燃料電池ワールド (2003/12/03 14:30)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.120 2003/12/03発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆「エコプロダクツ2003」に出展します

 12月11日(木)〜13日(土)に、東京ビッグサイトで開催される「エコプロダクツ2003」に出展します。小間番号は「Nー50」です。PEM−DREAMのテーマは、「今、日本で買える燃料電池スタック」。燃料電池のコストは一体幾らくらいしているのか、実物を展示しながら理解していただこうと考えました。荏原バラードの「Nexa」、AGVシステム研究所の400W級中国製燃料電池、大同メタル製の60W級パッシブ型燃料電池が揃います。ぜひお出かけください。
 
☆燃料電池バスに乗りましょう!(再掲)

 東京都は8月28日から、路線バスとして燃料電池バスを走らせています。このバスには、1乗車200円を払えば誰でも乗れます。このバスに多くの人が乗ることで、燃料電池バスに対する関心が高いことを示せます。それは、都市の大気汚染を早く解決して欲しいという世論の表れともなるでしょう。首都圏に住んでおられる方も、出張で東京に来られた方も、時間をやりくりして乗ってみませんか。路線や時刻の詳しい情報は以下のホームページで知ることができます。
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/community/news/new/topics01-287.htm

 なお、読者の方から以下のような詳しい情報をいただきましたのでご紹介します。

2路線あるうち今日はどちらの路線の投入されているかは当該時刻に停留所で待つか、掲載されている深川営業所に照会しないと判りません。また、整備やイベント出展等で営業運行中止の日もあります。

 そこで、ほぼリアルタイムで現在の走行状況を確認する方法がHPにあります。都交通局の公式HP http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/
→右上の「都営バス」のバナー をクリック
→「都営バスHP」 http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/bus/index.html→同HPの中のコンテンツ「運行情報」
→「ラッピングバス情報」→「商品企画選択」→ (燃料電池の「ね」)→「燃料電池バス」
以上の手順で、本日の運行系統と、ほぼ現時点の所在地(直近の通過場所と時刻)が表示されます。(入庫中等は「未走行」表示)
 外出中も携帯(iモード、Jスカイ、ezweb)からで
都バス運行情報  http://tobus.jp/ から
→「ラッピングバス」→「商品/企画」→「な行」→「ね」→「燃料電池バス」で、同様の検索が出来ます。

 私も時々チェックしていますが、当該時間帯にもかかわらず意外と「未走行」になっていることが多いようで、結構、点検・調整やら関係者へのお披露目やらで営業投入していないことも多いような気がします。また2系統が当該路線になっていますが、東16に入っている方が圧倒的に多いような気がします。

☆『燃料電池パワー』Vol.20の内容
【今週の燃料電池関連画像】 
・東京モーターショーより/ヤマハの燃料電池スクーター「FC06」。斜め前と横から見たボディ、バックミラーの変わりにモニターが着いたハンドルのメーター機器、燃料電池システムの収納部の拡大写真など計5枚。(提供:ヤマハ、沼崎英夫氏)【沼崎英夫/技術レポート】
◇資料紹介・「燃料電池ビジネスの本命“住宅市場”を狙え!」(日刊工業新聞社刊)【燃料電池市民講座講演録】
◇『燃料電池自動車の曲がり角』高中公男氏(矢野経済研究所電子・システム産業調査本部研究員)・その1
※このメールマガジンは、より専門的な情報をPEM−DREAM会員に提供しています。サンプルは、http://www.pem-dream.com/conts.html

☆「遊んで作る燃料電池100円実験キット」と材料提供(再掲)

 日本中、どこでも誰でも、手軽に、安全に、安上がりに燃料電池の原理を実験できる「遊んで作る燃料電池100円実験キット」。このキットの材料と製作ストーリーを書いた資料をメールで無料で差し上げています。ご希望の方は、
info@pem-dream.com までお申し込み下さい。

 また、すでに資料を請求された方から、材料として使うLEDと電線が入手しにくいので対応できないかとの相談がありました。そこで、私たちが常備している中から、希望する方に提供することにしました。

 内容は、LED3個と電線20cmくらいを2本です。ご希望の方は、切手200円分(郵送料含む)を事務局までお送り下さい。折り返し郵送します。
・宛先 〒198−0032 東京都青梅市野上町4−3−4ベルドール河辺201
    燃料電池NPO法人PEM−DREAM

■PEM−DREAM EVENT
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☆来年1月の燃料電池市民講座
『荏原バラード社の事業展開』
ゲスト=荏原バラード社

 1998年、カナダのバラード・パワーシステムズ社と日本の荏原製作所は、燃料電池の事業展開のために、合弁会社「荏原バラード社」を誕生させた。それから5年、固体高分子形燃料電池モジュール「Nexa」を使った移動用電源製品「FCBox」が発売され、来年には家庭用燃料電池システムも発売されようとしている。2004年の幕開けに、燃料電池の扉を開いたバラード社の技術について、また、荏原バラード社の会社、事業、製品などを中心にお話しいただく予定です。当日は燃料電池モジュール「Nexa」も登場します。
荏原バラード社のホームページ  http://www.ebc.ebara.com/
○日 時 2004年1月24日(土)午後2時から
○場 所 株式会社守谷商会会議室(東京駅八重洲口から3分、地図をお送りします)
○参加費 2000円(PEM−DREAM会員は無料)
○申し込み方法 メールにて、「1月の燃料電池市民講座」と明記の上、氏名、連絡先、電話番号をご記入の上、お送り下さい。
 メール info@pem-dream.com 

■燃料電池関連イベント
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☆ガスエネルギー新聞
第1回「ソリューション・セミナー」
●テーマ1
「水素エネルギー利用」「燃料電池」の開発状況とその将来展望
●テーマ2
「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」の開発と事業化への取組み(東京ガス/大阪ガス)

◇開催日:東京会場→12月10日(水)、大阪会場→2004年1月19日(月)
◇開催時間:東京、大阪ともに14:00〜17:00
◇会 場:東京会場→世界貿易センタービル38F スカイホール
大阪会場→メルパルク大阪
◇講 師:東京会場→テーマ1 柏木孝夫氏(東京農工大学大学院教授)

          テーマ2 前田忠昭氏(東京ガス株式会社 常務執行役員 R&D本部長)

     大阪会場→テーマ1 小久見善八氏(京都大学大学院教授)

          テーマ2 本田国昭氏(大阪ガス株式会社理事 家庭用コージェネレーションプロジェクト部長)
◇受講料:1人20,000円(消費税込み)
◇定 員:東京150名、大阪120名
◇申込締切:東京 11月28日(金)、大阪 1月9日(金)
◇申し込み方法:http://www.gas-enenews.co.jp/seminar/index.html から申込用紙をダウンロードして、FAXで。
◇お問い合せ: ガスエネルギー新聞・事業部(担当:山本、福島)
TEL:03−3592−5797

■PEM−DREAMニュース
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☆介護と燃料電池

 先日、「社会福祉士及び介護福祉士法」制定15周年記念の集会があった。私は、社団法人日本介護福祉士会の事務局に勤めだしたので、その裏方を手伝った。法律制定にかかわったいろいろな方が講演されて、それを聞いた私は日本の介護の歴史をおおまかに知ることができた。

 読者の多くの方は、介護という言葉は知っていても、介護福祉士の存在は知らないだろう。もし、知っているとすれば、その方は介護の問題に直面しているからに違いないと思う。燃料電池に関係している方々は、現在、かなり忙しい部類に入るので、ご家庭や親戚などで介護の問題にかかわらなければ、介護福祉士という言葉を聞いたこともないだろう。これは、燃料電池という言葉がまだまだ知られていないのと同じことのようだ。

 15年前、いやもっと以前から、日本の老人に対する社会福祉はひどい状態だった。「寝たきり老人」「寝かせきり老人」という言葉が象徴するように、何らかの障害を持った高齢者は、病院に入りっきりになるか、あるいは家庭で主に女性の労力に頼った閉じこもり状態に置かれていた。悲劇も数多く生まれた(今も起きているのだが)。しかし、人口構成は急激に変わり、高齢化が進展し出すと、極めて大きな社会問題になりかけた。国は対応を変え、高齢者に対する「措置」ではなく、高齢者が介護サービスを選択する制度をめざした。その延長が介護保険となったのである。

 当日聞いた話によれば、福祉分野における専門職種というのは、昭和40年代からの大きな懸案で、関係者の悲願だったという。いろいろな利害関係で何度もつぶされ、1987年(昭和62年)に社会福祉士、介護福祉士という形で誕生した。介護福祉士は介護の専門職として、名称独占の国家資格となった。名称独占というのは、介護福祉士でなければ介護の仕事ができないのではなくて、介護福祉士という名称を名乗れないということである。だから、介護の現場では、ホームヘルパーと介護福祉士がごっちゃになって理解されている。

 当初は高齢者の身体介護が中心だったものが、専門職が生まれ、介護保険が施行されるに従って範囲が広がり、今では高齢者の痴呆、知的障害、いろいろな身体障害などの分野まで対象となってきている。介護の概念が変容しつつあるようだ。戦後のベビーブーム、団塊の世代が高齢者になる2015年までに、介護の体制を整えないと大変なことになるからだ。介護福祉士は現在35万人、毎年5万人ずつ増えており、この数字からも介護は巨大な産業となることがわかる。

 ひるがえって燃料電池を考えてみるとき、幾つかの共通点に気がつく。社会福祉を大気汚染、エネルギーという言葉に置き換えてみよう。それまでの体制が閉塞状態に陥っていたとき、燃料電池が転換点を作ったと言えないだろうか。エネルギーの「措置」=大規模集中型から自由化・分散型への転換、当初の対象であった身体介護=宇宙船あるいは自動車から、家庭用、携帯用への広がり、そして人間社会のニーズが創りだす新しい産業というような面で似たものを感じる。これはどうしてなのだろうか。

 燃料電池、燃料電池といっている我々も、いずれ自分の介護の問題に直面する。燃料電池に関係している多くの方は、日本の高齢化が頂点に達する2025年前後までにそうなるだろう。日本では高齢社会に加えて少子社会というおまけまでついてくる。その時に燃料電池は社会の入口に立っていることを望んでいるが、定着していくのは高齢社会の大波を越えた後になることが予想される。まあ、その時私は多分存在していないことも予想されるのだが、果たしてどうだろう。

■WEB LINK NEWS
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03/11/26 市長の権限を強化へ 県青少年保護条例運用で合意−−三首長懇/神奈川(毎日新聞)

 三首長会談の前には、川崎市が環境省から借りた燃料電池車がお披露目され、松沢知事、中田横浜市長が試乗し会場周辺を走った。松沢知事は「車高が少し高い。走りはスムーズですね」と満足そうだった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031126-00000003-mai-l14

03/12/01 『セグウェイ』にライバル出現?一輪で走行する『エンブリオ』(上)(WIRED)

 スポーティなオートバイに似ていると言えなくもない外観のエンブリオ(写真)は、一輪構造で、電気、および水素を使った燃料電池を用いて、障害物を避けながら身軽に走行する。直立体勢を保つのはジャイロスコープを組み合わせたシステムだ。スタンバイモードでは、ジェット機の着陸用車輪のような2つの補助輪によって縦方向の安定性を増す。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031201-00000001-wir-sci

03/12/02 『セグウェイ』にライバル出現?一輪で走行する『エンブリオ』(下)(WIRED)

 もっと明確な障壁になるのは、燃料電池に関するテクノロジーかもしれない。ウォードル氏の知る限り、最もコンパクトな燃料電池でも、自動車に乗せられる程度の大きさだという。とはいえ、これについても他の選択肢はある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031202-00000007-wir-sci

03/12/03 福岡に「燃料電池特区」 市が国に提案 九大研究の規制緩和要請(西日本新聞)

 提案によると、九大研究グループは大学院工学研究院長の村上敬宜(ゆきたか)教授(60)らで、水素ガスの燃焼実験や超高圧水素タンクの強度調査、「水素ガスステーション」の設置などを研究。二〇〇五年ごろに同市西区の元岡新キャンパスに設置予定の「水素利用技術センター」が拠点となる。九大グループは、同研究で西部ガス(本社・福岡市)とも技術提携している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031203-00000018-nnp-kyu

■海外ニュース(11月ー3)
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<輸送>
●クオンタムが陸軍と契約を締結(2003/10/04)

 クオンタム・フュエルシステム・テクノロジーズ・ワールドワイド社は、高性能で、水素燃料電池を動力とする軽荷重の特殊車両を開発し、実証するために、米陸軍TARDEC-NAC(戦車自動車兵器部隊の国立自動車センター)から契約を与えられた。クオンタム社は、シャーシとボディを開発し、燃料電池モジュールの統合、電動システムの設計、水素燃料貯蔵と配送システムの設計、そして運用とメンテナンス文書の開発を行う。
http://www.qtww.com/press_releases/pr_oct_08_2003.shtml

<定置用電源>
●炭坑の燃料電池が開所(2003/10/22)

 フュエルセル・エナジー社は、オハイオ州ホープデールにあるAPEオハイオ炭坑LLCローズ・バレー・サイトの式典で、同社のメタンガスで作動する DirectFuelCell(TM)パワープラントを開所させた。米国エネルギー省の国立エネルギー研究所から資金を提供されているこのプロジェクトの目的は、電気をきれいに効率よく発電するために、炭坑から出るメタンガスの実現可能性と優位性を実証することである。
http://energyinfosource.com/dg/news.cfm?id=20341

<燃料・改質器・貯蔵>
●スチュアート・エナジー、スタットクラフトとEHNは再生可能な水素で提携する

 スチュアート・エナジー社、スタットクラフト社とスペインのEHN社は、水素の生産と流通に基礎を置く先進的な再生可能エネルギーの評価と実証、そして開発する体制を確立する共同契約に署名した。スタットクラフト社とEHN社は両社とも、スチュアート・エナジー社のHES水素生産モジュールを購入しており、輸送と風力発電による水素生産を実証するためのサイトを積極的に評価している。
http://www.stuartenergy.com/media_center/press_releases/press_oct9.html

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■燃料電池ワールド
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 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

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