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□燃料電池ワールド Vol.1022
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■2011年10月18日発行
◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
◇http://www.fcworld.jp
■2011年10月17日のWEB LINK NEWS
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2011/10/17 兵庫県立大など、「酸素耐性膜結合型ヒドロゲナーゼ」の立体構造を確認(マイコミジャーナル)
兵庫県立大学、茨城大学、理化学研究所の3者は10月17日、大型放射光施設「SPring-8」を利用して、酵素タンパク質の1つである「酸素耐性膜結合型[NiFe]ヒドロゲナーゼ」のX線結晶構造解析を実施し、る同タンパク質の立体構造を確認したことを共同で発表した。[NiFe]ヒドロゲナーゼとは、多くの微生物が持つ、水素の合成や分解を司る酵素のことで、Ni-Fe(ニッケル・鉄原子)が機能上重要な役割を担っている。兵庫県立大学大学院生命理学研究科の樋口教授、庄村助教らと茨城大学農学部の西原准教授らの研究グループによるもので、成果は「Nature」電子版2011年10月16日付(日本時間17日午前2時)の号に掲載された。
人類が燃料電池の原型を考案したのは19世紀半ばであるといわれているが、太古より多くの微生物は、水素から生育に必要なエネルギーを取り出したり、それとは逆に余剰なエネルギーを水素として放出したりするシステムを獲得して利用してきた。
ヒドロゲナーゼは、そのシステム中で中心的な役割を担うタンパク質で、1930年代にその存在が明らかになってから、燃料電池や水素合成への応用も含めてさまざまな視点から研究が進められてきた。
いくつかのタイプが知られているヒドロゲナーゼは、一般的に酸素がない場所で働いているものが多く、最もよく研究されてきた「標準型」と呼ばれるものは、酸素によって機能が損なわれるという大きな問題があった。
しかし、最近になって「膜結合型」と呼ばれるヒドロゲナーゼは、人が生活している環境のような高濃度の酸素存在下でも機能することがわかってきており、その仕組みを明らかにすることに大きな関心が寄せられているという状況である。
今回の酸素耐性ヒドロゲナーゼの立体構造解析は、それ自体が世界初の成果だが、研究グループではさらに膜結合型ヒドロゲナーゼが酸素にさらされる過程において、一部に特徴的な構造変化を起こすことを見出した(画像2)。この構造変化は、水素を分解する反応が起こる場所から少し離れており、水素から発生した電子が移動する経路の途中で起きたことが判明している。
水素が分解される場所はタンパク質の奥深い内部にあり(画像1)、標準型ではそこに酸素がつくことによって機能が損なわれると考えられてきた。今回研究グループが観測した膜結合型の構造変化を考慮すれば、ついた酸素が速やかに水に分解されるという説をうまく説明することができ、この現象は膜結合型が酸素のある環境でも機能する仕組みと深く関係していると考えられている。
ヒドロゲナーゼが触媒する水素分解や水素合成のメカニズムについてはまだ不明な点が多く、その巧妙な仕組みを理解できれば、より効率的な水素エネルギー利用に関する研究・開発に重要な情報を提供するという。特に今回の成果は、ヒドロゲナーゼの酸素による機能の損失を克服するための重要な知見であるとともに、この情報を基にした新たな合成触媒などの開発につながり、水素をエネルギーとして利用するための研究ブレークスルーとなることも期待されているとした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111017-00000046-mycomj-sci
※画像あり
■海外ニュース
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<輸送>
●ハンブルク、4台の燃料電池バスを受領(2011年08月18日)
ハンブルク高架鉄道社(Hamburger Hochbahn AG)は、ドイツの持続可能なバス・システムを促進している「NaBuZ demo」プロジェクトから、メルセデス・ベンツ社(Mercedes-Benz)の燃料電池ハイブリッドバス「シターロ(Citaro)」を4台受領した。
「NaBuZ demo」プロジェクトは、クリーン・エネルギー・パートナーシップ(Clean Energy Partnership:CEP)の一部を構成し、連邦政府の交通建設住宅省(federal transport ministry)の「水素・燃料電池技術革新プログラム(National Innovation Program:NIP)」から資金を投入されている。NIPはドイツ水素・燃料電池機構(NOW GmbH)が調整している。
http://media.daimler.com/dcmedia/0-921-657282-1-1417287-1-0-0-0-0-1-12635-614216-0-1-0-0-0-0-0.html?TS=1317032711624〔参考〕ドイツの水素・燃料電池関連の政策が分かりにくいので、この記事に登場する固有名詞について若干の説明を付ける。
ハンブルク高架鉄道社(Hamburger Hochbahn AG(またはHHA))は、ドイツ第二の都市ハンブルクのバス路線の大部分と地下鉄を管理する公共交通会社。1911年にハンブルクに本社を構えた。ハンブルク交通局と訳しているものもある。
ドイツでは、連邦レベルでの水素・燃料電池の研究開発は「水素・燃料電池技術革新プログラム(National Innovation Program:NIP)」によって活動が行われている。NIPは、2006年に交通建設住宅省、経済技術賞、教育省、環境省の4省によって創設された、政府、産業界、学術界の戦略的な連合体である。2016年までに14億ユーロ(約1500億円)の資金を研究開発に投入する予定である。
このNIPによる研究開発と実証プロジェクトの運営・連携のために、2008年にドイツ水素・燃料電池機構(NOW GmbH)が設立された。NOWは連邦政府(主に交通建設住宅省)が所有する官民パートナーシップで、NIPの連邦政府予算7億ユーロ(残りは産業界が拠出)のうち、交通建設住宅省が拠出する5億ユーロはNOWを通じて各プロジェクトに提供されている。この記事の資金の流れはこのことを指している。
クリーン・エネルギー・パートナーシップ(Clean Energy Partnership:CEP)はNIPの実証プロジェクトの一つであり、ドイツの複数の都市にまたがって燃料電池車両と水素インフラを実証している。現在、2015年からの燃料電池自動車の商用化を目指して5つの水素ステーションと50台の車両が運用されているが、ハンブルクでは新規に燃料電池バス10台が導入される予定で、そのうちの4台がこのほど到着したというのがこの記事である。
CEPでは2013年までに燃料電池乗用車を130台以上に拡大し、15カ所の水素ステーションが追加建設される予定である。また2015年までに50%の水素を再生可能エネルギー由来にするという目標があり、新規ステーションにはそうした水素製造装置が導入される。
※この説明は燃料電池開発情報センター発行の季刊『燃料電池』2011夏号を参考にした。さらに詳しい解説が載っている。↓
http://www.now-gmbh.de/en/press/japan-artikel.html
このページの右にある日本語のダウンロードをクリック。
「NaBuZ demo」プロジェクトの詳細は分かりません。
■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆第1回「経営者(燃料電池自動車)コース」開催 ★新設★【再掲】
11月17日(木)、自動車関連企業の経営幹部の皆様を対象に、第1回経営者(燃料電池自動車)コースを開催します。燃料電池自動車の基礎知識の習得を目指すとともに、2015年の燃料電池自動車市場化に向けた経営判断に役立つ業界動向の最新情報をお伝えします。
水素とは何か、これまでの自動車と燃料電池自動車は何がちがうのか。2015年の市場化をきっかけに何が変わるのか。
皆様の疑問に一流の講師陣がお応えします。水素ビジネスへの参入を目指す経営者や幹部のみなさまのご参加を心からお待ちしています。
◇日程 11月17日(木)12:50?17:00
◇会場 九州大学伊都キャンパス ウエスト4号館 914、915号
(福岡市西区元岡744番地)
http://suisin.jimu.kyushu-u.ac.jp/info/index.html
◇定員 40名(定員に達し次第、申込を締め切ります)
◇受講料 3,000円/人
◇名刺交換会 2,000円/人
◇申込締切 11月10日(木)
◇カリキュラム
12:50〜13:00 開講式 戦略会議
13:00〜13:40 校長講話 渡邉浩之校長(トヨタ自動車(株)技監)13:50〜15:20 燃料電池自動車の市場化に向けた取組み
大仲英巳氏(トヨタ自動車(株)FC開発本部主査・担当部長)15:30〜16:30 燃料電池自動車の普及に伴う業界動向予測
丹下昭二氏(山梨大学客員教授)
16:40〜17:00 施設見学(選択制)
17:10〜18:30 交流会
★コース詳細はこちら
http://www.f-suiso.jp/1st_fcv-course.html
★オンライン申込みはこちら
https://www.sipstool.com/f-suiso/anq/index.php?p=20110915110527
☆第14回「技術者育成コース」開催【再掲】
水素エネルギー関連企業や新規参入を目指す企業の技術者等を対象とした「技術者育成コース」を開催します。九州大学の教授陣及び全国有数の水素エネルギー関連企業の技術者が講師を務め、技術者に必要な知識と技術の習得を目指します。
◇日程 11月29日(火)〜12月2日(金)
◇対象 水素エネルギー関連企業や新規参入を目指す企業の技術者等
※水素関連業務に従事されている方や、理系の高校、大学等を卒業された方など、一
定の知識を持った方向けの専門的な内容です。
◇会場 ・1日目 福岡県中小企業振興センター(福岡市博多区)
・2日目 (公財)水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)(糸島市)
・3、4日目 九州大学伊都キャンパス内(福岡市西区元岡)
◇定員 20名(定員に達し次第、募集を締め切ります。)
◇受講料 50,000円/人
◇名刺交換会 初日講義終了後(参加自由。3,000円/人)
◇参加申込み 11月15日(火)締切
★コース詳細はこちら
http://www.f-suiso.jp/14th_gijutusya.html
★★オンライン申込みはこちら
http://www.sipstool.com/f-suiso/anq/index.php?p=20080908193159
◇主催 福岡水素エネルギー人材育成センター(福岡水素エネルギー戦略会議)
◇後援 (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、燃料電池開発情報センター(FCDIC)、水素エネルギー協会(HESS)、(公財)水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)
☆「水素エネルギー先端技術展2011」/「燃料電池アジアセミナーin福岡」開催!【再掲】
今後急速な市場が拡大が見込まれる燃料電池・水素関連分野に関する最新の技術・製品や研究成果、この分野でのビジネス展開を目指す意欲的な中小・ベンチャー企業の技術を紹介(展示)します。燃料電池自動車を実際に体験できる試乗会も同時開催。入場料は無料。情報交換・懇親の場となる交流会とあわせて、皆様の参加をお待ちしております。
◇日程 11月9日(水)〜11日(金) 10:00〜17:00
◇場所 西日本総合展示場 新館 (北九州市小倉北区浅野3?8?1)
◇自動車3社の『燃料電池自動車』を一同に展示。カットモデルも。
・日本初の実証を開始した『燃料電池スクーター』
・北九州水素タウンで稼働中の『燃料電池フォークリフト』
・分散型電源として注目される『家庭用SOFCコジェネシステム』
★詳細はこちら
→ http://www.f-suiso.jp/H23sentangijutsuten.html
★大韓民国の最新動向!「燃料電池アジアセミナーin福岡」を同時開催!
→ http://www.f-suiso.jp/sentangijututen/2011/seminar.pdf
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