安田 正「ロジカル・コミュニケーション」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆


購入: 2008/ 4/ 8
読了: 2008/ 4/13

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全 4 件

不自然さよりもその効用を評価する私ではなかったか

記事ページ 発行: 2008年05月04日

安田 正 : ロジカル・コミュニケーション (日本実業出版社, 2007)を読んでいると、良いとされている文に対して不自然さを感じる。

私がそのように話していないからなのか、それとも、日本語そのものが論理表現に適していないのか。

しかし、どちらにせよ、不自然さよりもその効用を高く評価する私であるはずだ。

関連:
不自然さがもたらす機能性
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1306.html

 

日本語はネットワーク型言語

記事ページ 発行: 2008年05月04日

安田 正 : ロジカル・コミュニケーション (日本実業出版社, 2007) pp.82-83.

> 「好きなところから、好きなように話す」――日本人の話し方の特徴を一言で表わすとそうなる。その結果、ある話の内容に触発されて新たな内容が追加され、さらに、異なる内容に突入する。それが続けばもともとの話題が何であったのか、まるでわからなくなってしまう。日本語は接点さえあれば全体的な整合性をあまり考えないことを許される。



 

理由は低位であり、伝える必要性はうすい。なぜか?

記事ページ 発行: 2008年05月04日


  • 理由は低位であり、伝える必要性はうすい。なぜか?

  • 安田 正 : ロジカル・コミュニケーション (日本実業出版社, 2007) Part 4 にある複数の「演習」では、「改善前」にはあった結論を導くための理由に関する記述が「改善後」では取り除かれている。

  • バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.4 に以下の旨が書かれている。
      ピラミッド構造。上に結論、下に理由のピラミッド構造。上から伝える。

  • 理由を伝えることは、相手に自分がその結論に至った過程を追体験させることである。すなわち、暗に、相手に結論の同意を求める行為である。しかし、暗に同意を求める必要はない。


    • なぜ、暗に同意を求める必要がないのか?

    • 同意か不同意かを問うのが目的ではない。同意か不同意かを問うのであれば、それを明確に意図した文章にすればよい。

    • 同意か不同意かを暗に問う文章になっているのは、自分の出した結論への自信のなさを示しているのだろう。自信のなさを正面にださないのは不誠実だ。

    • よって、暗に同意を求める必要はない。


  • よって、理由は低位であり、伝える必要性はうすい。



 

ピラミッド型構造とネットワーク型構造

記事ページ 発行: 2008年05月20日

ピラミッド型構造とネットワーク型構造という対比は、以下に示す経路によって、個々のノードがもつ端子数の少多、そしてローコンテクストとハイコンテクストという対比につなげることができると考える。

 ピラミッド型の構造        : ネットワーク型の構造

=リンクの総本数が少ない      : リンクの総本数が多い *1

=個々のノードがもつ端子数が少ない : 個々のノードがもつ端子数が多い (A)

=ローコンテクストな社会      : ハイコンテクストな社会     (B)
 (共有基盤が乏しい)       (共有基盤が豊か)  

なお、ローコンテクストな社会とは、コミュニケーションの共有基盤(言語・知識・体験・価値観・ロジックなど)が乏しい社会を指す。ハイコンテクストな社会とはその逆である。

(A) と (B) の関連性は、ヒトが物事を類推によって理解することを一般化したものである。

共有知の理解のための端子の数が多いということは、類推のもとになる共有基盤(特に知識・体験・価値観)が豊かであることを示す。*2

以下、次の3組のピラミッド型構造とネットワーク型構造の組に関して、それぞれの構造が、個々のノードがもつ端子数の少or多、またはローコンテクストorハイコンテクストな性質を持つことを示す。

 1. ピラミッド型組織とネットワーク型組織
 2. 知の伝達におけるピラミッド型構造とネットワーク型構造
 3. 知そのものにおけるピラミッド型構造とネットワーク型構造

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脚注


*1 三中 信宏: 系統樹思考の世界 (講談社現代新書, 2006) p.198 および p.244 を参照のこと。

*2 関連:
複雑なことを理解せしめるものは単純なものとの類似にほかならない

参考文献:
安田 正 : ロジカル・コミュニケーション (日本実業出版社, 2007) p.91〜 では、Edward T. Hall, Beyond Culture をもとに、

 論理だてて説明する必要がある: ローコンテクストな社会
 多くを語らなくても通じる  : ハイコンテクストな社会

ということが書かれている。

 

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