HESS)、公益財団法人 水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)

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