佐々木 俊尚「キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆



購入: 2011/ 3/ 1
読了: 2011/ 3/ 6

佐々木俊尚「キュレーションの時代」特集 - ブクログ

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「王の知性」が「民の知性」を制御できないように、 「好奇心 、多分ね」

記事ページ 発行: 2016年09月24日

3つの知性、すなわち

「神の知性」: 社会的問題を解決する人工知能

「王の知性」: 統治機構

「民の知性」: 知能・知性を有しそれを意識的に発揮して行動する市民(:ONな市民)。その中には、例えば、知的ネット社会(:多くの人々がつながり、持ち寄られた知性と、それを支援する装置によって、社会が問題を解決する能力を高める場)がある。

これら 3つの知性が共生するためには、「王の知性」と「民の知性」が同一では、いけない。

さて、「王の知性」の一つである自由民主党は、マスコミ・ネットに関する統計データを活用する仕組みを既に持っている(鳩山由紀夫政権での下野時代から構築してきた)。(小口 日出彦=著「情報参謀」(講談社現代新書, 2016) に詳しい。)

上述のように、与党は、ネットの声を政策に反映する仕組みを持っている。これは、リアルにおける知識の高度化と、ネットにおける知識の高度化を結合するという、当初 私が構想していた知的ネット社会を、統治機構側から実現したものと言える。

「王の知性」は「民の知性」を観測している。ここで懸念されるのが、「民の知性」が「王の知性」に制御されることである。

それを避けるために:

  コンテンツを漁るのではなく、キュレーション。 (あるアメリカ人のブロガーは「コンテンツが王だった時代は終わった。いまやキュレーションが王だ」と書きました。――佐々木 俊尚=著「キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる」(ちくま新書, 2011) p.241.)

  タコツボではなく、セレンディプティ。(セレンディプティの反対語は、「タコツボ化」。――佐々木 俊尚=著「キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる」(ちくま新書, 2011) p.176.)

管理される前に、手を拡げよ。産・官・学の周りで動き回って、

 ・情報から知識を創れ (情報から知識への「翻訳」・解釈・ストーリー付け)。

 ・知識を高度化せよ (知識・情報の化学反応・加減乗除)。

 ・知識・情報の流通を加速させよ。

ここで、至言を思い出した:

  「私は情報の並列化の果てに個を取り戻すためのひとつの可能性を見つけたわ。」...「 好奇心 、多分ね。」( 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX. 第26話)

そして、

  World-changing things always start small. ── Bill Joy (梅田 望夫 : ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く! (文藝春秋, 2008))

初出:
Facebook 2016/ 8/22

 

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