燃料電池ワールド (2003/12/18 10:30)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.121 2003/12/17発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆燃料電池バスに乗りましょう!(再掲)

 東京都は8月28日から、路線バスとして燃料電池バスを走らせています。このバスには、1乗車200円を払えば誰でも乗れます。このバスに多くの人が乗ることで、燃料電池バスに対する関心が高いことを示せます。それは、都市の大気汚染を早く解決して欲しいという世論の表れともなるでしょう。首都圏に住んでおられる方も、出張で東京に来られた方も、時間をやりくりして乗ってみませんか。路線や時刻の詳しい情報は以下のホームページで知ることができます。
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/community/news/new/topics01-287.htm

 なお、読者の方から以下のような詳しい情報をいただきましたのでご紹介します。

2路線あるうち今日はどちらの路線の投入されているかは当該時刻に停留所で待つか、掲載されている深川営業所に照会しないと判りません。また、整備やイベント出展等で営業運行中止の日もあります。

 そこで、ほぼリアルタイムで現在の走行状況を確認する方法がHPにあります。都交通局の公式HP http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/
→右上の「都営バス」のバナー をクリック
→「都営バスHP」 http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/bus/index.html→同HPの中のコンテンツ「運行情報」
→「ラッピングバス情報」→「商品企画選択」→ (燃料電池の「ね」)→「燃料電池バス」
以上の手順で、本日の運行系統と、ほぼ現時点の所在地(直近の通過場所と時刻)が表示されます。(入庫中等は「未走行」表示)
 外出中も携帯(iモード、Jスカイ、ezweb)からで
都バス運行情報  http://tobus.jp/ から
→「ラッピングバス」→「商品/企画」→「な行」→「ね」→「燃料電池バス」で、同様の検索が出来ます。

 私も時々チェックしていますが、当該時間帯にもかかわらず意外と「未走行」になっていることが多いようで、結構、点検・調整やら関係者へのお披露目やらで営業投入していないことも多いような気がします。また2系統が当該路線になっていますが、東16に入っている方が圧倒的に多いような気がします。

☆『燃料電池パワー』Vol.21の内容
【今週の燃料電池関連画像】 
☆エコプロダクツ2003より/計3枚(提供:沼崎英夫氏)
・日立製作所が新開発した炭化水素系電解質膜を使ったセル・スタックを並べたパネル型燃料電池(左)を背後に組み込んだパソコン(右)。その手前はDMFC用メタノール・カートリッジ試作品3種類(短・5cc入り、長・10cc入り、太・20cc入り)。
・こどもよりも大人に人気があった燃料電池モデルカーの太陽電池による水素の電解。
・日本ガス協会は「家庭用燃料電池」一本の展示。
【沼崎英夫/技術レポート】
◇第23回水素エネルギー協会大会研究発表要旨(1)
【燃料電池市民講座講演録】
◇『燃料電池自動車の曲がり角』高中公男氏(矢野経済研究所電子・システム産業調査本部研究員)・その2
※このメールマガジンは、より専門的な情報をPEM−DREAM会員に提供しています。サンプルは、http://www.pem-dream.com/conts.html

☆「遊んで作る燃料電池100円実験キット」と材料提供(再掲)

 日本中、どこでも誰でも、手軽に、安全に、安上がりに燃料電池の原理を実験できる「遊んで作る燃料電池100円実験キット」。このキットの材料と製作ストーリーを書いた資料をメールで無料で差し上げています。ご希望の方は、
info@pem-dream.com までお申し込み下さい。

 また、すでに資料を請求された方から、材料として使うLEDと電線が入手しにくいので対応できないかとの相談がありました。そこで、私たちが常備している中から、希望する方に提供することにしました。

 内容は、LED3個と電線20cmくらいを2本です。ご希望の方は、切手200円分(郵送料含む)を事務局までお送り下さい。折り返し郵送します。
・宛先 〒198−0032 東京都青梅市野上町4−3−4ベルドール河辺201
    燃料電池NPO法人PEM−DREAM

■PEM−DREAM EVENT
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☆来年1月の燃料電池市民講座
『荏原バラード社の事業展開』
ゲスト=荏原バラード社

 1998年、カナダのバラード・パワーシステムズ社と日本の荏原製作所は、燃料電池の事業展開のために、合弁会社「荏原バラード社」を誕生させた。それから5年、固体高分子形燃料電池モジュール「Nexa」を使った移動用電源製品「FCBox」が発売され、来年には家庭用燃料電池システムも発売されようとしている。2004年の幕開けに、燃料電池の扉を開いたバラード社の技術について、また、荏原バラード社の会社、事業、製品などを中心にお話しいただく予定です。当日は燃料電池モジュール「Nexa」も登場します。
荏原バラード社のホームページ  http://www.ebc.ebara.com/
○日 時 2004年1月24日(土)午後2時から
○場 所 株式会社守谷商会会議室(東京駅八重洲口から3分、地図をお送りします)
○参加費 2000円(PEM−DREAM会員は無料)
○申し込み方法 メールにて、「1月の燃料電池市民講座」と明記の上、氏名、連絡先、電話番号をご記入の上、お送り下さい。
 メール info@pem-dream.com 

■燃料電池関連イベント
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☆ガスエネルギー新聞
第1回「ソリューション・セミナー」
●テーマ1
「水素エネルギー利用」「燃料電池」の開発状況とその将来展望
●テーマ2
「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」の開発と事業化への取組み(東京ガス/大阪ガス)

◇開催日:大阪会場→2004年1月19日(月)
◇開催時間:14:00〜17:00
◇会 場:大阪会場→メルパルク大阪
◇講 師:大阪会場→テーマ1 小久見善八氏(京都大学大学院教授)

          テーマ2 本田国昭氏(大阪ガス株式会社理事 家庭用コージェネレーションプロジェクト部長)
◇受講料:1人20,000円(消費税込み)
◇定 員:大阪120名
◇申込締切:大阪 1月9日(金)
◇申し込み方法:http://www.gas-enenews.co.jp/seminar/index.html から申込用紙をダウンロードして、FAXで。
◇お問い合せ: ガスエネルギー新聞・事業部(担当:山本、福島)
TEL:03−3592−5797

☆SSKセミナー
平成16年の政策選択と開発第一線のビジョンは?
「家庭用燃料電池普及へのロードマップと戦略」
◇講師等:<1>モジュール化、燃料電池と政策選択    
     安藤 晴彦 氏

    (経済産業省 資源エネルギー庁 企画官[国際戦略・燃料電池担当])
     <2>燃料電池の最新開発動向について

        −いち早く全国展開した家庭用燃料電池の実証テスト状況ー
     池松 正樹 氏

    (新日本石油(株) 新エネルギー本部 FC事業部 事業部長)
◇日 時:2004年1月20日(火) 午後2時〜5時
◇会 場:明治記念館(東京都港区元赤坂2−2−23)
◇受講料:29,800円(消費税込)
◇主 催:株式会社 新社会システム総合研究所
http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_04009.html
◇問い合わせ・申し込み:
株式会社 新社会システム総合研究所
TEL 03−5532−8850
申込受付FAX 03−5532−8851
E-mail  info@ssk21.co.jp
または、上記HPから申し込みができます。

■PEM−DREAMニュース
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☆「エコプロダクツ2003」報告・全体の概要
「エコプロダクツ2003」に多数の燃料電池実機・模型・車両

 「エコプロダクツ2003」(NEDO、産業環境管理協会、日本経済新聞社主催)が12月11日〜13日に東京ビッグサイトで開かれた。

 環境指向製品・システム・サービス・団体活動の国内最大の総合展示会である同展は年ごとに盛況で、今年は環境改善の企業活動、製品をビジュアルに展示した企業がさらに増え、いまや「環境」が企業存立に不可欠の基盤となり、ビジネスとしても成功していることを反映していた。同展の特色であるNGO・NPO、大学・研究機関の出展が多数に上り、企業活動とは異なった研究・啓発・推進活動に貢献していることを示した。

 昨年末には世界に先駆けて燃料電池車のリース販売が始まり、会場には営業運転の燃料電池バスが発着するようになり、JHFCの水素ステーションが会場に隣接した有明をはじめ相次いで完成している。05年初頭には都市ガスによる家庭用燃料電池の導入が始まる。こうした状況を反映して燃料電池関係の展示は現実味を増し、入場者の関心も高かった。今年の入場者は11万4千人だった。(昨年実績:10万人)

 PEM−DREAMは「今、日本で買える燃料電池スタック」をテーマに、大同メタル工業製40W機、荏原バラードの「Nexa」、400W級中国製燃料電池の3機種を展示、それぞれを搭載して出場した8月の「ワールド・ソーラーカー・ラリー秋田」での信州大,玉川大、東京電機大3チームと、5月に同所(秋田県大潟村)で行われた「ワールド・エコノ・ムーブ」に出場したPEM−DREAMチームの写真を展示、中国製品の発電実演を行ったが、燃料電池関係の情報を求める来場者で賑わった。

 燃料電池関係の展示では、東京ガスがリース中のベンツの燃料電池車「F-Cell」と共同開発中の荏原バラードと松下電器の出力1kWクラスの家庭用燃料電池ユニット、松下電器、三洋電機が家庭用燃料電池ユニット、NECと日立製作所がPDA用ダイレクト・メタノール燃料電池、新日本石油がLPG改質1kW級家庭用燃料電池を参考出品した。

 特に日立は炭化水素系電解質の素材と新開発のDMFC用メタノール・カートリッジを展示して注目された。日本ガス協会は家庭用燃料電池一本に絞って展示とステージトークを行った。主催者企画で「燃料電池モデルカーレース」が初登場、燃料電池雪上車で極点をめざす「南極チャレンジ21」の番場健司氏(グリーン・エナージー・アドベンチャー)のトークと入場者自身が太陽光発電で水を電解して得た水素と酸素を使った燃料電池による模型車(ドイツ製)のミニレースが人気を呼んだ。(次号はPEM−DREAMブースの報告)

■WEB LINK NEWS
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03/12/03 太陽エネルギーを利用した水素燃料のクリーンな生成法(WIRED)

 マサチューセッツ大学ボストン校の化学者チームは、太陽光を利用した水素燃料生成プロセスの効率を2倍近くに高める方法を発見したと述べている。この大きな前進により、自動車業界が大きな期待をかけている水素燃料電池車の環境面に対する懸念が払拭される可能性もある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031203-00000001-wir-sci

03/12/03 生ごみで5000世帯分を発電 名古屋市の実験で試算(共同通信)

 発酵した生ごみからメタンガスを含む「バイオガス」を発生させ、燃料電池などを通じて発電する仕組みで、事業系生ごみを1日当たり約30キロ、家庭から出るごみを約60キロ処理したところ最大で5−6立方メートルのバイオガスが発生した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031203-00000248-kyodo-soci

03/12/04 東京ガスに燃料電池車納入 ダイムラー(共同通信)

 来年までに日本、ドイツ、米国、シンガポールの4カ国に60台を導入する計画で、今回が納入第1号。今後は日本でブリヂストン、米国で環境保護局(EPA)などへの納入が予定されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031204-00000138-kyodo-soci

03/12/05 大阪モーターショー開幕 新しい燃料電池自動車展示(共同通信)

 トヨタ自動車とホンダ、ダイハツ工業は、水しか排出せず環境負荷を低減する燃料電池自動車を出品。日本で来年発売される欧州の新型車なども見られる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031205-00000072-kyodo-bus_all

03/12/05 大王製紙進出予定地 水素エネルギー関連施設を提言−−国交省がビジョン/秋田(毎日新聞)

 同港湾事務所が示した「秋田のみなとビジョン」案によると、秋田港の産業面の将来像について、「県経済の発展を担う生産拠点港湾」と位置付け、「水素エネルギー関連産業、木材・食料コンビナート、リサイクル産業の導入を展望する」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031205-00000003-mai-l05

03/12/05 <エネルギー需給>人口減少など踏まえ「長期見通し」改定(毎日新聞)

 今回の改定は、需要面では少子高齢化や産業の空洞化、供給面では燃料電池などの新技術の影響という構造的変化を踏まえて検討するため、従来のように総合資源エネルギー調査会だけでなく、産構審との合同会議に諮問して、包括的なエネルギー政策の確立を目指すことにした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031206-00000033-mai-bus_all

03/12/08 日産が燃料電池車を市場投入、リース方式で限定販売(ロイター)

 昨年12月に国土交通省の大臣認定を受けた車両を走行面で改良。航続距離は、旧モデルから大幅に伸ばして350キロメートルとした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031208-00000369-reu-bus_all

03/12/09 <プレスリリース>東北大学など、ボールSAWセンサーを共同開発(毎日新聞)

 東北大学(山中一司教授)、凸版印刷(社長 足立直樹)、ボール・セミコンダクター・インコーポレイテッド(米国テキサス州アレン市、社長 石川 明)、山武(社長 佐藤良晴)は、ボールSAWデバイスとそのガスセンサー応用の共同開発で合意し、第一弾として、燃料電池の実用化に必須の水素センサーの開発に着手します。(SAW:surface acoustic wave 弾性表面波)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031209-00000012-mai-ind

03/12/09 騒音を減らせ!ヨーロッパ全域で騒音を地図化するプロジェクト(WIRED)

 パリ発──「静かにしてくれ!」。ヨーロッパ中でこうした声が高まっていることを受け、各都市は、疲れ知らずのコンピューターの力と、大勢の人の力を結集させ、騒音に対する新たな闘いに乗り出した。騒音は、長い間放置されているが、苦情が寄せられることの多い公害だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031209-00000006-wir-sci

03/12/11 日立、次世代携帯電源用メタノール燃料電池でカートリッジ式試作(日刊工業新聞)

 今後、同社は燃料補給機構について、ライターメーカーの東海(川尻英次郎社長)と共同開発し、携帯機器用の直接型メタノール燃料電池の商品化を目指す。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031211-00000022-nkn-ind

03/12/11 神鋼、次世代燃料電池車向け水素圧縮機を開発(時事通信)

 神戸製鋼所は11日、燃料電池自動車に充てんする水素ガスを、約1000気圧まで圧縮できる超高圧圧縮機を世界で初めて開発したと発表した。次世代燃料電池車への供給を想定したもので、満タンで300キロ程度にとどまる走行距離を倍増させることが可能としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031211-00000131-jij-biz

03/12/15 <雑記帳>ベンチャー企業が水素ガス車を開発(毎日新聞)

 鹿児島市のベンチャー企業「水素エネルギー開発研究所」が水素ガスで走る車を開発した。既存の車を改造したもので、市販化に向けて準備を進めている。エンジンでガソリンの代わりに水素を燃やす際、水蒸気を発生させて蒸気機関のようにピストンを動かす。性能もガソリン車に匹敵するという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031216-00002080-mai-soci

03/12/16 三洋電機、可変速ファンモーター駆動ICを開発(日刊工業新聞)

 空冷ファンだけでなく、冷却水ポンプの可変速制御にも対応できるもので、燃料電池用送燃・送気ポンプメーカーなどにも売り込みをかける。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031216-00000016-nkn-ind

■ニュース短信
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●ホンダ、新型スタック車で箱根駅伝先導

 本田技研工業は12月10日、04年1月2日、3日の両日、東京〜箱根間で行われる「第80回東京箱根間往復大学駅伝競走」に協賛して次世代燃料電池スタック「Honda FC STACK」を搭載した燃料電池車「FCX」1台を大会本部車に提供する、と発表した。トップランナーの前走の先導車に使われる予定。氷点下20℃での発電が可能な次世代スタックを搭載した「FCX」は、9月24日に国土交通大臣の認定を取得して公道上で走行試験を続けているが、厳寒期の箱根路で性能が試されることになる。ホンダは「FCX」のほか、出場20大学チームのサポートをする運営管理車に20台の新型ミニバン「オデッセイLタイプ」、その他大会用車両を提供する。新型スタックは新素材の炭化水素系電解質膜、金属セパレーター、新しい構造の採用により、低温始動性などの性能を向上させたほか、部品点数を現行品の約半分に削減し、量産性、リサイクル性などを視野に置いた次世代製品。

●日産も燃料電池車を限定リース販売

 日産自動車は12月8日、11月25日に国土交通大臣認定を取得した燃料電池車「X-TRAIL FCV」03年モデルの限定リース販売を始めた、と発表した。昨年12月末に限定リースを始めたトヨタ、ホンダに次ぐもので、同社の当初予定を2年間前倒しての商品化である。搭載している燃料電池スタックは UTC Fuel Cells 社(アメリカ)製で、自社開発品を搭載しているGMとトヨタ以外は、乗用車系の燃料電池車はバラード社(カナダ)製が占めている中で UTC・FC 製は初めて。同社は02年12月に国土交通大臣認定を取得した「X TRAIL」で公道試験を続けてきたが、03年モデルは02年モデルに比べて、燃料電池出力、モーター出力、バッテリー容量、航続距離、最高速度が大幅に向上している。特に新開発の「コンパクト・リチウムイオン」電池は、02年型のリチウム・イオン電池が円筒型セルであったのに対して薄型ラミネート型セルで大容量化と室内のスペース効率の向上に寄与している。主な仕様は次の通り(カッコ内は02年モデル)
全長・全幅・全高:4485mm×1770mm×1800mm(4465mm×1765mm×1796mm)、乗員:5人(同)、最高速度:145kW(125kW)、航続距離:350km(200km)以上、パワートレーン:減速機一体型同軸モーター(同)、モーター最高出力:85kW(58kW)、燃料電池最高出力:63kW(54kW)、高圧水素圧力:35MPa(同)

●日立がDMFC用メタノール・カートリッジ

 日立製作所は12月10日、ダイレクト・メタノール燃料電池用の補給燃料容器をカートリッジ方式で100円ライター大手の(株)東海(東京・渋谷)と共同開発した、と発表した。日立は燃料電池用の高活性電極触媒、MEA(膜/電極接合体)の開発に取り組み、成果を挙げてきた。携帯電話、PDAなどのポータブルIT機器のユビキタス電源として現在普及しているリチウム・イオン・バッテリーの2〜3倍の持続時間が期待されるDMFCの電解質膜の性能向上によってメタノール濃度を高めることに成功した。両社が開発したカートリッジは直径約1cm、長さ約5cmの単3電池大の補給カートリッジで濃度20%のメタノールが50cc入る。日立はメタノールの補給にはカートリッジ方式を採用することとし、日立が基本設計、可燃物の高信頼性・低コストのライター生産のノウハウを持つ東海が実用設計を担当して量産化を目指す。日立は「エコプロダクツ2003」にメタノール・カートリッジとDMFC組み込みのPDAの試作品を参考出品した。

●玉川大、燃料電池/太陽電池ハイブリッド車で豪大陸横断に挑戦

 玉川大学ソーラーカー・チーム(小原宏之監督)は12月19日、西オーストラリア州の州都パースをスタート、オーストラリア大陸を東進してシドニーに向かう。

 同チームは隔年開催されているオーストラリア縦断のソーラーカーレース「WorldSolar Callenge」(ダーウイン〜アデレード間3050km)に99年、01年に出場、今年はソーラーカーのほかハイブリッド車部門に出場する予定であった。8月1日〜3日に行われた「ワールド・ソーラーカー・ラリー秋田」(秋田県南秋田郡大潟村)にハイブリッド車が太陽電池出力をカットして燃料電池車部門に出場したが、DC/DCコンバーターの不具合で2位に終わった。ソーラーカーも太陽電池モジュールの防水の劣化で修復が間に合わず、WSCへの出場を中止した。今年はWSCの創始者である Hans Tholstrup がソーラーカー「Quiet Achiever」号でパース〜シドニー間4052kmを20日間で単独走破して太陽エネルギーの可能性を実証して20周年に当り、同氏が「21世紀の新エネルギー燃料電池で挑戦を」と玉川大チームにアピール、オーストラリアでの燃料電池車による公道走行の許可、高圧水素の補給の手配を約束して実現したもの。挑戦する「Apollondiene」号は全長4m、全幅1.5m、全高1m、重量280kg、荏原バラードが大学・研究機関を対象に今年始めた「ユニバーシティー・プログラム」第1号で今春90万円で入手した Nexa と付属品を搭載している。設計最高速度110km/h、平均時速70km/hで毎日8時間半走行で、雨天、夜間は燃料電池で走行を続け、デュアル・ヘッドライトも点灯する。7日間の目標で27日にシドニーに到着する予定。15日から現地発のレポートを逐次、ホームページ(http://tamagawa.jp/news/shc.htm)に載せる予定。「エコプロダクツ2003」開幕の12月11日付け日本経済新聞に、リコーが省エネ・クリーン・オフィス機器を謳ったキャパシタ蓄電の複合機能複写機の出品の告知広告(全頁)のコピーにソルストラップ氏のポートレートと玉川大のハイブリッド車が掲載された。

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