燃料電池ワールド Vol.560 (2010/01/04 08:47)

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□燃料電池ワールド Vol.560
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■2010年01月04日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM

                  ◇http://blogs.yahoo.co.jp/pemdream


■Blog ニュース
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☆007の燃料電池
 新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 さて、年明け早々の話題として、007の燃料電池の話をお届けします。この映画は、1962年の第1作からシリーズとなって、22本が作られてきました。最新作は、昨年の正月に日本で上映された『007 慰めの報酬 (Quantum of Solace)』です。ジェームズ・ボンド役もダニエル・クレイグとなって、ずいぶんイメージが変わってきていますが、アクションの連続という映画の骨格は全く変わりません。

 このDVDを、デフレ家計に励む我が家では100円で借りられるので正月に見たのですが、そこに燃料電池が登場していたのです。

 物語が始まってから1時間24分30秒経つと、このような台詞が出てきました。

Was there any trouble securing the hotel?
(このホテルに問題は?)
None.
(何も)
It's just the fuel cells.
(燃料電池だけが心配です)
The whole compound runs on them.
(唯一の電源で・・・)
Pain in the ass, really.
(もし、何かあると)
Sounds highly unstable.
(そうなったらヤバい)

 ボリビアの砂漠の真ん中に一軒だけ建っているホテルで、ボンドの敵役が話しているシーンです。これからそこにボンドが乗り込み、暴力的破壊の限りを尽くすのですが、物語では系統電源の来ていない砂漠にホテルがなければならない必然性があるので、分散型電源として燃料電池を使ったのでしょう。選択肢として太陽光発電でないところが面白いところですが、この一つの台詞でリアリティが出てきます。

 海外の映画で初めて燃料電池が登場したものは、2001年の『新・猿の惑星』だと思いますが、このときの字幕は「永久核動力源」でした。次が2003年の『ターミネーター3』で、ここでも「水素電池」と訳されていました。多分、燃料電池という言葉がほとんど知られていないという判断だったのでしょうが、それから数年が経ち、市民権を得たと言えるのでしょう。

 ところが、2004年に公開された日本映画では、燃料電池が原発に対する選択肢として縦横に使われています。タイトルは『東京原発』。これもDVD100円で見られます。

《予告》次の話題は、日本の教科書に燃料電池が載っている話です。お楽しみに。

■2009年12月25日?2010年01月03日のWEB LINK NEWS
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2009/12/25 「総じてマニフェスト実現」(産経新聞)
【鳩山会見詳報】(2)

 環境に関してであります。命を考えるとき、人の命だけではなく、私たちが生きている地球の命を守ることも大切であります。わが国が環境分野で世界をリードしていくため、CO2(二酸化炭素)を回収、貯蓄する技術や、燃料電池など、環境技術開発を進めます。また電気自動車などの普及を協力に推進をいたします。科学技術は社会の夢をはぐくみ、わが国が将来にわたり知恵で生きていくための基盤を作る重要な手段です。無駄や省庁間の重複を排除しつつ、グリーンイノベーションの取り組みをはじめ、戦略上、真に重要な分野に重点的、効率的な投資を行ってまいります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091225-00000626-san-pol

2009/12/25 自動車保有、2010年までに7000万台を突破=環境対策が最重要課題に―中国(Record China)

 2009年12月24日、中国の自動車保有台数は2010年には7000万台を突破する見通しであることが分かった。中国新聞網が伝えた。

 アジア製造業協会の羅軍(ルオ・ジュン)CEO兼事務局長が明らかにした。羅事務局長によれば、自動車の二酸化炭素(CO2)排出量は世界全体の排出量の17%を占めており、コペンハーゲンで開かれた国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)でも厳しい削減目標が掲げられた。同事務局長は、各国はクリーンエネルギー自動車の開発を急いでおり、3?5年後には欧米、日本、韓国および中国など新興国でも大量生産が開始され、一般家庭にも普及していくとの見方を示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091225-00000021-rcdc-cn
※写真あり

2009/12/27 積水ハウスの「グリーンファースト」、2009年度目標を前倒しで達成(サーチナ)

 積水ハウスは25日、2009年3月より販売を開始した環境配慮型住宅「グリーンファースト」が受注を順調に伸ばし、2009年度目標を前倒しで達成したと発表した。

 「グリーンファースト」とは「快適性」と「経済性」、そして「環境への配慮」を同時に実現した同社の環境配慮型住宅商品の総称。太陽光発電システムや家庭用燃料電池を搭載し、同社の戸建住宅と低層賃貸住宅の商品で展開している。

 さらに同社は、2005年4月に世界に先駆けて戸建住宅に一般家庭向けの燃料電池を導入して以来、積極的に普及を推進し、2009年11月末には当初の年度計画である1,000台の目標を2カ月前倒しで達成。12月20日現在で1,100台を受注するに至っている。2009年5月に家庭用燃料電池が一般発売されて以来、同社の受注は全体の約4割を占めているという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091227-00000011-scn-bus_all
※写真あり

2009/12/27 山梨大燃料電池ナノ材料センター:小沢環境相が視察「バックアップしたい」 /山梨(毎日新聞)

 小沢鋭仁環境相が26日、甲府市宮前町の山梨大燃料電池ナノ材料研究センターを視察した。同センターは、燃料電池普及に向けコストダウンや耐久性向上などに取り組む世界最先端の研究所で、小沢環境相は「国としてできる限りバックアップしたい」と述べ、研究成果に期待を寄せた。

 小沢環境相は渡辺政広センター長の案内で施設内を見学した。世界に1台という電子顕微鏡に関する説明では、化学反応の様子を0・1ナノメートル(ナノは10億分の1)の単位まで観察できることが紹介され、小沢環境相は顕微鏡のモニター画面に熱心に見入った。

 また、渡辺センター長が20年代にも燃料電池の実用化が可能と説明すると、小沢環境相は自身が出席した「国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議」(COP15)について触れ、「燃料電池が普及すれば、苦労したCOP15での議論もいらないような新しい世界ができる」などと話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091227-00000113-mailo-l19

2009/12/28 パナソニック、直接メタノール型燃料電池システムの高出力化、高耐久化を実現(japan.internet.com)

 パナソニック株式会社は2009年12月25日、開発を進めている直接メタノール型燃料電池システムにおいて、体積当たりの出力を従来試作品の2倍となる平均出力が20W の燃料電池システムを開発した、と発表した。

 同社では、2008年に締結部分の構造見直しにより小型化したスタックと、燃料をポンプ内部で適正な燃料濃度に直接混合する燃料ポンプなど、小型・省電力の BOP(Balance Of Plant)を開発。

 今回、このスタックの小型化技術を進化させ、従来試作品と同じ体積で平均出力が2倍となる燃料電池の開発に成功。

 今回の高出力化の実現により、比較的消費電力の高い高機能ノートパソコンの駆動にも対応できるようになる。

 また、従来課題とされていた、電極劣化による出力低下に対し、高濃度燃料利用電極技術により耐久性を大幅に向上させ、5,000時間(1日8時間 間欠運転の場合)の運転が可能となっているという。

 同社はこの技術を応用し、100W クラスの可搬型発電機を開発し、2011年度に実証実験を開始する予定である、としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091228-00000014-inet-sci
※写真あり

2009/12/28 【プリウス プラグインHV 発表】仏が支援、トヨタの全方位戦略(レスポンス)

 トヨタ自動車が次世代エコカーの本命技術としている充電可能なハイブリッド『プリウス プラグインハイブリッド』。本格販売は渡辺捷昭前社長が表明していた2010年から2011年末へと1年ずれ込む見通しだが、最終的に600台が試験的に生産されるリースモデルの引渡しはすでに開始されている。

 最大の引き受け手は、環境都市宣言で知られるフランス北部のストラスブール市で、一気に100台を導入する。今年12月には世界最古といわれる同市のマルシェ・ド・ノエル(クリスマス市場)が開催されたが、トヨタはそのスポンサーもなっていた。14日に会場である東京国際フォーラム中庭で引渡し式が行われた。

 EDFは純電気自動車や燃料電池車など、新エネルギー車全般に高い関心を示しているが、その中でプラグインハイブリッドは、航続距離や充電時間など性能面の制約が少なく、いつでもどこでも乗れるという最もクルマらしい使い方が可能であることから、普及の後押しに特に力を入れる構え。その急先鋒であるプロリオ氏の支持を取り付けたことは、トヨタのプラグインハイブリッド戦略の未来を明るくする好材料だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091228-00000006-rps-ind
※写真あり

2009/12/28 露ズベルバンク、オペル売却撤回でGMに補償要求(ロイター)

 12月25日、露ズベルバンクがオペル売却撤回でGMに補償要求。写真はベルリンで発表されたオペルの水素燃料自動車。8月撮影
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091228-00000223-reu-bus_all.view-000
※写真あり

2009/12/29 エネ庁の間接補助 全事業が応募1団体 大半は業界関係 官業癒着、指摘も(産経新聞)

 環境対策で新エネルギー事業への補助金予算が拡大する中、経済産業省資源エネルギー庁が、公募した民間団体などを通じて補助金を交付する公募型間接補助事業の過去3年(当初予算分)の全52事業で、応募が1団体しかない無競争の「1者応募」だったことが28日、産経新聞の調べで分かった。国に代わって補助金の交付先を決め、実際に交付も行うこうした団体は補助事業者と呼ばれる。52事業で補助事業者となった団体の大半はエネルギー関連の業界団体で、識者からは「官業癒着」との指摘も出ている。

 石油やガスなど12社が会員の燃料電池普及促進協会(FCA)と、電気事業連合会など業界6団体でつくる新エネルギー導入促進協議会(NEPC)はともに昨年12月の設立で、今年2月に公募があった新規事業で補助事業者に決まった。

 FCAが補助事業者となったのは、石油やガスの業界が「オール電化」に対抗して普及を急ぐ家庭用燃料電池「エネファーム」の購入者への補助金で、21年度予算で初計上された。NEPCの事業は、自治体が公共施設に新エネルギーの発電設備を設置する事業などに対する補助金。間接補助としては、やはり21年度予算に初計上されていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091229-00000026-san-soci
※図あり

2009/12/29 エコ新聞:「MOTTAINAI」の文字も躍る 高砂中1年生、環境学習 /兵庫(毎日新聞)

 環境学習に取り組んでいる高砂市立高砂中学校(尾池良一校長)の1年生全員約70人が「エコ新聞」(A4判)を制作した。生徒会役員らで選んだ代表作5点を29日から校区内で掲示し、環境問題をアピールする。

 新聞は今月16日に学校で開いたエコ教室の模様を特集。神戸製鋼所高砂製作所社員から鉄の再利用の方法や環境保護に向けた活動などを学んだことや、市が環境省から借りた、水素を燃料に酸素と化学反応させて生じる電気で動く燃料電池自動車に試乗した感想などをまとめた。

 5点はA3判に拡大コピーされ、学校のフェンスはじめ、公民館、町内会の掲示板に順次張り出されるという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091229-00000161-mailo-l28

2009/12/30 <鳩山首相>1人乗り電気自動車に試乗「これいいね」(毎日新聞)

 鳩山由紀夫首相は30日、経済成長戦略を発表した後、首相官邸で開かれた環境関連技術の展示会を見学。電気自動車などエコカーに試乗し、日本の技術力をアピールした。

 理系出身の首相は先端技術を集めた展示物に興味津々。車いすに似た「1人乗り電気自動車」を軽快に乗りこなし「これいいね」。水素を燃料に動くバスのエンジンを指さし「これがモーター?」などとメーカーの担当者に細かく尋ねていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091230-00000038-mai-pol
※写真あり

2009/12/31 アルミ:廃棄物から抽出、再利用発電 北陸グリーンエネルギー研が開発 /富山(毎日新聞)
 ◇「二酸化炭素削減に」--9キロで燃料電池車100キロ走行

 北陸3県の大学や自治体、企業などでつくる北陸グリーンエネルギー研究会(炭谷茂会長)は、廃棄物から抽出したアルミで発電する技術を開発した。「二酸化炭素の排出削減につながる」と期待が高まっている。

 同会は北陸発の新エネルギー開発を目的に、産官学と市民が協力し今年5月に発足。内側にアルミコーティングを施したお茶の紙パックなど、毎日大量に廃棄されるアルミ系廃棄物に着目し、エネルギーとして利用する研究を進めていた。

 今回の発電システムは、住民から回収した紙パックなどを金沢市の工場でパルプとアルミに分離。アルミ分は不純物を除去して高純度に加工。それを水酸化ナトリウムの薬液とともに密封した箱に詰め込むと水素が発生する。それを燃料電池に利用する仕組み。

 この方法だと、9キロのアルミから、燃料電池の自動車を約100キロ走らせるだけの電気が得られるという。富山県だけで週10トンものアルミ系廃棄物が排出されており、これを利用すると燃料電池車で約4万キロも走れる計算になる。

 デモンストレーションは今月22日、富山市役所▽金沢市の金沢21世紀美術館▽福井市のJR福井駅の3カ所で実施。このうち富山市では「環境モデル都市富山」のデザインマークを赤と青のLEDで縁取り、川口清司・富山大大学院教授らが点灯した。川口教授によると約500グラムのアルミで3時間点灯できるといい「取り組みが本格化すれば、将来的に二酸化炭素の排出削減につながる」と期待している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091231-00000110-mailo-l16

2010/01/02 視線は10年以上先へ “路線転換”に賭けるトヨタ(産経新聞)

 トヨタ再生のキーワードは「エコカー(環境対応車)」と「新興国」。1日付で発足した「電池生技開発部」では、HVや電気自動車(EV)に使われる次世代車載用電池の生産技術の開発に取り組む。昨年末に法人向けリース販売を始めたプラグインハイブリッド車(PHV)も、早ければ来年にも一般販売に踏み切る見通し。さらに12年には米国で超小型車「iQ」をベースにした電気自動車を発売する計画。開発中の次世代電池はこれらの新型車両に投入される可能性が大きい。さらに15年には米国で燃料電池車も投入する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100102-00000503-san-bus_all
※写真あり

■海外ニュース
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<輸送>
●「水素への移行を推進するパートナーシップ」、共同声明を出しCOP15に向けて燃料電池自動車のパレードを行う(2009/11/30)

 世界16カ国の団体の連合である「水素への移行を推進するパートナーシップ(Partnership for Advancing the Transition to Hydrogen;PATH)」は、水素技術が地球規模の温室効果ガスの排出抑制にいかに寄与できるかを強調するために共同声明を出した。国連気候変動枠組み条約のイボ・デ・ボーア事務局長に提出した声明は、日本やEU、そして米国の研究によって普通乗用車やバンなどの軽量自動車からの排出を80%削減することを内容の一部として、環境や他の領域への多くの重要な利益を指摘している。

 この声明と同時に、そして国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)にあわせて、合計14台の水素自動車と燃料電池自動車のパレードが、スウェーデンのマルメとデンマークのコペンハーゲンをつなぐ橋を渡って行われた。パレードは、マルメ中央駅の水素充填ステーションを出発、最近開業したコペンハーゲンの充填ステーションによって、デンマーク国会議事堂で終了した。COP15では、これらの車がコペンハーゲン周辺で代表たちの送迎に使われる予定である。
http://hpath.org/resources/COP15PressRelease.htm
http://www.hydrogenlink.net/eng/news/PR-Copenhagen-hydrogen-parade-30-11-2009.pdf【燃料電池ワールドの過去記事】
Vol.364/2009年01月09日発行「中国とマレーシア、PATHで協力関係を結ぶ(2008/12/18)」

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