知的ネット社会 TAKAGI-1 みくすと 火曜版

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2016/05/10

 

 

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氏が女学院を創立した動機が、村内の経済格差だった(略)・・・。金持ちの息子たちはパキスタンの最大都市カラチや海外に留学し、女衆はもとより、貧しい村人のほとんどが、代々非識字のまま取り残された。何世紀にもわたって貧富の差が拡大し続けるマンド村にも、他のへき地と同様に、イスラム過激派が忍び寄って来た。捨てるものは命しかない貧民の鬱憤につけ込み、彼らを捨て身の神兵に徴募するためだ。

 村の未来に危機感を抱いたジャラル氏は、経済格差の根を絶つすべを、教育格差の解消に見た。「教育は人生の選択域を広げ、未来への展望を開き、自助自立の貧困脱出を可能にする。まず良母からと女学院を始め、時間がかかると覚悟していたが、計算違いだった」と、氏が笑った。

 効果は世代交代を待たずに表れた。勉学に励む娘たちは、兄弟の学習意欲を挑発するどころか、非識字を恥じる父や母にも読み書きを教えた。村の識字率はあっという間に上昇し、衛生状態や栄養不良の改善を伴い、労働生産性の向上に直結した。小売業や、農耕機具の修理・整備業など、自営サービス業を起業する村人も現れた。氏は「良母と娘は、千どころか、万の教師に勝る」と、高々と笑った。



- 「女性に教育を施せば、次世代は豊かになると思った。だが間違っていた」〜パキスタンの事例 - 見えない道場本舗

[ Posted Fri, 06 May 2016 11:46:26 ]

 

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