「プレジデント」2008年6月2日号『「原稿1枚・5枚・10枚別」スラスラ書く技術』の中からピックアップしてコメントしたり、他の文章にリンクを張ったりする

     

評価・状態: 旧: 伝わる文章術

「プレジデント」2008年6月2日号の「特集: 読まれる文書、バカにされる文書」の中の『「原稿1枚・5枚・10枚別」スラスラ書く技術』の中から何点かピックアップしてコメントしたり、他の文章にリンクを張ったりする。

ここ1ヶ月、文章術や論理の本を読んできたので、その復習を兼ねる。



■1■ 樋口 裕一 氏による。
p.35.

> 上司や社外の人に向けの文章で、相手の意に沿わない内容の報告をしなければならない場合は、最初に状況を説明する帰納型がおすすめです。

ここでの「帰納型」とは、前提を積み上げて、最後に結論を述べる型のこと。底辺から頂上へ登るピラミッド型であり逆茂木型である。

通常は、よくないとされている(が、日本ではよく見られる)型である。それをあえて使うべき状況が明示された。これは結論を先に言ってしまうと、相手が話を聞いてくれなくなる可能性があるからであろう。

私は、人に話を聞いてもらえなかったことや、書いた文章を読んでもらえなかったことは、今までない。しかし、社会では、聞いてもらえないこと、読んでもらえないことがあるのだ。

文章は、人に読んでもらえてナンボであり、それをまず第一に考えるべきだ。

■2■ 齋藤 孝 氏による。
p.36.

>アウトプットを前提に情報収集することが大切です。

これは、バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) pp.196-198 に同様のことが書かれている。

即ち、仮説をまず立て、それを立証あるいは反証する目的に集中して、情報収集するということである。関連 *1

■3■ p.37.

> これは文章を構成する三脚のようなものです。あまり似たもの同士だと距離が近すぎて倒れてしまいます。

p.38.

>より汎用性が出て説得力が増します。

関連 *2

■4■ 樋口 裕一 氏による。
p.37.

>自分の考えを示すのは問題提起のアレンジの一つです。

質問ドライブを仕込んだ文章のバラエティの一つになる。

■5■ p.37.

>【問題提起】...
【意見提示】...[他説と自説の提示]
【展開】...[自説を裏付け、他説をつぶす]
【結論】...

アブダクション(:不明推測法)的な文章構成である。

■6■ p.39.

> 相手の要請がQ&AのQにあたるものとすれば、Aにあたるものをタイトルに集約すべきです。

「○○について」文章を書いてこいと言われて、「○○について」という題名の文章をだすのはよくない。

読書感想文の題名として「○○を読んで」が良くないのは、中学・高校あたりで教えられた記憶がある。習ったことは応用して活かさないといけない(→自分)。
注釈:
*1 関連:
私は陽には知らなかった、アブダクションというものを

*2 関連:
連想による目標点の包囲という手法を用いた話し方は、よくない

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この本からの引用、または非常に関連する記事

全 8 件

バーバラ・ミント「考える技術、書く技術」 

記事ページ 発行: 2008年04月01日


購入: 2008/ 4/18
読了: 2008/ 5/ 5

 

文章にジェネレーターをしこむ

記事ページ 発行: 2008年05月04日

バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.4.

>主たる考えをまず述べることで、読み手はなぜそういう考えとなるのか書き手に対して疑問を持つことになります。そこで、ピラミッドを一段下りてその疑問に答えていけばよいのです。*

質問ドライブ。文章にジェネレーターを仕込むんだね。

  * つまり、「□□です。なぜならば、○○だからです。」という形式。

 

アブダクション

記事ページ 発行: 2008年05月09日

abduction

不明推測法 (バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.271.)

三中 信宏: 系統樹思考の世界 (講談社現代新書, 2006) p.178.

> 人工知能におけるアブダクションの研究史の中でとくに大きな影響を及ぼしたジョセフセン夫妻は、アブダクションの推論様式を次のように定式化しました。

  前提1 データDがある。
  前提2 ある仮説HはデータDを説明できる。
  前提3 H以外のすべとの対立仮説H'はHほどうまくDを説明できない。
  結 論 したがって、仮説Hを受け入れる。

三中 信宏: 系統樹思考の世界 (講談社現代新書, 2006) p.179.

> ジョセフソン夫妻は、アブダクションによりある仮説がベストであると判定されるための諸条件を箇条書きに要約しました(John R. Josephson and Susan G. Josephson 編, 1994)。

  (1) 仮説Hが対立仮説H'よりも決定的にすぐれていること。
  (2) 仮説Hそれ自身が十分に妥当であること。
  (3) データDが信頼できること。
  (4) 可能な対立仮説H'の集合を網羅的に比較検討していること。
  (5) 仮説Hが正しかったときの利得とまちがったときの損失を勘案すること。
  (6) そもそも特定の仮説を選び出す必要性があるかどうかを検討すること。



関連:
私は陽には知らなかった、アブダクションというものを
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1944.html

 

私は陽には知らなかった、アブダクションというものを

記事ページ 発行: 2008年05月06日

私はアブダクションというものを、陽には知らなかった。

高校化学の『アボガドロの分子「仮説」』や、数理統計の『帰無「仮説」』から、仮説と検定というアブダクション(abduction)の考え方を、大学初等から陽に認識すべきであった。

 

連想による目標点の包囲という手法を用いた話し方は、よくない

記事ページ 発行: 2008年05月04日

連想による目標点の包囲という手法を用いた話し方は、よくない。

連想により活性化された思想の包絡線による結論の形作りでは、その結論が強く前面に出てこない。

連想は、帰納的論理の種を生む手段ではあるが、その種に、帰納で導く結論以外の関連性があるため、そちらに聞き手の気がとられて結論が強く前面に出てこない傾向がある。

関連:
日本語はネットワーク型言語
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1939.html

知性の空間的展開
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-757.html

 

アウトプットをいつから始めるか

記事ページ 発行: 2011年08月03日

日垣 隆 : ラクをしないと成果は出ない (大和書房, 2008) p.19.

私たちが吉村さん[:吉村 昭]から学ぶべき仕事術は、「インプットが三分の一程度になったらアウトプットを始める」という方法です。



関連:
「プレジデント」2008年6月2日号『「原稿1枚・5枚・10枚別」スラスラ書く技術』の中からピックアップしてコメントしたり、他の文章にリンクを張ったりする

>アウトプットを前提に情報収集することが大切です。


Twitter / @takagi1: アウトプットを意識して、知的仕事をする。つまり、印刷された報告書の1ページ1ページを意識して、Excelする。 2010/ 8/19 8:02am

 

「PRESIDENT」2008年6月2日号 特集: 読まれる文書、バカにされる文書

記事ページ 発行: 2008年05月17日


購入: 2008/ 5/16
読了: 2008/ 5/17 (特集: 読まれる文書、バカにされる文書)

雑誌『プレジデント』の公式サイト:PRESIDENT Online
2008年6.2号 - プレジデント

「プレジデント」2008年6月2日号『「原稿1枚・5枚・10枚別」スラスラ書く技術』の中からピックアップしてコメントしたり、他の文章にリンクを張ったりする

 

その場の思いつきで話すと漏れが生じる

記事ページ 発行: 2008年05月31日

特集 すぐ効く! ロジカルシンキング, 日経ビジネス アソシエ, 2008年 6月 3日号, pp.20-57 のうち p.39.

> 自分の主張に必要な要素を過不足なく伝えることは難しいものだ。ロジカルに発想する癖がついていない日本人はその場の思いつきで話してしまう傾向が強い。

中心(ピラミッド型構造の頂上)を忘れるな、ということだろう。中心を忘れると、中心を挟んで向かい側の同階層要素を忘れてしまい、漏れが生じる事態になりがちである。

関連:
連想による目標点の包囲という手法を用いた話し方は、よくない
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1941.html

「プレジデント」2008年6月2日号『「原稿1枚・5枚・10枚別」スラスラ書く技術』の中からピックアップしてコメントしたり、他の文章にリンクを張ったりする
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1969.html
■3■
>あまり似たもの同士だと距離が近すぎて倒れてしまいます。
>より汎用性が出て説得力が増します。

 

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