□燃料電池ワールド
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■Vol.066 2002/10/09発行
◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM
■お知らせ
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◇10月の燃料電池市民講座「鶴見の水素ステーション見学」の受付終了
11月2日の鶴見の水素ステーション見学は希望者が大変多く、30名を超えてしまいました。これ以上増やすと当日の進行に支障をきたすことも予想されますので、このメルマガの発送をもって受付を終了いたしますのでご了承下さい。
◇11月の燃料電池市民講座――大同メタル工業株式会社の燃料電池事業〜技術と背景
2000年11月15日、大同メタル工業株式会社は、米国の燃料電池ベンチャー企業 Enable 社の親会社であるDCH社( DCH Technology )と折半出資の合弁企業ニューウェーブ社を設立した。燃料電池とは畑違いの大同メタル工業は、なぜこうした事業展開を選んだのか。また、Enable 社のPEM型燃料電池は、セパレーターを使わないセル構造を持つ「パッシブ型」と呼ばれる燃料電池である。PEM−DREAMが販売している組み立てキットは、このミニ版であるが、この技術はどういうものか等々、さまざまな話題を大同メタル工業様にお話ししていただきます。
なお、今回から会場が株式会社守谷商会様に変わります。これまで会場を提供して下さった岩谷産業株式会社様に、この場を借りて御礼申し上げます。
○日 時 11月30日(土)午後2時から
○場 所 株式会社守谷商会(東京駅八重洲口から3分、地図をお送りします)
○参加費 会員は無料。非会員は2000円。
○申し込み方法 メールまたはFAXにて、「11月の燃料電池市民講座」と明記の上、氏名、連絡先、電話番号をご記入の上、お送り下さい。
メール info@pem-dream.com FAX 03-5408-3252
◇「環境博覧会すぎなみ2002」のボランティア募集
10月19日(土)20日(日)に行われる「環境博覧会すぎなみ2002」では、PEM−DREAMは燃料電池体験教室などを行います。当日、会場でサポートして下さるボランティアを募集しています。ご協力いただける方はメールでご連絡下さい。info@pem-dream.com
会場:高井戸地域区民センターおよびセンター前広場(京王電鉄井の頭線高井戸駅前)
◇「遊んで作る燃料電池100円実験キット」と材料提供(再掲)
日本中、どこでも誰でも、手軽に、安全に、安上がりに燃料電池の原理を実験できる「遊んで作る燃料電池100円実験キット」。このキットの材料と製作ストーリーを書いた資料をメールで無料で差し上げています。ご希望の方は、
info@pem-dream.com までお申し込み下さい。
また、すでに資料を請求された方から、材料として使うLEDと電線が入手しにくいので対応できないかとの相談がありました。そこで、私たちが常備している中から、希望する方に提供することにしました。
内容は、LED3個と電線20cmくらいを2本です。ご希望の方は、切手200円分(郵送料含む)を事務局までお送り下さい。折り返し郵送します。
・宛先 〒105−0004 東京都港区新橋4ー28ー3 新正堂ビル2階
燃料電池NPO法人PEM−DREAM
◇企業のプレスリリース
燃料電池をめぐるホンダと丸紅のプレスリリースを掲載します。
------------------------------------------------------------------------2002年10月8日 本田技研工業株式会社
世界で初めて燃料電池乗用車販売に関して基本合意
〜アメリカン・ホンダモーターと米国ロスアンゼルス市〜
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Hondaの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーター(本社:カリフォルニア州トーランス、社長:雨宮 高一)は、米国西部時間2002年10月7日午前8時(日本時間10月8日午前0時)に以下を発表いたしましたので、その内容をご案内致します。
アメリカン・ホンダモーターとロスアンゼルス市は、世界で初めて燃料電池乗用車の販売について基本合意した。これによりロスアンゼルス市は米国における燃料電池車の最初の顧客となる。
両者はHondaの燃料電池車「FCX」5台のリース販売に合意した。最初の1台は年内の納車を予定している。また、「FCX」のプロトタイプを使用して、市職員への研修が行われる。水素の供給方法については、今後検討を進めていく。
燃料電池車「FCX」は、7月に米国環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)とカリフォルニア大気資源局(California Air Resource Board:CARB)の認定を燃料電池車として世界で初めて取得したが、今回の合意により実用化の段階に入った。
「ロスアンゼルス市の大気は、昨今の環境新技術の採用などによって着実にきれいになっている。水素を燃料とした燃料電池車は、将来のクリーンなクルマとしての大きな可能性があり、ロスアンゼルス市がこの技術の開発や早期実用化に積極的に関わるのは大変重要なことだ。」とロスアンゼルス市長ジェームス・K・ハーン氏は語った。
「Hondaの燃料電池車は、もう実用化の段階に入った。リアルワールドにおいてロスアンゼルス市に先進の燃料電池車を使用していただくことにより顧客の意見を取り入れた車両の評価を行うことが可能となる。また、水素を燃料とする車両に必要な燃料供給インフラの開発にも役立つことになる。」とアメリカン・ホンダモーターのエグゼキュティブ・バイスプレジデントのトム・エリオットは語った。
Hondaは、カリフォルニアフューエルセルパートナーシップや日本での国土交通省大臣認定による公道テストなどにおいて、走行データの蓄積を行ないながら燃料電池車の開発を進めてきた。今回のロスアンゼルス市との合意によって、燃料電池車の本格的な市場導入にむけ、実際の使用における車両や顧客からの情報収集や、燃料電池車の普及に必要な水素供給設備のより進んだ研究が可能となった。
<FCX 主要諸元> 乗車定員 4名
最高速度 150km/h
モーター 最高出力 60kW(82PS)
最大駆動トルク 272N・m
種 類 交流同期電動機(ホンダ製)
燃料電池スタック 形式 PEFC(固体高分子膜型)(バラード社製)出 力 78kW
燃 料 種類 圧縮水素ガス
貯蔵方式 高圧水素タンク(350気圧)
容 量 156.6L
寸 法(全長×全幅×全高mm)
4165×1760×1645
エネルギー貯蔵 ウルトラキャパシター(ホンダ製)
航続距離 355km
------------------------------------------------------------------------2002年9月20日 丸紅株式会社
米プラグ・パワー社製固形高分子型燃料電池発電装置の販売代理店契約を締結------------------------------------------------------------------------
丸紅(株)はこのたび、米国ジーイーパワーシステムズ(GE POWER SYSTEMS)社傘下のGEフューエルセルシステム社(GE Fuel Cell Systems, LLC(以下 GEFCS))との間で固体高分子型燃料電池発電装置の販売代理店契約を締結し、日本における同発電装置の販売・アフターサービスの実施に関する権利を取得しました。
この燃料電池発電装置は米プラグパワー社(Plug Power、本社ニューヨーク州、以下P.P)製で、GEFCSは北米4州を除く世界主要国での同発電装置の販売権を独占取得しています。また、GEグループではP.Pに一部資本参加しています。
GEFCS・P.P製の燃料電池発電装置は、他競合機種に比べて実際のフィールドでの運転時間が試験機段階で約95万時間以上と長いことが特徴です。またGEの世界的販売網を生かすことにより圧倒的な販売量が今後見込まれ、将来の飛躍的なコストダウンが期待できます。
GEFCS・P.Pは米国・欧州では当面4.5kw〜5kw(天然ガス・都市ガス、60Hz仕様)クラスの家庭用に重点を置いて開発中で、コジェネレーション(熱電併給)機種については、実績豊富な西独メーカーのVaillant社と提携しています。将来的には、最大100kwクラスまでの開発を視野に入れています。
日本では現在試験機の製作段階ですが、既に5kwのコジェネタイプを1台設置済です。商用機は2004年頃より発売の見込みで、販売先としては、外食チェーン、スポーツ・レジャー施設、福祉施設、ガソリンスタンド、クリーニング施設、大学・学校等の研究施設、諸コンピュータ施設などが対象となります。またマンションデベロッパー・住宅メーカーと共同で、集合住宅・戸建て住宅への組込みも図っていきます。丸紅は、国内大手電機メーカーに技術面のサポートを得る考えで、販売前後のプレ・アフターサービスを依頼しており、販売面でも同メーカーの協力を得る方針です。
■PEM−DREAMニュース
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◇会員と非会員についての説明
当初の予定では、ここには今日の午前中に開かれた「水素エネルギー技術審議委員会」の傍聴報告を載せるつもりだった。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のメルマガをみて申し込んだが、希望者多数のため抽選で漏れてしまった。
ネタがなくなったのでパスしようかなと考えたが、最近、市民講座の参加費をめぐ?
て「会員、非会員」と表示していることについての質問が多々来ているので、この際、購読者の皆さまにご説明したいと考えた。本来のニュースとは違うので、関心のない方は飛ばして下さい。
市民講座で表示している会員とは、PEMーDREAMの会員のことで、メルマガの購読者を指しているのではありません。メルマガの購読は無料であり、どなたでも購読できます。経済的基盤が貧弱なNPO法人であるPEM−DREAMは、発行当初、もし有料で発行できて読者が増えたらという捕らぬ狸の何とかという誘惑にも駆られましたが、燃料電池の情報を普及するという使命を優先させて無料としました。
市民講座は今年、読者の方と交流していくなかで生まれた事業です。難問であった会場も岩谷産業株式会社様のご厚意により提供していただき、ゲストの方にはボランティアでご協力していただいています。会場は11月からは株式会社守谷商会様に移りますが、これはご厚意の負担を1社にかけすぎないようにするためです。
PEM−DREAMの会員からは、こうした活動の経済的基盤を支えていただくために年会費をいただいています。そのためのインセンティブとして、会員サービスを充実させたいと考えています。会員の方は市民講座の参加費が無料というのは、初めて明確な形で作れた会員サービスです。その他には、問い合わせに対する回答とか、資料の貸し出しなどしか行っておりません。サービス内容で会員を増やすというのは有力な方法だと思いますが、経済的基盤との関係でできることから広げていきたいと思います。資本を先に投下する企業とは違って、サービスの少ない中で会員を増やすというニワトリか卵かのジレンマにあるのが今のPEM−DREAMです。
もうひとつの問題は、PEM−DREAMの活動は地域的に限定したくないのですが、実際は地域的な偏りが起きてしまいます。市民講座への参加もそうなので、市民講座の内容を冊子にして頒布することにしました。この際にも会員の方と非会員の方とでは、価格に差をつけたいと思います。また、来月からは、大同メタルの燃料電池組み立てキットにも会員価格を設定します。
PEM−DREAMは当初、会員の考え方について明確ではありませんでした。今は「会員とは、PEM−DREAMの使命・活動に賛同して、経済的基盤を支えて下さる人」としています。現在、会員の種類は3種類あり、学生会員(年会費3000円)、情報会員(年会費1万円)、正会員(年会費3万円)です。正会員は、NPO法によりPEM−DREAMの総会の議決権を持ち、運営に参加することができます。その他は違いがありません。法人会員については検討中です。
読者の皆さまからも、会員になって支援して下さる方が増えますことをお願いします。
■イベント紹介
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☆燃料電池発電を想定したエコエネルーギーステーションのプレゼン(再掲)
コンビニエンスストアなどのチェーンストア建築デザイン、アイデンティティー企画開発を行っている(株)ケノスは、「IPEC21〜健康な環境II インテリアからの発信」(インテリアのプロと企業をつなぐ国際展示会とセミナー)で、建築デザインから考えた燃料電池ステーションの展示を行う。関心のある方は、小林清泰さんをお訪ねください。
○会 期 10月9日(水)〜11日(金)
○会 場 東京ビッグサイト ゾーンF−437ブース
○主 催 JIPA日本インテリアプランナー協会協議会
○入場料 一般1000円
尚、御希望の方には招待券をお送りいたしますので、下記メールアドレスまで送付先と必要枚数を御記入の上お申し込み下さい。eメール:kenos@kenos.co.jp
☆PEM−DREAMが参加するイベント(再掲)
・10月19日(土)20日(日)
環境博覧会すぎなみ2002
会場:高井戸地域区民センターおよびセンター前広場
参加自由です。もうすぐ、杉並区のHPに案内が載ります。
・10月24日(木)
都市基盤整備公団総合研究所技術センター特別公開
場所:東京都八王子市石川町2683−1
参加自由です。詳しくは下記のHPで。
http://www.udc.go.jp/research/
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○燃料電池市民講座 http://www.pem-dream.com/citizen.html
○EVENT INFORMATION http://www.pem-dream.com/event.html
○燃料電池マイ・レポート http://pem-dream.com/report.html
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■世界のニュース〈10月)
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<輸送>
●ボーイングがFC推進システムを設計
ボーイング社は、米国国防総省高等研究計画局(DARPA)と契約を交わし、新しい無人偵察機(UAV)向けに燃料電池駆動の推進システムを設計している。この契約は、およそ30万ドルに相当する。
<定置型電源>
●HARCとエンタージーがTXグリッドに燃料電池を接続
ヒューストン先進技術調査センター(HARC)は、5kWの陽子交換膜(PEM)型燃料電池システムを米国テキサス州の配電網に接続する事に成功した。このユニットは、住宅向けサイズではテキサスで初めて電力供給網に接続できたユニットである。
<携帯・予備電源>
●スマート・フュエル・セルが商品を披露
スマート・フュエル・セル社は、携帯型の独立したメタノール駆動燃料電池の初めての商品販売を開始した。SFC 25.2500 Rと呼ばれるこのシステムは、連続して25Wを出力し、ピーク時には80Wまで達する。交換可能な2.5リットルのメタノール・カートリッジは、2500Whの電気エネルギーを発生する。
<燃料・改質器・貯蔵>
●DOEがDTEエナジーを水素パワー・パーク・プロジェクトに選出
DOE(米国エネルギー省)はDTEエナジー社を、3カ年の水素パワー・パーク・プロジェクトにおけるパートナーとして選出した。今回の契約によりDTEエナジー社は、年間で1万5000kWhの電力を供給できる水素エネルギーシステムの開発・設置・実証を一貫して行う予定だ。
●BPとアラルがドイツで水素供給ステーションを設置
BPはドイツの小売企業のアラル社と共同で、シュツットガルト近郊のダイムラークライスラーの自動車工場に水素供給ステーションを設置する。このステーションは、今年末に始まる実証プログラムに参加する燃料電池自動車に燃料を供給するためのものである。
<燃料電池コンポーネント>
●アビスタと3MがMEA合意に参加
アビスタ・ラブス社は、自社の燃料電池製品に組み込む陽子交換膜(MEA)を3Mから独占的に購入する戦略的供給契約を発表した。3MはMEAを、アビスタ・ラブス社製250と650シリーズの燃料電池カートリッジに使うために供給する。この燃料電池カートリッジは、アビスタ社の Independence(TM) 製造ラインで製造されている。
<報告・市場調査>
●大型アプリケーション用燃料電池
ビジネス・コミュニケーション・カンパニー社は、『大型アプリケーション用燃料電池』という新しい報告書を発表する。これによると、北アメリカの燃料電池市場における大型アプリケーションは現在、およそ2億5100万ドルの価値があるという見積もりをしている。この市場は、今後5年間は年平均成長率(AAGR)20.7%で、2007年には6億4200万ドルにまで達すると予想されている。
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■燃料電池ワールド
□毎週水曜日発行
□編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM
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