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□燃料電池ワールド Vol.1026
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■2011年10月24日発行
◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
◇http://www.fcworld.jp
■2011年10月21〜23日のWEB LINK NEWS
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2011/10/21 JAEAなど、SPring-8を用いて水素を貯蔵したアルミニウムの結合様式を解明(マイコミジャーナル)
日本原子力研究開発機構(JAEAの研究グループは、高輝度光科学研究センター(JASRI)と共同で、水素貯蔵材料として注目されているアルミニウム水素化物の放射光分光実験を実施し、水素原子とアルミニウム原子が、共通の電子を介して形成される共有結合で結合していることを明らかにした。
自然環境を汚染しないクリーンなエネルギー源として水素を利用する燃料電池への期待が高まっており、高性能な水素貯蔵材料の開発が求められるようになっている。水素貯蔵材料に求められる性能は、軽量コンパクトで輸送が容易であり、かつ生活環境に近い圧力や温度条件で簡単に水素の貯蔵・放出ができることで、アルミニウム水素化物(α-AlH3)は、自然界に豊富にあるアルミニウムを原料とし、軽量でかつ水素を多量に貯蔵出来るため、有望な水素貯蔵材料と考えられている。
しかし、水素の貯蔵・放出過程の制御のためには、水素がどのような結合様式により水素貯蔵材料に吸収されているのかについて正確な知見が不可欠であるが、アルミニウム水素化物における水素原子とアルミニウム原子の結合様式については、多くの理論的予測があるにも関わらず、イオン結合的か共有結合的なのかの決着がついておらず、電子状態を実験的に調べることが強く望まれていた。
今回の研究では、アルミニウムが水素を貯蔵するとアルミニウムの電子状態がどのように変化するのかを調べ、水素原子とアルミニウム原子の結合様式を明らかにすることを目的として行われた。
図4が実験結果となるが、青色がアルミニウム単体金属で赤色がアルミニウム水素化物の測定結果となる。水素原子がアルミニウム単体金属に貯蔵されることで、電子状態に2つの明らかな変化が観測された。矢印(1)で示されるように、発光分光スペクトルの強度が増大することからAl 3p電子数が増加し、矢印(2)で示されるように、吸収分光スペクトルが光エネルギーの高い側にずれ、金属から絶縁体に変わったことが判明した。
もし、水素原子とアルミニウム原子が完全なイオン結合であるならば、電気陰性度の違いから(1)とは逆の変化をすると予想でき、この実験結果から直ちにそれは否定される。
さらに、バンド計算を用いて、アルミニウム単体金属がアルミニウム水素化物になるとどのように電子状態が変化するのかを理論的に調べた結果、実験で観測された(1)と(2)の結果を定性的に説明できることも判明した。このことから、アルミニウム水素化物においては、水素原子とアルミニウム原子が共通の電子を介して形成される共有結合で結合していることが明らかになった。
今回の結果は、アルミニウム水素化物において、理論的研究だけでは決定できなかった水素原子とアルミニウム原子の結合様式について、初めて実験的な確証を得たものとなった。これにより今後、アルミニウム水素化物の水素の貯蔵・放出のメカニズムの理解が進み、資源の豊富さと軽量さという強みを持ったアルミニウムを基盤とした新しい水素貯蔵材料の設計や性能向上の指針につながるものと期待されると研究グループではコメントしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111021-00000008-mycomj-sci
※図あり
2011/10/21 環境モデル住宅:県が補助 創、省エネ普及へ試み /岐阜(毎日新聞)
再生可能エネルギーで「創エネ」し、省エネと組み合わせた環境モデル住宅の関心が高まっている。先進的な試みが昨年11月から岐阜市茜部野瀬で公開されている「グリーニー岐阜」。県がプロジェクトを推進し、大垣市の住宅メーカー「イビケン」が建築した。県は、こうした創エネ住宅に補助金を交付する「次世代エネルギーインフラ導入モデル補助事業」費を今年度補正予算に盛り込み、環境モデル住宅の販売も視野に普及に乗り出した。
グリーニー岐阜は、屋根の上に太陽光パネルと小型風力プロペラを設置し、燃料電池を併用して発電した電気を蓄電池にためて家庭で使う電気を自前で賄う。余った分は電気自動車の充電にも活用できる。窓は真空断熱三重ガラスで熱と音をシャットアウト。屋根も断熱にしてエネルギーロスの軽減を図る。照明は発光ダイオード(LED)を使用し、雨水を利用するためのタンクも設置した。自然エネルギーと省エネの相乗効果で快適に暮らす「独立完結型」の新しい生活環境を提案している。
提案者は、経産省資源エネルギー庁から08年4月に出向した江崎禎英・県商工労働部長。10年5月に可児市の県営花フェスタ記念公園に公共施設モデルとして「次世代エネルギーパーク」を開設して以降、民間商業施設&ホテル「クックラひるがの」(郡上市)▽都市モデル「JR岐阜駅アクティブG」(岐阜市)▽中山間地モデル「築100年の古民家再生住宅」(郡上市)など、県内で5プロジェクトに取り組んできた。
県は、再生可能エネルギーを普及させるため小規模な独立完結型の住宅に照準を定め、環境モデル住宅の実用化に向けて補助事業に乗り出した。問題はコスト。イビケンでプロジェクトを担当する服部哲幸・東大大学院工学系研究科特任研究員(46)によると、太陽光発電、燃料電池、蓄電池の3点セットと制御システムなどの諸経費が住宅建築費とは別に約1200万円必要という。県は、手始めに5棟を対象に経費の2分の1(上限600万円)を補助し、対象者には5年間のデータ提供を求める社会実験を行う。11月18日まで協力者を募集している。
江崎部長は「欧州で盛んな風力発電は日本では無理がある。緯度から見て安定した風が吹かない。水力発電も莫大(ばくだい)な費用がかかり、やりにくい。太陽光発電も大規模は難しく、多くは望めない」と持論を述べ、「ささやかな独立完結型の住宅から徐々に広めていきたい。都市圏や、環境に恵まれた中山間地など地域の特性に合わせ、地域振興と連携することも大切。岐阜から発信したモデルが全国各地に広がっていけば夢はふくらむ」と期待をかけている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111021-00000092-mailo-l21
2011/10/22 戦艦大和部品で新エネルギー=反射板、「太陽炉」に転用―東北大教授ら研究・宮崎(時事通信)
東北大などが取り組む新エネルギー研究の一環として、太陽光を集めて熱を利用する「太陽炉」が宮崎県日向市の同大施設に完成し、このほど報道陣に公開された。光を集める鏡は、旧日本海軍を象徴する戦艦大和の探照灯用に製造された反射板。研究グループの小浜泰昭・東北大教授は「戦後約70年を経て活用できるのは感慨深い」と話す。
同大などはマグネシウムの化学反応による新燃料電池を開発中。太陽炉を使い1200度以上で反応後の酸化マグネシウムを熱し、還元させてマグネシウムを再利用する計画だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111022-00000018-jij-soci
■海外ニュース
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<燃料/改質器/貯蔵>
●世界初のトライジェネレーション式燃料電池と水素ステーションが下水処理場に開設(2011年08月16日)
世界初のトライジェネレーション式燃料電池と水素ステーションが、カリフォルニア州ファウンテンバレーにあるオレンジ郡衛生地区(Orange County Sanitation District's:OCSD)の下水処理場で開設した。このステーションは、一般向けに輸送用燃料と、下水処理場に電力を提供する。フュエルセル・エナジー社(FuelCell Energy)の燃料電池「ダイレクト・フュエルセル(Direct FuelCell〓)」は、熱と水素、電力を結合したシステムである。それは、汚水処理過程で発生したバイオガスを、オレンジ郡で使うための超クリーンな電力と、エア・プロダクツ社(Air Products)が運営している自動車燃料ステーションのための再生可能な水素に効率よく変換する。
この事業を実施したのは、フュエルセル・エナジー社とエア・プロダクツ社、カリフォルニア大学アーバイン校の国立燃料電池研究センター(National Fuel Cell Research Center at the University of California Irvine)であり、カリフォルニア州大気資源局(California Air Resources Board:CARB)と南海岸大気保全局(South Coast Air Quality Management District:SCAQMD)、米エネルギー省(U.S. Department of Energy:DOE)、南カリフォルニアガス社(Southern California Gas Company)が支援している。
燃料電池は、平均的な家庭の電力約200軒分に相当する250kWの超クリーンな電力と、1日あたりおよそ25台の自動車の燃料となる再生可能な水素を生産している。
http://apps1.eere.energy.gov/news/progress_alerts.cfm/pa_id=600〔参考〕トライジェネレーション(tri-generation) 燃料や太陽エネルギーなどの熱源から、発電時にできる廃物の熱も利用するのがコージェネレーション(熱電併給)だが、トライジェネレーションは熱と電気の他にもう一つ加えて、3つのエネルギー供給システムを示す造語。このもう一つが何にあたるのかについてバラバラな説明が散見される。
「ダイレクト・フュエルセル(Direct FuelCell〓)」は溶融炭酸塩型燃料電池で、さまざまな原燃料から粗製水素を作り燃料とする内部改質型だが、この記事ではバイオガスを改質して、燃料電池で使用する水素とは別に(あるいはその一部を)、ステーションで自動車に供給するための水素にも利用することを「トライジェネレーション」といっている。通常の燃料電池システムに「1日あたり約100kgの水素を蘇生させる(recover)水素浄化システム(hydrogen purification system)を統合している」と表現しており、そうしたシステムの燃料電池にしたことを世界初と誇っている。
また、他の例では、改質過程で発生した二酸化炭素を温室栽培などに活用する例(NEDO海外レポートNO.1064ではこのように書いているが、他の報告書では「tri-generation(電気+熱+冷熱)」と記載するなどNEDOもバラバラ)や、燃料電池で発生した熱の一部を冷却のために使う例(CCHP、この場合は同時発生ではない。
http://wpedia.goo.ne.jp/enwiki/Trigeneration)などの説明が見受けられる。
そして、tri-generationの日本語表記をトリジェネレーションとしているものも見られるが、これは「triple」(3重の)の略と考えているからで、tri-は接頭辞であり、発音はトライとなるのでこちらを取った。
■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆第1回「経営者(燃料電池自動車)コース」開催 ★新設★【再掲】
11月17日(木)、自動車関連企業の経営幹部の皆様を対象に、第1回経営者(燃料電池自動車)コースを開催します。燃料電池自動車の基礎知識の習得を目指すとともに、2015年の燃料電池自動車市場化に向けた経営判断に役立つ業界動向の最新情報をお伝えします。
水素とは何か、これまでの自動車と燃料電池自動車は何がちがうのか。2015年の市場化をきっかけに何が変わるのか。
皆様の疑問に一流の講師陣がお応えします。水素ビジネスへの参入を目指す経営者や幹部のみなさまのご参加を心からお待ちしています。
◇日程 11月17日(木)12:50?17:00
◇会場 九州大学伊都キャンパス ウエスト4号館 914、915号
(福岡市西区元岡744番地)
http://suisin.jimu.kyushu-u.ac.jp/info/index.html
◇定員 40名(定員に達し次第、申込を締め切ります)
◇受講料 3,000円/人
◇名刺交換会 2,000円/人
◇申込締切 11月10日(木)
◇カリキュラム
12:50〜13:00 開講式 戦略会議
13:00〜13:40 校長講話 渡邉浩之校長(トヨタ自動車(株)技監)13:50〜15:20 燃料電池自動車の市場化に向けた取組み
大仲英巳氏(トヨタ自動車(株)FC開発本部主査・担当部長)15:30〜16:30 燃料電池自動車の普及に伴う業界動向予測
丹下昭二氏(山梨大学客員教授)
16:40〜17:00 施設見学(選択制)
17:10〜18:30 交流会
★コース詳細はこちら
http://www.f-suiso.jp/1st_fcv-course.html
★オンライン申込みはこちら
https://www.sipstool.com/f-suiso/anq/index.php?p=20110915110527
☆第14回「技術者育成コース」開催【再掲】
水素エネルギー関連企業や新規参入を目指す企業の技術者等を対象とした「技術者育成コース」を開催します。九州大学の教授陣及び全国有数の水素エネルギー関連企業の技術者が講師を務め、技術者に必要な知識と技術の習得を目指します。
◇日程 11月29日(火)〜12月2日(金)
◇対象 水素エネルギー関連企業や新規参入を目指す企業の技術者等
※水素関連業務に従事されている方や、理系の高校、大学等を卒業された方など、一
定の知識を持った方向けの専門的な内容です。
◇会場 ・1日目 福岡県中小企業振興センター(福岡市博多区)
・2日目 (公財)水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)(糸島市)
・3、4日目 九州大学伊都キャンパス内(福岡市西区元岡)
◇定員 20名(定員に達し次第、募集を締め切ります。)
◇受講料 50,000円/人
◇名刺交換会 初日講義終了後(参加自由。3,000円/人)
◇参加申込み 11月15日(火)締切
★コース詳細はこちら
http://www.f-suiso.jp/14th_gijutusya.html
★★オンライン申込みはこちら
http://www.sipstool.com/f-suiso/anq/index.php?p=20080908193159
◇主催 福岡水素エネルギー人材育成センター(福岡水素エネルギー戦略会議)
◇後援 (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、燃料電池開発情報センター(FCDIC)、水素エネルギー協会(HESS)、(公財)水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)
☆「水素エネルギー先端技術展2011」/「燃料電池アジアセミナーin福岡」開催!【再掲】
今後急速な市場が拡大が見込まれる燃料電池・水素関連分野に関する最新の技術・製品や研究成果、この分野でのビジネス展開を目指す意欲的な中小・ベンチャー企業の技術を紹介(展示)します。燃料電池自動車を実際に体験できる試乗会も同時開催。入場料は無料。情報交換・懇親の場となる交流会とあわせて、皆様の参加をお待ちしております。
◇日程 11月9日(水)〜11日(金) 10:00〜17:00
◇場所 西日本総合展示場 新館 (北九州市小倉北区浅野3?8?1)
◇自動車3社の『燃料電池自動車』を一同に展示。カットモデルも。
・日本初の実証を開始した『燃料電池スクーター』
・北九州水素タウンで稼働中の『燃料電池フォークリフト』
・分散型電源として注目される『家庭用SOFCコジェネシステム』
★詳細はこちら
→ http://www.f-suiso.jp/H23sentangijutsuten.html
★大韓民国の最新動向!「燃料電池アジアセミナーin福岡」を同時開催!
→ http://www.f-suiso.jp/sentangijututen/2011/seminar.pdf
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□毎週月〜金曜日発行(年末年始および祝日は休刊)
□編集・発行:燃料電池NPO法人PEM-DREAM
連絡先:fc55gogo@gmail.com
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