猪瀬 直樹「言葉の力 -「作家の視点」で国をつくる」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆



購入: 2012/ 3/23
読了: 2012/ 7/ 1 [2-]

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マスメディアとソーシャルメディアの役割

記事ページ 発行: 2012年07月08日

津田 大介 : 動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ, 2012) p.127.

相反するように見えるマスメディアとソーシャルメディア。この2つのメディアの役割について面白い指摘をした人がいます。

「不確かな情報の検証はプロの仕事。ソーシャルメディアはニュースへの多様な視点を提供するもの。そして拡声器であり、情報源である」

 僕も全く同感です。発言主は誰か。実はウィキリークス代表のジュリアン・アサンジなのです。


猪瀬 直樹 : 言葉の力 -「作家の視点」で国をつくる (中公新書ラクレ, 2011) pp.202-203.

 もはや既存のマスメディアは過去の遺物にすぎないのだろうか?

 この問いに対して、米国 TechCrunch の編集者・エリック・スコフィールドは「ツイッターはメインストリームメディアを増幅する――代替するわけではない」( http://jp.techcrunch.com/archives/20110502twitter-media-amplifies/ )と主張した。

なるほど、多くの人々が最初にこのニュースを知ったのはTwitter上でだった。しかしほとんどの場合、その情報源はメインストリームメディアだった。(中略) ビン・ラディンの死亡が確認されたのはメインストリームメディア(CNN、NYT、その他)だった。キース・アーバーン自身の情報源さえ軍や政府関係者ではなく、「事情に通じたテレビ・ニュースのプロデューサー」だった。   (滑川海彦訳)



さて、「拡声」され、また「情報源」になったソーシャルメディアでの情報例が、猪瀬氏の著作に載っている:

猪瀬 直樹 : 言葉の力 -「作家の視点」で国をつくる (中公新書ラクレ, 2011) pp.23-24.

イギリスにいた直仁さん(@true_jentleman)はツイッターに書き込んだ。

「拡散お願いします!」障害児童施設の園長である私の母が、その子供たち10数人と一緒に、避難先の宮城県気仙沼市中央公民館の3階にまだ取り残されています。下階や外は津波で浸水し、地上からは近寄れない模様。もし空からの救助が可能であれば、子供達だけでも助けてあげられませんでしょうか。

...

 そのときは、みんな混乱していたからデマも多かった。しかし、この文章は5W1Hがしっかりしているから、おそらく間違いないと判断できる。すぐに東京消防庁の防災部長を呼んだ。

ここから、「拡声」され、また「情報源」になりうる情報のひとつの特徴として、5W1Hがしっかりしていることを挙げることができる。

 

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