梶井 厚志「戦略的思考の技術」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆



購入: 2009/ 4/ 1
読了: 2010/ 6/ 8

Twitter / TAKAGI-1: @yonda4 戦略的思考の技術 戦略とは何か、について改めて勉強できた。

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「戦略」という言葉は2つの意味に使われている

記事ページ 発行: 2010年08月08日

「戦略」という言葉は主に2つの意味に使われている。

記号化すると以下の2つである。

 (1) 戦略⊃戦術

 (2) 戦略={軍事戦略, 作戦戦略, 戦術, ……}

(1)は、規模を意味する。規模は異なるが、概念として戦略と戦術は並列である。

(2)は、概念を意味する。戦略と戦術とは階層が異なる(戦略は戦術の上位語)。

一般には(1)の理解で使われることが多い。

軍事・経済学では(2)の理解で使われることが多い。

(2)の意味における定義は、

 「戦略的環境において、自分が自分の自由意志のもとにとりうる行動を、その将来にわたる予定を含めて記述したもの」*

であり、戦略的環境とは、「自分のとる行動だけでなく、他のさまざまな人の行動と思惑がお互いの利害を決める環境」** である。

 * 梶井 厚志 : 戦略的思考の技術 (中公新書, 2005) p.8.
 ** 梶井 厚志 : 戦略的思考の技術 (中公新書, 2005) p.4.

すなわち、自分の意志が完全には通じない主体(相手)が存在する状況における、行動に関する表現である。あるいは、"不確実な状況における"と拡大してもよいだろう。

野中 郁次郎, 戸部 良一, 鎌田 伸一, 寺本 義也, 杉乃尾 宜生, 村井 友秀 : 戦略の本質 (日経ビジネス人文庫, 2008) pp.379-381.

> 戦略とは、古来、戦いに勝つためにはどうしたらいいかという課題にこたえるためのものであり、具体的には、軍事力を行使すべき戦争に対処するためのものであった。... 今日では、主体と主体の相互作用によって構成される社会現象のほとんどすべてをカバーしているといってよい。

 社会現象としての戦略現象は、主体間の相互行為(作用)の因果連鎖をして展開する。主体の主体たるゆえんは、その行為の意図性、目的性にある。戦略性、つまり戦略的であるということは、相手の出方に応じてこちらの出方を変えることであり、こちらの出方に応じて相手の出方が変わることである。...

国家ないし国家に準じた主体間で闘争がなされる場合、戦略現象はいくつかのレベルで展開される。...

( 戦略の5つのレベル

 ・大戦略
 ・軍事戦略
 ・作戦戦略
 ・戦術
 ・技術 )

そして、これらの各レベルには独自の課題がある。



 

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