燃料電池ワールド (2004/11/10 18:00)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.164 2004/11/10発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆市民講座は来年から

 11月のゲストを予定していた方に、そろそろお願いしようかという矢先に新潟の地震が起きました。タイミングを逸し、その後、イベントで手が回らなくなったため、11月は休みます。また、12月は例年休みにしていますので、この間に来年からのスケジュールを作りたいと思います。

☆『図解入門 よくわかる最新燃料電池の基本と動向』発売!
◇発行:秀和システム ◇体裁:A5版、2色刷、232頁 ◇価格:1680円(本体価格+税)
◇書店またはインターネットの本のサイト(例えばアマゾンドットコム)から入手できます。

☆『燃料電池パワー』Vol.64の内容
【今週の燃料電池関連画像】著作権フリー/添付ファイル 
◇「新日鉄の記事」より
1.有明水素ステーションの液体水素貯槽(岩谷産業)と液体水素蒸発器(Linde社)。新日鉄・君津製鉄所から運ばれた液体水素を貯蔵し、気化する。国内唯一の液体水素搭載燃料電池自動車であるGMのHydroGen3にLH2と近くの交通局深川営業所の都バス(トヨタ/日野自動車製)に35MPaの高圧水素を供給する。
2.BOG(ボイルオフガス)回収コンプレッサー。容量25m3/h、吐出圧力40MPa。3.簡素な蓄圧器ユニット。内容積80L×4本、充填圧力40MPa。必要に応じてLH2を気化して高圧水素ガスを造るので、オンサイトステーションのようなPSAユニット、コンプレッサー、大容量の蓄圧器ユニットが不要。
4.ステーション屋根上に液体水素貯槽のBOGを放出するベント・スタック。
◇「第38回東京モーターショー2004」より
5.1人乗り燃料電池車「コムスFCHV」。
6.環境親和性と資源的考慮から植物のケナフの繊維で成形したルーフ。7.2人乗りタウンコミューターの「コムスω」。全長2285mm、全幅1295mm、全高1420mm、密閉型鉛電池12V、66Ah×6個、補機用バッテリー12V、24Ah×1個、永久磁石型交流同期型ホイールインモーター2個を搭載。タイヤサイズは155/55R/14。車両重量は440kg。
8.豊田合成の35MPaのオールコンポジット高圧水素タンクの試作品。全長825mm、重量21.0kg、直径250mm、要領29.0?
【沼崎英夫/技術レポート】              
◇コークス炉ガスから液体水素
〜エネルギービジネスを目指す新日鉄〜
◇「第38回東京モーターショー2004」続報
トヨタ車体が燃料電池搭載原付ミニカーを参考出品
豊田合成がオールコンポジット35MPaタンクを参考出品
※このメールマガジンは、より専門的な情報をPEM−DREAM会員に提供しています。サンプルは、http://www.pem-dream.com/conts.html

■燃料電池関連イベント
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●第5回エコ・ネットワーキングの会
レスター・ブラウン氏関西特別講演「経済と環境を両立させるプランBへの道」
◇日時:11月12日(金)13:00〜17:00
◇場所:大阪市中央区民センター(中央区久太郎町1-2-27)
     地下鉄堺筋線・中央線 堺筋本町駅から徒歩1分
◇地図:http://www.city.osaka.jp/shimin/shisetu/01/chuouhoken.html
◇プログラム
13:00〜 枝廣淳子 プレ講演            

       「エコと英語でなりたい自分に!〜はじまりは、レスターに宛てた一通の手紙」
14:00〜 レスター・ブラウン講演
       レスター・ブラウン×枝廣淳子 対談
16:00〜 書籍販売&サイン会
◇参加費:5000円(事前振込の場合。当日5500円)

     *学生料金4000円(事前振込の場合。当日4500円)
    〈部分参加の場合〉

     枝廣淳子講演 2000円(事前振込の場合。当日2500円)

     レスター・ブラウン講演 3000円(事前振込の場合。当日3500円)

     *レスター講演学生料金 2000円(事前振込の場合。当日2500円)
◇お申し込み・お問い合わせ(URL) http://www.japanfs.org/eco-network/電話&FAX:044−922−6130(有限会社イーズ)

●日本計画研究所セミナー
☆第8046回JPI特別研究セミナー
<総合商社の水素・燃料電池ビジネス>
三井物産株式会社
水素・燃料電池事業の戦略と今後の展開
−戦略の再構築と市場の展望−
◇日時:11月25日(木)14:00〜16:00
◇講師:阿久根裕司氏(三井物産株式会社事業開発部水素・燃料電池・環境室水素・燃料電池戦略チームチームリーダー)
◇会場:JPIカンファレンススクエア(千代田区有楽町)
◇地図:http://www.jpi.co.jp/map.html
◇参加費:お一人様 : 29530円
〔 優待参加費 (1社で複数名、同時申込の場合に限ります) 〕
  1社2名 : 54530円  1社3名 : 74530円

☆第8122回JPI特別研究セミナー
東京ガス株式会社
家庭用燃料電池・水素ステーション最前線
−東京ガスにおける家庭用燃料電池・水素ステーションの最新開発動向と今後の課題−
〜世界で初めての商用機を首相新公邸に設置する東京ガス。その開発状況から今後の展望を読み解く〜
◇講師:金子彰一氏(東京ガス株式会社R&D本部技術開発部シニアリサーチャー)
◇日時:11月29日(月)15:00〜17:00
◇会 場:全共連ビル
千代田区平河町2-7-9 TEL:03-5215-9501
◇参加費:お一人様 : 29470円
〔 優待参加費 (1社で複数名、同時申込の場合に限ります) 〕
  1社2名 :54470 円  1社3名 :74470 円

◇詳細とお申し込み
http://61.114.14.21/seminar/cgi-bin/data_html/1041018112642.html
◇お問い合わせ(URL)http://www.jpi.co.jp/
株式会社日本計画研究所    
〒100-0006千代田区有楽町1-2-14 紫ビル
TEL 03-3508-9070 E-mail:biz-forum@jpi.co.jp

■PEM−DREAMニュース
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☆立命館大学理工学振興会「エネルギーフォーラム」報告

 立命館大学理工学振興会、他2社の主催による「エネルギーフォーラム」が11月5日、京都リサーチパークサイエンスホールで開かれた。以前、燃料電池市民講座に参加された三菱商事の方のお誘いで、勉強に行ってきた。いずれも東京ではなかなか聞くことが出来ない魅力的な講演だったからである。4名の講師の方は以下のような演題で話をされた。

「激変する世界の石油および天然ガス事情」横瀬一郎氏(三菱商事(株)顧問、元常務取締役)
「躍進する太陽光発電の現状とその将来展望」濱川圭弘氏(立命館大学総長顧問、元副総長)
「21世紀を切り拓くバイオエネルギー」坂志朗氏(京都大学大学院エネルギー科学研究科教授)
「大阪ガスにおける家庭用固体高分子形燃料電池――コージェネレーションシステムの開発と商品化への課題」本田国昭氏(大阪ガス(株)技術部門理事)

 それぞれの講演の後、4名の方によるパネルディスカッションがあった。そこで感じたことは、専門分野は違ってもエネルギーのベストミックスを期待していることだった。横瀬氏は「エネルギーと食料が日本の2大アキレス腱だが、今の日本は非常に恵まれている」と指摘され、本田氏は「官産学とユーザーが協働で押し進めることだ」と述べられ、坂氏は「地域にあった新エネルギーを育てていくことが地域の責任」、濱川氏は「21世紀はエコロジーの時代だ」と交々語られた。

 横瀬氏は、1956年以来、日本の石油産業とともに歩んでこられた経験を取り混ぜて、石油とはどのような商品であるか、現状はどうなっているのか、進行中のメガトレンドについて話された。

 再生不可能な石油は、1859年にドレークが発掘して以来140年の間に埋蔵量の半分は使ってしまった。石油の供給は今後10〜20年のうちに、マラソンの先頭集団のように寡占状態になってしまい、値段は上げ放題になってくるだろう。これに対してアメリカは、石油と天然ガスを世界中からかき集めて、2025年に向けて自給自足を目指している。今の輸入量の倍を海外から輸入することになる。

 しかし、アメリカの石油輸入のトップはサウジアラビアで、アメリカとサウジの関係が微妙になってきている。サウジの元石油相ヤマニ氏は「イラク侵攻は石油のためだ」と言っており、石油価格がバレル当たり55ドルの史上最高値をつけ、潮の流れが変わって今後底上げされるだろう。等々。

 アメリカ(Crisis)、ヨーロッパ(Challenge)、ロシア(新しい輸出大国の出現)、中国(困難な資源確保)のそれぞれの動向についての話は、世界の化石燃料をめぐる激しく生々しい争奪戦の様相であり、新エネルギーが脚光を浴びてきた大きな背景についての話であると思った。

 濱川氏と坂氏の太陽光とバイオの話は、そうした化石燃料に頼らないエネルギーについて、どのようなポテンシャルがあり、技術が開発されているかを教えてくれた。

 最も関心があったのは大阪ガスの話である。まず、自分の理解があいまいだったことから書いてみると、家庭での熱と電気の使用量はだいたい1:1であるので、家庭用燃料電池はムダのないシステムとなるが、ガスは2:1とか3:1になる、と言われた。だが自分は、熱とガスの違いについてはほとんど考えたことがなかった。一般家庭での電力負荷の年間合計は5576kWh、熱負荷は6060kWhという数字がその根拠であるが、この熱負荷はガスの使用量とは違うようだ。出力は同じ1kWのガスコージェネの「エコウィル」と家庭用燃料電池はどう違うのか、ここら辺に理解する鍵があるのかもしれないと思った。これからの勉強テーマである。

 運転方法では、大阪ガスはなぜ連続運転を選択したのか。それは、最も効率がよいからだ、といわれた。東京ガスも確か、効率によってDSS運転を選んだと理解していたので、双方の効率のよさの違いはどこにあるのか、改めて考えるとよく分かっていない。家庭での熱と電気の使い方は千差万別なので、実際に取り付けて実証試験を行ったデータからは、その家庭自身の変化は分かっても運転方法の違いについては分からないのではないだろうか、あと1年少々で両方の方式の家庭用燃料電池が商品化されることになるが、西と東で販売地域が分けられるのだろうか等々、あらぬ疑問が湧いてきた。別にどちらがよいかということではなく、違いの意味をよく知りたいだけなので、これも勉強テーマとなった。

 商品化の課題は、コストダウンと9万時間の耐久性の問題を挙げた。コストは昨年8月のOGコスト試算結果では、20台の製造台数の時はPEFCシステムが330万円、排熱回収装置が50万円の合計380万円だが、現状の見込みでは1500〜2000万円だという。これが10万台になるとそれぞれ31万円と18万円の計49万円となるが、それでも現状では100〜200万円だという。150万円までのコストダウンは何とか見えているというが、まだまだ大変な努力が必要だということだ。

 今年度中に国の規制が緩和され、2005〜07年度まで市場投入した新たな実証試験が始まる。08年からは太陽光のようなFCコージェネ用補助金制度が発足するようだ。それに併せて燃料電池用の家庭コージェネ料金が検討されていくという。

 セルの耐久性の問題も「劣化解析国家プロジェクト」がNEDOで採用され、3年計画で始まると話された。NEDOのニュース・リリース(04/10/07)によれば産業技術総合研究所、大阪ガス、東京ガス、新日本石油、松下電器産業、三洋電機、東芝IFCが委託先である。劣化データについてはほとんど公開されず、メーカーごとに異なる知見があるという。この現状を各社の共同研究によって打破しようと、実使用条件下における長期の劣化現象のメカニズム解析と劣化加速試験方法の開発を行うのがこのプロジェクトである。

 翌日、大阪で水素水のシンポジウムがあった。正確には電解還元水という。水を電気分解したときに、陽極側にできる水のことだという。アルカリ性を示すのでアルカリイオン水とも呼ばれてきた水のことである。この水が病気や健康にいいという。九州大学大学院教授の白畑實隆氏の話には、酸化と還元、活性水素、活性酸素などの言葉が出てきて面白かった。三菱商事の方は、「昨日は身体の外(環境)をきれいにする水素の話だったし、今日は身体の中をきれいにする水素の話だったね」と評したが、いろいろな水素があるものだ。この分野まではまだまだ手が届かない。

■WEB LINK NEWS
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04/11/04 DJ-バラードなど代替エネルギー開発関連株が安い、ブッシュ勝利で(ダウ・ジョーンズ)

 バラードや米フュエルセル・エナジー(Nasdaq:FCEL)などはハイブリッド車の人気を反映し、燃料電池車の商用化へ向けた技術開発に積極姿勢を示している。しかし、代替エネルギー開発に消極的といわれるブッシュ氏が大統領選挙に勝利したことで関連株は売りに押された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041104-00000026-dwj-biz

04/11/04 開発中の家庭用燃料電池を公開=松下(時事通信)
*松下電器産業は4日、水素と空気から電気と温水を作る家庭用燃料電池を使ったコジェネレーションシステムを公開した。同システムは現在開発中のもので、2004年度末から販売を始める東京ガス向けに供給する。松下としては、08年度をめどに家庭向けのエネルギー事業として販売を本格化する方針。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041104-00000289-jij-biz

04/11/05 DJ-ADR:原油価格急落とブッシュ大統領の再選を受け連騰(ダウ・ジョーンズ)
ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)4日のADR(米国預託証券)市場は原油価格の急落とブッシュ大統領再選による楽観的な見方に支えられて前日に続き連騰した。ニューヨーク銀行ADR指数は前日比1.09%高の114.90となった。地域別でも、欧州ADR指数は1.23%高の119.24、アジアADR指数は0.74%高の106.09、ラテン・アメリカADR指数は0.78%高の119.91と各指数とも上昇した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041105-00000008-dwj-brf

04/11/05 英、新エネルギー比率10%へ−風力発電で1000万kW(日刊工業新聞)
【ニューキャッスル(英国)=駒橋徐】英国は京都議定書の発効を間近にして2010年に再生可能エネルギーで10%、20年には20%へ高めるため、そのほとんどを風力発電でカバーする大増強策に乗り出した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041105-00000019-nkn-ind

04/11/09 北極で今世紀末7度上昇も 科学者チーム報告書(共同通信)

 報告書は、氷が解けることで、氷によって反射される太陽エネルギーの量が減ってさらなる温暖化を招くことや、温暖化が成層圏のオゾン層の回復を遅らせることなども指摘。「温暖化による北極の生態系破壊は、地球規模で深刻な影響をもたらす」と警告した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041109-00000037-kyodo-soci

04/11/09 八戸市民エネルギー会社事業化など、特区推進4事業を認定−−県 /青森(毎日新聞)
 認定された事業は次の通り。

 ▽電力の地域自給システムを構築する「八戸市民エネルギー会社事業化プロジェクト」(八戸インテリジェントプラザ)▽横浜町における家庭用・事業用廃食油燃料化事業(NPO資源循環型社会発信地域創造グループ)▽水素を利用した自立持続可能エネルギー構想(豊田通商)▽繊維系バイオマスから燃料用エタノールを製造する資源循環型実証事業(日揮)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041109-00000036-mailo-l02

04/11/09 全米で増加しつつある「ゼロ・エネルギー住宅」(WIRED)

 ゼロ・エネルギー住宅は、エネルギー需要を最大で70%まで削減できる。エネルギー効率を高める数々の最新技術を採用し、必要な電力をすべてソーラーセル(光起電装置)パネルで生みだす。「ゼロ・エネルギー住宅」という言葉は、米エネルギー省(DOE)による造語で、各家庭がエネルギーを自給自足するために必要な技術を、2010年までに創出するプログラムの一環として誕生した。このプログラムはまだ目標達成にまでは到っていないが、民間企業や研究者たちはすでに現時点で、一般住宅で必要となる電力をすべてまかない、化石燃料(天然ガス、石油、石炭)エネルギー需要を大幅に削減できる技術を創出している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041109-00000007-wir-sci

04/11/10 萩尾高圧容器、LPガスの硫黄化合物を除去する脱硫装置を開発(日刊工業新聞)

 LPガスを家庭用の定置式燃料電池の原燃料にするには、高吸着率の脱硫装置の開発が急務になっている。05年3月までに製品化する計画で、一足早い取り組みで市場での主導権を握る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041110-00000024-nkn-ind

■海外ニュース(中国)
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●世界最新ハイブリッドバスを上海で製造へ

 米ゼネラル・モーターズ社(GM)と上海汽車集団総公司は11日、両社が協力して上海で世界最進のハイブリッドバス(電気モーターとガソリンエンジンなど異なる動力を併用)を製造し、実用運転に投入することを明らかにした。実用化することで新型バスの中国の道路状況での運行状態を調べ、新エネルギー技術を応用した大型バスの中国における市場開拓を目指す。
両社の協力で開発するハイブリッドバスには、GM傘下のアリソン・トランスミッションが開発、製造した世界一流のバス用ハイブリッド発動機システムを搭載する。最新の資料によると、普通のバスと比べて、この新型バスは燃費を40―60%まで節約でき、排出量も50―90%まで減らせる。車両維持コストが下がるとともに、エンジンの磨耗と騒音を減らし、運行効率を高める。
(04/10/12 人民網日本語版)

●上海、新エネルギー産業と省エネ産業を重点的発展の産業に

 資源、環境という経済発展のボトルネックの制約を緩和するため、上海市は、新エネルギー産業、省エネ産業などの新興産業を今後上海市の重要産業とし、産業構造の改革を推進し、新しいタイプの工業化発展の道を模索し始めている。

 このほどおこなわれた「上海・関西経済フォーラム」の席で、上海市経済委員会副主任の楽景彭氏は、「上海が新技術を活用し、新エネルギー産業と省エネ産業を発展し、全国の持続可能な経済発展のモデルになることを期待していると語った。燃料電池、ソーラ電池、高効率高圧コンバーター調速装置及び風力発電などは上海市が今後重点的に取り組む新エネルギー関連製品とみなされ、重点的に開発する省エネ製品は、エネルギー低消耗変圧器、省エネ照明器具、小型蒸気タービン及び天然ガス利用エアコンなどが含まれている。

 新エネルギー産業と省エネ産業と関連のある新興の戦略的産業には、レーザー電子産業と新材料産業などがある。そのうち、レーザー電子産業分野において、上海は半導体照明と液晶ディスプレー、ノートパソコン、プラズマテレビなどを主としたディスプレー生産を推進することにしている。楽景彭氏は、2007年における上海のディスプレー総生産高は400億元に達し、上海市の工業総生産高の2%を占め、2010年におけるこの2つの指標は、それぞれ1500億元と5.4%になると予測している。新興の半導体照明分野では、上海ハイテクパークがすでに国の照明産業基地として位置づけられている。

 新興の戦略的産業の発展には、技術革新が不可欠である。上海市企業の昨年の特許出願件数は1.8万件で、全国の先頭に立っており、新産品生産高は1500億元、上海市の工業総生産高の14.5%を占め、国家クラスと市クラスの技術センターも129を数えるに至り、ハイテク産業の発展の強力な支えとなっている。
(04/9/30 チャイナネット)

■海外ニュース(10月―5)
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<輸送>
●Distributed Energy SystemsがSBIR Phase II契約を受注
Distributed Energy Systems Corp.は、高高度飛行船用の軽量再生式燃料電池技術の開発を継続する為のスモールビジネス革新研究(SBIR) Phase II契約を米国陸軍ミサイル防衛局(MDA)から受注したと発表した。総額749,999ドル(約8250万円)の2年契約のゴールは、出力数キロワットの水素−酸素閉鎖ループ再生式燃料電池の実証と同プロジェクトのPhase Iからの事業の継続である。再生式燃料電池は、機械的圧縮工程を用いることなく圧縮水素と酸素とを電気化学的に発生させる。MDAはミサイル防衛と本土防衛の為のセンサーや通信拠点として利用される高高度飛行船のエネルギー貯蔵技術に応用する計画である。
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=122665&p=irol-newsArticle&ID=617733&highlight=

<ポータブル/バックアップ電源>
●CCEFが通信デモンストレーションでProton Energyを支援
コネチカット・クリーンエネルギー基金は、コネチカット南西部の通信サイト向けに5キロワット再生型燃料電池(RFC)をデザイン、製作及び24ヶ月の実証を行う為に、Proton Energy Systems, Inc.に対し資金援助をすることで合意した。Proton社のUNIGENィ RFCシステムを使用する実証プロジェクトは、音声及びネットワーク機器のピーク時用エネルギー備蓄(ピークシェービング)と無停電電源(UPS)バックアップ発電システムを提供する。UNIGEN RFCシステムは、 オフピークの電力で水素燃料を製造することで局地グリッドの大混雑時間帯用のピークシェーバーとして機能する。システムは、また、サイトの特定の重要負荷に対する5キロワットバックアップ電源システムとしても機能する。
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=122665&p=irol-newsArticle&ID=619043&highlight=

<燃料/改質器/貯蔵>
●アジアのメーカーがHyRadix水素発生ユニットを選択
アジアのあるメーカーが、同社の水素需要を賄う為、Aptusェオンサイト水素発生ユニットの供給を受ける為、HyRadix, Inc. を指名した。プロジェクトの為に、HyRadix 社は3基のAptusユニットを供給する。ユニットは、天然ガスから100Nm3/hの高純度水素を発生させる。水素は、顧客の既存の石油水素化設備で使用される。
http://home.businesswire.com/portal/site/altavista/index.jsp?ndmViewId=news_view&newsId=20040927005919&newsLang=en

<その他>
●RPIが燃料電池と水素研究のための新規センターを開設
Rensselaer Polytechnic Institute (RPI)は、燃料電池及び水素研究のための新規センターを開設した。センター長は前Plug Power社CTOのグレン・アイズマンが務める。新規センターは、燃料電池開発、水素の発生・貯蔵・電気分解、固相及び高分子化学、ナノマテリアルの燃料電池及び水素研究への応用に焦点を当てる。
http://www.eng.rpi.edu/soe/research_center_details_URL.cfm?rcID=CFCHR

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