燃料電池ワールド (2009/04/21 09:40)

水素チャンネル Home

■───────────────────────────
□燃料電池ワールド Vol.432
■□□□□□□□□□
■2009年04月21日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                  ◇http://blogs.yahoo.co.jp/pemdream

☆間違っている記事を掲載したことについて
昨日掲載した「WEB LINK NEWS」について、記事自体が間違っているものを載せるべきではないとの指摘を読者からいただいたので、それについてコメントします。

記事のURL↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090419-00000508-san-bus_all

記事は、産経新聞の「ロータリー技術が生んだマツダの燃料電池自動車」という見出しのもので、この見出しが不適切だと私は思います。この見出しからは、マツダが燃料電池自動車の開発をしている、あるいは、燃料電池自動車を作った、ということを類推させます。だが、現在のマツダは燃料電池車の開発からは手を引いており、水素エンジン自動車の開発に軸を移しています。

記事の内容は、まず、石油が枯渇すれば水素を使った燃料電池自動車が取って替わること、水素は地球温暖化問題にも貢献することを前段で述べています。この記述は一般的な考えを述べたものですが、それ以降の記事は、水素燃料で駆動するロータリーエンジンを搭載した「プレマシー ハイドロジェン REハイブリッド」に関する内容となっています。ですから、マツダがロータリー技術を使って燃料電池自動車を作ったということにはならないわけです。

私はこの記事を読んだとき、ちょっと問題があるなと思い、載せるかどうかを考えました。結局は載せたのですが、その根拠は以下のことにあります。

「WEB LINK NEWS」は、基本的に「燃料電池」という単語を使っているニュースはすべて載せようという考えから出発しました。メルマガ『燃料電池ワールド』の第1号は2001年5月9日に発行しました。当時は「燃料電池」という言葉そのものが露出することも少なく、燃料電池に対する評価が良いにせよ悪いにせよ、世の中が受け取っている燃料電池はこういうものがある、という事例を紹介しようと考えたからです。

今回も編集の原則として掲載したのですが、やはり間違っていることは明白なのですからその指摘はするべきだったと思います。今後は積極的にそうしたコメント活動をしていきたいと思います。

ということからではないのですが、今日のニュースでも気になることがありました。偶然にも同じ産経新聞で、「電力、ガス業界が太陽光電力買い取り制度で火花」という記事です。とてもタイムリーな記事で、内容が間違っているということではありません。私は同じテーマを3月28日付のブログに掲載しました。日経新聞の記事を引用した「燃料電池を併設している住宅からは買い取らない」という関西電力社長の談話です。
http://blogs.yahoo.co.jp/pemdream/13423431.html

今回の記事も同一人物の談話を引用しています。最後の段落にはこう書いてあります。

電気事業連合会の森詳介会長は17日の会見で「買い取ることになれば、すべての客が(電気料金の値上げを)負担することになり、エネルギー間の公平性からも適切でない」と指摘。電気料金の値上げを少しでも抑えたい電力は現在、余剰電力を1キロワット時24円程度で自主的に購入しているが、制度施行による収益への影響に気をもんでいる。

という内容ですが、固定価格買取制度になると、電力会社が現在負担している余剰電力の購入コストはすべて国民の負担として転嫁され、一律に電力料金に上乗せされるのではないのですか? これは電力会社が行う値上げではないのですから、気をもんでいるという収益への影響とは何のことか不明です。

簡単に言うと、今回は太陽光発電の余剰電力の買い取りに限定しているのだから、それ以外の発電装置による電力を併用して使っていると全体の余剰電力は増えるわけで、それでは太陽光発電のみを使用しているところが不利になる、という問題を取り上げているのでしょう。

実際に太陽光発電以外の新エネルギー装置が併設されている(例えば、風力も使っている)ケースはあると思うのですが、その場合も買い取りは行わないのかどうか、何故燃料電池だけを名指しで取り上げているのか、「エネルギー間の公平性」を言うのならこのことの説明の方が問題ではないかと思います。

(以上はブログにも載せました)

■2009年04月20日のWEB LINK NEWS
□□□───────────────────────────

2009/04/20 【上海モーターショー09】ホンダ、コンセプトカー SR-9 など展示(レスポンス)

 ホンダは、上海モーターショーに中国での四輪生産販売合弁会社である広州本田汽車有限公司(広州ホンダ)、東風本田汽車有限公司(東風ホンダ)とともに「ホンダ」と「アキュラ」のブースで「環境」をテーマに出展すると発表した。

 そのほか、ホンダブースでは新型燃料電池車『FCXクラリティ』や新型ハイブリッドカーの『インサイト』、年内に中国で発売予定の新型『オデッセイ』を展示。アキュラブースでは『RL』や『MDX』、『TL』を出展する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090420-00000015-rps-ind
※写真あり

2009/04/20 電力、ガス業界が太陽光電力買い取り制度で火花(産経新聞)

 エコ住宅ビジネスをめぐり電力業界とガス業界の綱引きが始まった。

 来年度からの施行が見込まれている太陽光発電の余剰電力買い取り制度の対象について、買い取り価格が2倍に上がる電力業界が燃料電池設備の併設住宅を除外するよう求めているのに対して、ガス業界は設備の普及に欠かせないとして対象に含めるよう主張。野村明雄日本ガス協会会長は20日の会見で「家庭用燃料電池の導入家庭でも買い取ってもらいたい」と主張。具体案が決まるのは今国会での法案成立後だが、両業界の収益に直結する内容だけに対立は激しさを増しそうだ。

 余剰電力の買い取り制度は今国会で審議予定のエネルギー供給構造高度化法案に盛り込まれているもので、買い取り対象住宅など詳細は未定。東京ガスや大阪ガスなどが5月以降に販売開始する家庭用燃料電池の売れ行きは、余剰発電が買い取り対象になるかどうかで大きく異なる。

 家庭用燃料電池は都市ガスや灯油などから燃料となる水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて発電し、排熱を給湯に利用する。夜間の給湯のため、太陽光発電と同様、日中から稼働するので、家庭の電力需要が少ない昼間の余剰電力が燃料電池分上乗せされることになる。

 電気事業連合会の森詳介会長は17日の会見で「買い取ることになれば、すべての客が(電気料金の値上げを)負担することになり、エネルギー間の公平性からも適切でない」と指摘。電気料金の値上げを少しでも抑えたい電力は現在、余剰電力を1キロワット時24円程度で自主的に購入しているが、制度施行による収益への影響に気をもんでいる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090420-00000606-san-soci

■海外ニュース
□□□───────────────────────────
<輸送>
●フォルクスワーゲン社、200台の燃料電池をSFCスマートフュエルセル社に発注(2009/03)

 SFCスマートフュエルセル社(SFC Smart Fuel Cell AG)はフォルクスワーゲン社(Volkswagen AG)から、2009年中に納入する200台を超える燃料電池の注文を受注した。フォルクスワーゲン社は、官庁によって使用される同社の運搬車両に積載した電動装置に動力を与える補助電源として「イーフォイ(EFOY)1600」燃料電池を取り入れる。
http://www.efoy.com/en/

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
□□□
☆福岡水素エネルギー人材育成センター「経営者コース」開催!【再掲】

 水素の性質や燃料電池などに関する基礎的な知識を短時間で習得できるコースです。水素ビジネスの可能性に関する講義をさらに強化するため、今回から「水素エネルギー新産業の市場展望」をカリキュラムに追加しました。

 水素ビジネスへの参入を目指す企業経営者や幹部の方々のご参加を心からお待ちしております。
○対 象:水素エネルギーに関心を持つ企業経営者等
○日 時:5月22日(金)12:50〜18:00
     ※交流会18:00〜19:30(希望者のみ)
○会 場:九州大学伊都キャンパス
     (福岡市西区元岡774 ウェスト4号館914号室)

      → http://suisin.jimu.kyushu-u.ac.jp/info/index.html
○受講料:3,000円/人(交流会参加の方は別途2,000円)
○締 切:5月7日(木)※定員40名になり次第締め切ります。
○カリキュラム詳細及び申し込み:
     人材育成センターホームページから!
      → http://www.f-suiso.jp/H21keieisha1.html
     ご希望の方はお早めにお申し込みください!!
○主 催:福岡水素エネルギー人材育成センター
     (福岡水素エネルギー戦略会議)
○後 援:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
     (NEDO技術開発機構)

────────────────────────────────────

■メルマガ「燃料電池ワールド」
 □毎週月〜金曜日発行(年末年始および祝日は休刊)
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM

 □連絡先:pemdream@gmail.com(迷惑メール防止のため全角表示にしています。半角にしてご利用ください)

 □解除を希望される方は、利用されている「まぐまぐ」または「melma!」のどちらかで解除の手続きを行ってください。PEM−DREAMでの代行はできません。
 まぐまぐ http://www.kaijo.com/  
 melma! http://melma.com/contents/taikai/
 □マガジンID:0000065319(まぐまぐ) m00039824(melma!)


**H2**

<前の号 次の号>

TAKAGI-1