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広義タイムマシン論 光速移動に関して

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付録1 : 光速移動に関して 

結論  

光速基準の高速移動による時間の縮みを利用する方法である。特殊相対性理論を根拠とする。 現在の航宙技術では有為な時間差を生み出すことは不可である。

理論  

 この方法は、特殊相対性理論の「静止系で考えると、静止系の時間の1秒ごとに、走っている 時計は {1- √1-(v/c)^2 } 秒ずつ ―― あるいは v/c の4乗以上を無視すれば、(v/c)^2 / 2 秒 ずつ ―― 遅れることになる」(アインシュタイン, 内山龍雄=訳 : 相対性理論 (岩波文庫, 1988) p.35 http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-255.html )が根拠である。 光速にさえ達することができれば、少なくとも時間をゼロにまで縮めることができる。また、過去に 向かうことも可能だと主張する物理学者もいる。

光速に達する方法(機械的な方法)  

 さて、光速は、30万km/秒 である。光が地球を一周するに 0.1 秒ほどかかる。つまり、数字上は 無限の速さではないのである。30万km/秒とは、すなわち 3×10^8 m/秒であり、3 m/秒 の速さで 走る車があるならば、ギア比 10:1 の歯車 8組 をエンジンとタイヤの間に挟めば、単純計算では、 その車は光速で走れる。 もっと直感的なのは、"てこ"や"はさみ"を使う方法である。非常に長い棒を用意して、どちらかの端に 極めて近いところを支点とする。そうすれば反対側の端を高速移動させることができる (てこ) "はさみ"は、"てこ"(これは先述の"てこ"ほど大きくなくてよい)を2つ組み合わせて、はさみをつくり、 はさみの刃が重なるところ(:紙を切るところ)に高速に移動させたい物体を挟み込むものである。

機械的な方法では、光速はおろか音速が限度  

 しかし、このような機械的な方法では、光速に達することはできない。これは光速に近づけば 質量が増大するという特殊相対性理論による。しかし実際は、光速はおろか音速が限度なのだ。 部品がたわんで力を伝える以上、たわみ(振動)が伝わる最高速度である音速を超えることはでき ない。ダイヤモンドであっても、その中を伝わる音速は 約 18 km/秒 にすぎない。

よって、大出力ロケットしかないのだが  

よって、大出力ロケットしかない。大出力ロケットとは原子力ロケットや光子ロケットである。 原子力ロケットは、核爆発を推進力に使うロケットである。光子ロケットは、大出力光源による 光圧を使うロケットである。 しかし、現在の技術では大出力ロケットは非現実である。

通常のロケットでの検討  

光速・亜光速はあきらめて、通常のロケットが目指せる範囲の速度で検討を行う。なお、ロケットを 高速で移動させる代わりに、地球そのものを高速で移動させれば、「時間を伸ばす」ことが可能である。  現在の通常ロケットである化学ロケットは、星の重力を使ったスイングバイを用いると 30 km/秒 の速さに達することができる。30 km/秒で移動する系における時間の進み方は、静止系におけるそれの   1.000 000 005 倍 である。これは、6年4ヶ月で1秒の差が生じる程度である。実用的なタイムワープはできない。

表:速度と時間の進み方の関係  

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    速度 v      1/√{1−(v/c)^2} ────────────────────────    7.9km/s   1     30km/s   1.000000005  10000km/s   1.000556019 100000km/s   1.060660172 200000km/s   1.341640786 250000km/s   1.809068067 260000km/s   2.004459314 270000km/s   2.294157339 280000km/s   2.785430073 290000km/s   3.905667329 ──────────────────────── 戻る
 
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