□燃料電池ワールド
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■Vol.047 2002/05/08発行
◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM
■お知らせ
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◇メルマガ創刊1年目の記念プレゼント
連休はメルマガの休刊があるので、ホッとしながら忙しくしていたら、『燃料電池ワールド』が1年を過ぎていたのに気が付いた。「何かしなくちゃ」と考えたが、今さら企画内容で何かできる状態ではない。そこで、プレゼントでお茶を濁しましょう。
今回はいろいろなことを行っているので、豪華版(?)。プレゼントするものは3種類。
1.大同メタルの「燃料電池組み立てキット」 1つ
2.家庭でできる燃料電池手作りキット 5つ
3.燃料電池CD−ROM画像集 5つ
ご希望の方は下記のメールに、希望するものの上記の番号、氏名、送り先、電話番号を明記して、メールして下さい。応募者多数の場合は抽選になります。このご案内は3週間行います。
○締切 5月25日(土)
○メールアドレス info@pem-dream.com
◇5月11日(土)に手作り燃料電池キットの準備作業を行っていただけるボランティアを募集します。
翌12日の「レスター・ブラウン氏の講演会&エコ・ネットワーキングの会」でプレゼントする燃料電池手作りキットと、PEM−DREAMの広報資料の準備を一緒に行っていただけるボランティアを募集しています。時間は午後1時頃から5時頃までです。ご参加いただける方は、メール(info@pem-dream.com)でお知らせ下さい。場所は新橋の事務所です(地図をお送りします)。よろしくお願いします。
◇PEM型燃料電池の組み立てキット販売を始めました。
燃料電池を知っていただくためには、実物にふれていただくのが一番。永らくそのための商品を探していたところ、大同メタル工業株式会社のご協力をいただいて、PEM型燃料電池の組み立てキットを提供できるようになりました。
自動車や家庭用に開発されている固体高分子膜(PEM)型燃料電池の実物です。3セル構造で出力電圧2Vが可能で、単セル、2セル、3セルのそれぞれの発電量の違いなども実験できます。水素の供給はガス缶から行い、プッシュボタンをちょっと押すだけで発電します。効率よく供給すれば100回近く使えます。
燃料電池の原理が分かり、組み立ての楽しみも味わえる(分解もできます)このキットは、子どもたちも組み立てられるので、ホビーとしても、教育用としてもお役に立てるでしょう。しかも、本格的な燃料電池としては世界一安い価格を設定できました。NPO特別価格として、1セット9500円(税、送料込み)です。どうぞ、ご利用下さい。
お問い合わせ、お申し込みは、メールまたはFAXで。商品の画像はホームページでご覧下さい。
・メール info@pem-dream.com
・FAX 03-5408-3252
・URL http://www.pem-dream.com/goods.html
◇第2回燃料電池市民講座 5月18日(土)午後2時から
「燃料電池実用化推進協議会の活動」 ゲスト=燃料電池実用化推進協議会 赤松英昭氏
燃料電池実用化推進協議会は、燃料電池の実用化・普及に向けて、課題の具体的な検討を行い、政策提言として取りまとめ、会員企業自ら課題解決の努力を行うとともに国の施策への反映を図る活動を行っている。この日は、その具体的な活動内容や組織の現状とともに、国の実証試験プログラムについての最新の情報もお話しいただきます。
○場 所 岩谷産業株式会社本社会議室(新橋駅から徒歩10分くらい。地図をお送りします)
○参加費 会員は無料。非会員は2000円。
○申し込み方法 メールまたはFAXにて、「第○回燃料電池市民講座」と明記の上、氏名、連絡先、電話番号をご記入の上、お送り下さい。
メール info@pem-dream.com FAX 03-5408-3252
◇NHKの番組「次世代エネルギーとこれからの暮らし」
燃料電池の新しい課題をアメリカ、ドイツ、日本で追いかけ、多彩なゲストと語り合う番組です。PEM−DREAMもほんの少し紹介されます。どんな事務所か、興味のある方はご覧ください。
1回目 5月18日(土) 19:00〜19:49 BS1
再放送 5月21日(火) 10:00〜10:49 BS1
◇第1回燃料電池市民講座 「ケミックス の燃料電池」報告(写真はHPで)
とうとう始めてしまった。大がかりなことはできないが、逆に少人数故の持ち味をいかした中身の濃い勉強会的なものを考えていた。これまでのメルマガで報告しているように、今年になってから多くの方々との交流ができ、そういうニーズが強いなーと感じたことが背中を押した。また、そのくらいのスピードも必要とされていると思う。幸い、話し手としてご協力いただける方は多方面にいらっしゃるので、区切りの良い4月からということで見切り発車をしたのだ。
第1回目のケミックスさんには、アースデイに引き続いて2週連続のご協力をいただくこととなった。佐藤さん、松田さん、桑名さんの3人体制で(アースデイでは岡崎さんも加わった)取り組んでいただいた。実を言うと、138Wの発電をする燃料電池は、これらのイベントのために製作していただいたようなものである。実に短期間だったが、そこはケミックスの技術力と熱意でカバーしていただいた。
さて、市民講座では佐藤さんが、会社のこと、製品のこと、技術のことなどを体験的に話してくれた。話の中から、燃料電池が今後どのように普及していくのか、その技術的な可能性と問題点は、など近未来の予測をそれぞれに推測しながら質問が飛び出した。
休憩をはさんで後半は、持参した実物の周りに集まり、さらに質疑応答。そのうち、燃料電池が発する熱の話になり、実際にその熱を体験しようということになった。佐藤さんが取り出した1枚の高分子膜は少し厚みがあった。その膜に周りから数人の手が差し伸べられ、佐藤さんはその膜の両面に電極をくっつけて挟み、右手で水素ボンベのノズルを押して、膜に直に水素を吹き付けた。ウワッかオッか、ほとんど同時に声が上がって、膜から手が離れた。「こんなに熱いんだね」。膜で水素による発電が起き、熱が放出されたのだ。
そんな一幕もあり、約2時間半の勉強会は終わった。参加者は、ご自分の仕事で燃料電池を担当されている方や、個人的に関心を持っていらっしゃる方など多士済々で、失礼な言い方かもしれないが知識レベルもさまざまだったと思う。
最後に、「最近は燃料電池と会話ができるようになった」と佐藤さんは話した。彼は主に天候を例にとって説明した。「朝起きると、天候が気になります。普通は晴れた方がいい訳ですが、私にとっては雨の方がうれしいんです。と言っても、生活者としては嫌なんですが、燃料電池技術者としては空気中に湿気の多い方がうれしい。元気よく動いてくれるからです。燃料電池は生き物です」 。
◇アースデイの感想(追加)
●森 欣弥さん(ボランティア)
あいにく当日(4月21日)は天候不順。10時過ぎに会場(代々木公園)のPEM−DREAMのテントに到着し、初めに準備作業の一部をお手伝いした。次に、本部テント近くに行ってPEM−DREAMのチラシを配って、訪問者を誘導しようかと考えたが、ルール上多少問題ありとの事であった。
当方は「燃料電池で動かす自走ロボット」のデモのコーナーで来訪者への対応を行った。来客はお子さん連れのファミリーから企業の技術者で、燃料電池に知識と興味をお持ちの方まで幅広い訪問を受けた。
デモ・システムは、小さい携帯用の水素ボンベと燃料電池と自走ロボットがシリーズにつながったもので、ボンベの上方のボタンを押して水素の供給を始めると燃料電池が発電を開始し、ライントレース型ロボットカーが机上を走りだす。燃料の補給開始、発電開始、模型車のスタートの3つが、それぞれ若干のタイムラグをおいて移行していくので、直感的に分かりやすいデモである。
来訪者も「ふん、フーン、なるほどねー」という感じで好評であった。就学前の子どもさんは目を丸くしてみていた。この子たちが大きくなれば、家庭や学校で手軽に使えるクリーンな電気エネルギーとしての実用型燃料電池に広く接するはず。今回のデモの内容の理解は別としても、何か記憶に残ってくれれば良いなと思った。
燃料電池の技術面は詳しくないので、燃料電池の将来への意義や期待といった面から一般的説明を行った。一方、御来訪者からの質問は専門的なものも含めバラティに富んでおり、面白かった。例えば、
「酸素も必要でしょう。酸素の取り込みはどうやっているの?」
「水が出ますね。どこへ出てくるのですか?」
「今動いている燃料電池の発電コストは、いったい幾らくらいになりますか?」「水素やメタノールで直接車を動かすのと、燃料電池の発電でモーターをまわして車を走らす得失を比較するとどうなりますか?」等々。
答えにくい質問は、隣のコーナーのメーカー(大同メタル、ケミックス)の方々に対応をお願いした。質問への対応に当たって、隣りのコーナーの「燃料電池組み立て教室」に用意された「燃料電池の構成」パネル(実際部品を貼りこんで作られている)が大いに役に立った。
「発電のコスト」に関しては、デモ中のケミックス社「138W」燃料電池の水素消費量を根拠に水素コストのみを概算、今は水素コストも高価、燃料供給のインフラ整備も燃料電池の実用化のキーである事を御質問者に理解していただいた。(御来訪者の質問への対応を通じて当方の理解も若干は進んだと思う。)
という事で、当日の天候不順は残念であったが、意義のある出展であったと思う。
■イベント紹介
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●日本膜学会第24年会人工膜シンポジウム(新規)
○テーマ 「燃料電池高分子膜の最前線」
○内容 世話人 斎藤恭一(千葉大学工学部)
・固体高分子形燃料電池の概要 内田裕之(山梨大学工学部)
・フッ素系高分子電解質膜の開発動向 寺田一郎(旭硝子中央研究所)
・炭化水素系高分子電解質膜の可能性と問題点 陸川政弘(上智大学理工学部)
・高分子電解質膜設計のためのシステム的アプローチ 山口猛央(東京大学大学院工学系研究科)
○日 時 5月17日(金)午前9時40分〜午後零時20分
○会 場 日本科学未来館(東京都江東区青海2-41)
○参加費 必要ですので、お問い合わせ下さい。
○お問い合わせ・お申し込み
日本膜学会 TEL/FAX 03-3815-2818
E-mail membrane@mua.biglobe.ne.jp
URL http://wwwsoc.nii.ac.jp/membrane/index.himl
●レスター・ブラウン氏の講演会&エコ・ネットワーキングの会(5月12日)
●第9回燃料電池シンポジウム(5月15〜16日)
●「燃料電池市民講座」(5月18日、6月8日)
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○燃料電池市民講座 http://www.pem-dream.com/citizen.html
○EVENT INFORMATION http://www.pem-dream.com/event.html
○燃料電池マイ・レポート http://pem-dream.com/report.html
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■世界のニュース〈5月)
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<輸送>
●マンハッタン・サイエンティフィックスとアプリリアが新しいスクーターを発表〔アメリカ〕
マンハッタン・サイエンティフィックス社とアプリリア社は、パリ国際見本市で新しい燃料電池スクーターを発表した。燃料電池スクーター「モヒート」は、1回の燃料供給で時速35マイルの時、航続距離が120マイルというマンハッタン社製の新しい3000W級燃料電池を搭載している。
<燃料・改質器・貯蔵>
●ダイムラークライスラーが初めてのメタノール供給ステーションを開設し、ホーレンとともに研究開発を始めた〔ドイツ〕
燃料電池自動車向けの初めてのメタノール供給ステーションがアメリカ・カリフォルニア州サクラメントで行われているカリフォルニア・フュエル・セル・パートナーシップで開設された。これは、液体燃料であるメタノールで動く試走車に供給される。ダイムラークライスラー社はまた、ホーレン・インダストリー社とともに、バイオマスからメタノールとディーゼル用の燃料を生産する1100万ユーロ(1000米ドル)をかけた研究プロジェクトを始める。ダイムラークライスラー社は、使用できるように進歩したそれらの燃料を試験するだろう。
<燃料電池コンポーネント>
●グリーンライトが日本の東陽テクニカと提携し、SOFCとMCFCの試験施設に参加〔アメリカ〕
グリーンライト・パワー・テクノロジーズ社は、日本におけるグリーンライト製燃料電池計測機器の市場調査、販売、サービスのために、(株)東陽テクニカと契約した。グリーンライトはまた、固体酸化物形(SOFC)と溶融炭酸塩形(MCFC)燃料電池の試験施設に参加する。グリーンライト社の製品展開は、3つの新しいアメリカの基礎的な顧客から250万ドル以上かかるSOFCとMCFC試験設備の注文となった。
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■燃料電池ワールド
□毎週水曜日発行
□編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM
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