燃料電池ワールド Vol.898 (2011/04/11 11:34)

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□燃料電池ワールド Vol.898
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■2011年04月11日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2011年04月08〜10日のWEB LINK NEWS
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2011/04/08 クラウド活用の自動車サービスは既に始動--MSとトヨタが提携(ITmedia エンタープライズ)

 トヨタ自動車と米Microsoftが自動車向け情報通信(テレマティクス)などに関する戦略的提携を結んだことについて、日本マイクロソフトとトヨタ自動車は4月8日に都内で記者会見を開き、提携内容などを発表した。

 会見したトヨタ自動車の友山茂樹常務によれば、低炭素・省電力社会を実現する観点からもEVやPHVが注目されている。だがPHVの充電は一般家庭の消費電力量の約3割を占めることが見込まれ、電力会社の供給にも影響するという。

 友山氏は、「今の電力供給の厳しさはEVやPHVの普及に大きな障壁になるだろう」と話し、自動車への充電を電力負荷の少ない時間帯にシフトさせる方法や、家庭用燃料電池や太陽光発電を利用して電力を自給する仕組みをテレマティクスで実現する必要性を強調した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110408-00000036-zdn_ep-inet
※写真あり

2011/04/08 「福島原発」対論 手嶋龍一×阿部重夫(下)岡崎東工大工学部長をまじえて(月刊FACTA)

 3月31日の手嶋龍一氏との対論に続いて、翌4月1日、東京工業大学に場所を移し、工学部長の岡崎健教授をまじえて今後のエネルギー・ポートフォリオをどうするかなどを伺った。岡崎教授は東工大大学院理工学研究科で機械制御システムを専攻、エネルギーに関するミクロな基礎現象の解明からマクロなエネルギーシステムまでを、熱流体工学、燃焼工学、反応工学、エネルギー工学などの研究を進めており、日本機械学会、日本エネルギー学会などから多数の賞を受賞しています。

 岡崎 僕はCO2問題の講演をずいぶんいろんなところでやってます。日本の現在の体制では、大雑把にいって電力の25%が石炭火力、25%が天然ガス火力、30%が原子力という割合です。原子力は技術的な話だけじゃないファクターが加わってくるから、自分がしゃべるときはそれはあえて避けてきました。自分は原子力の専門家じゃなくて、むしろクリーンに燃焼して最低限CO2を出さない専門家であるということでね。

 日本には大型火力--ひとつのボイラーで100万キロワット級の石炭火力がたくさんあるわけです。まずは酸性雨に関して、キロワットアワーあたりのNOx, SOx排出量は、アメリカの50分の1くらいなんです。そこまでは技術的にはもう達成できています。次がCO2削減です。石炭はCO2を出すからやめましょうなんて言う政治家もいるけれど、CO2を出さない石炭火力を作るだけでしょうと言いたい。

 だから、CO2を出さない火力ってテーマで10年前くらいにずいぶん論文を書きました。ここ2、3年、その引用が増えちゃって、機械系でそんなのは珍しいんですけどね。CO2を出さない火力発電を作ろうと思えば、CO2を回収して隔離する工程が必要です。日本ではうまく隔離ができる場所がないという問題があるから、むしろ産地でガス化して水素とCO2に変えて水素だけ持ってくるとか、あるいはメタノールにして持ってくるとか、CO2は現地において、隔離サイトがあるところに、たとえばオーストラリアとかに埋めてくるといった組み合わせもある。

 だけど問題は、化石燃料のピークアウト説です。石油の産出のピークはもう過ぎてますよという人がいる。CO2を回収するシステムを作れば、それだけネットの送電橋効率が下がるわけだから、同じだけの発電量に対して燃料消費は増えるわけで、CO2は出さないけれども化石燃料の消費は早まるというジレンマに陥るわけです。だからそれはバランスの問題で、当面数十年はもちますよ。数十年はもつけれども、そこでCO2を回収しながら化石燃料依存でもう少し電力を増やしたとしたときに、それと並行させて、30年40年後のシナリオを作っておかなければならない。そのシナリオがまだ見えないんです。

 バイオマスだ、太陽光だ、風力だなんてもてはやされていますが、現状のCO2削減の量的寄与は微々たるものです。日本中の建物の屋根全部に太陽光パネルを張っても、CO2は数%しか減らせません。燃料電池自動車を導入して効率アップで減らしましょう、2015、2025年までに200万台導入しますという具体的な話もある。しかし200万台導入は大きい数字のように聞こえますが、CO2削減量は日本全体の13億トンに対してたったの0.2%です。

 CO2は量の問題だから、きれいごとでは解決できないところに難しさがあるんです。だからその30年後の先を議論する前に、化石燃料、CO2、CCSも必要、そういうものも一見地味だけどやっぱりやらなきゃいけないでしょう。そして、その先のことをどう考えるかが大切です。これはエネルギー安全保障の話です。環境の話じゃなくて。

 阿部 もし数年以内に日本で国民投票をやれば、原発を段階的に撤廃するという結論が出るでしょう。少なくとも新設はできない。既存原発も地元の人は絶対に存続にイエスと言わないので、ドイツのように段階的に廃炉にしていくしかなくなる。高速増殖炉も何もみんな捨てていくっていうことになると、当面は全部それを火力に置き換えるということになる。

 世界でも、電力供給の絶対的な不足に直面している中国やインドは恐らく原発建設を続行するでしょうが、欧米の「原子力ルネサンス」は大幅に後退する可能性が強い。地盤の悪いところは原発が無理だということになっちゃうと、日本が原発を作るのであれば、シベリアに作らせてもらってそこから買うとかそういうことでもしない限り、日本国内ではやっぱり無理だという結論になりそうです。その場合に代替手段はありませんか。

 岡崎 長期的には今、微々たるものだといっていた水力も含めて自然エネルギーの大量導入は、日本だけじゃたかが知れているんですね。最大限使っても。水素エネルギー協会なんかでもまじめに考えているんですけど、パタゴニアの風を水素に変えて、なにかエネルギーキャリアに化学エネルギーとして蓄えて持ってくるアイデアがある。10数年前にカナダの余剰水力で電気分解で水素を作ってそれを運んでくるとか、そういう検討もやったことがあるんです。

 それでも日本で使う何百万キロワットを運んできたら、日本の沿岸がタンカーだらけになっちゃいます。パタゴニアの風に惚れた人は日本の1年間のエネルギー消費の何倍かはあると言うんですが、実現はかなり難しい。

 太陽光も同じです。たとえば全世界のエネルギー消費に相当する電力を全部今現在のレベルの太陽電池パネルでやったら、どのくらいの面積になるでしょう。これは簡単に計算できる。60万平方キロメートルくらいのオーダーですよ。日本の面積が37万キロ平方メートルくらいですから、日本の2倍弱くらい、地図帳見ながら「これできるな」と思う人がいるかもしれないけど、できないですよ。薄く分散しているエネルギーを集めることは非常に大変なんです。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110408-00000001-facta-pol

2011/04/10 韓国のエコカー技術力は日米の90%水準…政府支援が必要(中央日報日本語版)

 このほど開かれたソウルモーターショーはエコカーの競演場だった。現代(ヒョンデ)自動車の燃料電池コンセプトカー「ブルースクエア」をはじめ、起亜(キア)自動車の「K5」、トヨタの「プリウス」、レクサスの「LS600h L」などのハイブリッドモデルと、日産「リーフ」、GMシボレー「ボルト」などの電気自動車が目を引いた。最近は世界のどのモーターショーに行ってもエコカーは集中的にスポットを浴びている。地球温暖化が世界的な問題として浮上し、ハイブリッドカー(HEV)・電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCEV)に対する関心も大きくなっている。 

 世界の自動車業界はエンジン性能の向上と軽量化などでガソリン・ディーゼル自動車の燃費を高めるのに総力をあげている。エコカー開発競争も熱い。親環境を超え無公害車を普及するのが目標だ。

 だが、専門家らは、エコカーの普及は期待ほどには急増しないとみている。現在の技術水準ではエコカーの燃料になる電気や水素を生産する工程まで考慮すると二酸化炭素低減効果が期待ほど大きくないためだ。

 グローバルコンサルティング会社のマッケンジーは、「未来自動車動力源」と題する報告書で、「2020年にエコカーの世界市場シェアは最大20%を超えないだろう」とし、「エコカーの大部分をHEVが占めるだろう」と予想した。ガソリンまたはディーゼルエンジンとともにモーターを装着するHEVが最も現実的な対案という話だ。エコカーの最大の曲がり角は商用化の敷居を超えられるかだ。EVは充電インフラ不備、長い充電時間、高い車両価格が限界だ。水素を燃料に使うFCEVはEVより経済性が落ち2015年ごろ初期量産に入るというのが一般的分析だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110410-00000005-cnippou-kr

2011/04/08 原子力基本法のない中国、「まずは安全管理の法整備を」(1)(サーチナ)

 最高人民検察院(最高検)傘下の検察日報社のサイト「正義網」は6日、中国には原子力の基本法がなく、安全管理体制で法制面に不備があることを指摘する記事を掲載した。日本の「原子力基本法」に相当する「原子力法」の制定は30年近く棚上げになっており、立法化は早くても来年になるという。以下に内容を紹介する。
■原発後発国
■分散する管理
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110408-00000063-scn-cn

■海外ニュース
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<輸送>
●セントラル・グロサーズ社、プラグパワー社の燃料電池をさらに11基購入(2011年02月01日)

 食品卸会社のセントラル・グロサーズ社(Central Grocers, Inc.)は、イリノイ州ジョリエットにある同社の電動フォークリフト向けにプラグパワー社(Plug Power)の燃料電池ユニット「ゲンドライブ(GenDrive)」を11基、追加購入した。これで、セントラル・グロサーズ社の燃料電池フォークリフトの総計は231台に増えることになる。
http://www.plugpower.com/news/pressreleases/11-02-01/CENTRAL_GROCERS_PLACES_FOLLOW-ON_ORDER_FOR_PLUG_POWER’S_GENDRIVE_FUEL_CELLS.aspx〔参考〕米国の「フォークリフト等での水素燃料電池の利用」について、(財)石油産業活性化センターの「海外石油事情(ミニレポート)」(平成23年3月3日)がよくまとめている。この記事のセントラル・グロサーズ社についてもその位置付けが分かる。
http://www.pecj.or.jp/japanese/minireport/pdf/H21_2010/2010-034.pdf

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