証明のすすめ

     

評価・状態: 暇つぶしになる良質な本★☆☆

リュディガー・ティーレ=著, 金井 省二=訳: 証明のすすめ (森北出版, 1990)


読了済み
再読: 1/3読了: 2008/ 5/ 6

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数学の証明の勉強が、論理的で分りやすい文章文章を書く妨げになっているのではないか

記事ページ 発行: 2008年05月17日

数学の証明の勉強が、論理的で分りやすい文章を書く妨げになっているのではないだろうか。

日本の教育では、論理的な文章を書く練習は、数学の証明でしか行われない。

しかし、数学の証明と、論理的で分りやすい文章は、似て非なるものである。単に異なるものであればよいが、似ているところが混乱を生じさせる。以下に、異なる点を述べる。

  • 使用できる論理:
    • 数学の証明: 演繹のみ *1
    • 論理的で分りやすい文章: 演繹と帰納(狭義の帰納・類推・アブダクション)
ややこしいことに、数学的帰納法は、帰納ではなく演繹である。*2 *3

  • 文章の流れ:
    • 数学の証明: 前提を積み上げて、最後に結論を述べる。底辺から頂上へ登るピラミッド型。逆茂木型 *4。
    • 論理的で分りやすい文章: 最初に結論を述べて、それを分解しながら説明する。 頂上から底辺に降りるピラミッド型 *5。

注釈:
*1: 書籍による補強:
リュディガー・ティーレ=著, 金井 省二=訳: 証明のすすめ (森北出版, 1990) p.14.

>しかし数学における証明は演繹的なものでなければならない。

*2: 出典
数学的帰納法 - Wikipedia [2008年 5月 5日 13:37 の版]

>なお、数学的「帰納法」という名前がつけられているが、数学的帰納法の解法プロセス自体は帰納法ではなく演繹法である。先に述べた、「2 により次々と次の命題の正しさが伝播されてい」った結果証明されていく様子が帰納のように見えるためつけられたにすぎない。

*3: 数学的帰納法は、完全帰納法と呼ばれる。演繹と対をなす帰納は、不完全帰納法と呼ばれる。

参考文献: リュディガー・ティーレ=著, 金井 省二=訳: 証明のすすめ (森北出版, 1990) pp.154-155.

*4: 木下 是雄 : 理科系の作文技術 (中公新書, 1999) pp.75-88 において「逆茂木型」と呼んでいる。

*5: バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.4 など。

 

modus ponens

記事ページ 発行: 2008年05月25日

modus ponens
構成的仮言三段論法

(A∧(A→B))→B

参考: リュディガー・ティーレ=著, 金井 省二=訳: 証明のすすめ (森北出版, 1990) p.43.

 

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