バーバラ・ミント「考える技術、書く技術」 

     

評価・状態: 得られるものが秀逸・多量な本★★★


購入: 2008/ 4/18
読了: 2008/ 5/ 5

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この本からの引用、または非常に関連する記事

全 13 件

章立て・箇条書きのインデックス・行頭記号の表記法

記事ページ 発行: 2008年08月09日

私は、以下のようにすべきだと考える。

章立て


部: I., II., III., …… 装飾: とにかく目立つものを。
章: 1., 2., 3., …… 装飾: フォント上げ+(二重アンダーライン or 太字)
節: 1.1 , 1.2 , 1.3 , …… 装飾: アンダーライン
小節: (1) , (2) , (3), …… 装飾: なし

注意:
バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.247.

> いかなる数字インデックスを用いようが、それらは考えの区分けを文章上にはっきりと反映していなければなりません。したがって、メッセージの性格を持たない導入部、結び、あるいは、つなぎの記述などに数字インデックスを用いることはありません。


記号リスト


(■ :特別な場合)

 ○
  ・
   -

数字リスト


1.
(1)
a.
  ・
    -

注意:
梅森 浩一=語り, 平出 浩=取材・文 : 総力特集 読まれる文書vs.捨てられる文書, 読むメリットを感じさせるひと言を添えよう. THE21, 285, pp.20-22 (2008-08).
p.21.

>いたずらに番号を振らない

優先順位が同じであるなら、?@?Aなどと、番号をつけない。



以下を参考した:

冨永 敦子=語り, 澁川 祐子=取材・文 : 総力特集 読まれる文書vs.捨てられる文書, 上司顧客の評価が上がる文書vs.下がる文書. THE21, 285, pp.34-35 (2008-08).
p.35.

>行頭番号&記号の順番にはルールがある

箇条書きの行頭記号は、黒い面積が多いほど注目されやすい。そのため、黒い面積が多い記号を上位に配置する。

◆ → ■ → ● → ◎ → ○ → ・

I → 1 → (1) → ?@


バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) pp.243-244. に書かれてある方法:

1.ABC
 (1) EfG
  a. HiJ
   ・ Klm
    - Nop

 

演繹的論理と帰納的論理

記事ページ 発行: 2008年04月20日

演繹的論理

  • aはBである。
    • AならばBである。
    • aはAである。
    • ゆえにaはBである。

帰納的論理
  • aはBである。
    • a1はBである。
    • a2はBである。
    • a3はBである。

参考: バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) pp.24-25.

演繹的論理は科学的で、帰納的論理は工学的な気がする。

関連:
技術と科学 (●二又部分について)
http://www.h5.dion.ne.jp/~wing-x/ezhtml/inw3/za_0804100.html#5

 

投資収益率, ROI

記事ページ 発行: 2008年05月01日

Return On Investment, 投資収益率, 投資回収率, 投下資本利益率

(ROI)=(利益)/(投資額)

あるいは

(ROI)={(当期営業利益)+(減価償却費)}/{(株主資本)+(有利子負債)}

意味:
収益性が優れているかどうかの指標。

  以上、参考: ROI(return on investment) − @IT情報マネジメント用語事典

備考:

  • 投資収益率(ROI)
    • 利益
      • 売上
      • 利益率
        • 価格
        • コスト
    • 投資

参考: バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.123.

 

文章にジェネレーターをしこむ

記事ページ 発行: 2008年05月04日

バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.4.

>主たる考えをまず述べることで、読み手はなぜそういう考えとなるのか書き手に対して疑問を持つことになります。そこで、ピラミッドを一段下りてその疑問に答えていけばよいのです。*

質問ドライブ。文章にジェネレーターを仕込むんだね。

  * つまり、「□□です。なぜならば、○○だからです。」という形式。

 

導入は、相手を驚かせないように書くものだ

記事ページ 発行: 2008年05月04日

バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.27.

>導入部は、伝えようとするテーマについて読み手が既に知っていること、または知っていると思われることをストーリー風に語り、そうすることで、読み手の持っている疑問をもう一度思い起こさせて、本文の中にその答えが書かれているという期待を抱かせるのです。

初めの文は相手にインパクトを与えるように書き、相手に読む気を起こさせる(例えば、カギ括弧[:会話文]から文章を始める)という小学校の時の作文指導とは、異なる。

 

理由は低位であり、伝える必要性はうすい。なぜか?

記事ページ 発行: 2008年05月04日


  • 理由は低位であり、伝える必要性はうすい。なぜか?

  • 安田 正 : ロジカル・コミュニケーション (日本実業出版社, 2007) Part 4 にある複数の「演習」では、「改善前」にはあった結論を導くための理由に関する記述が「改善後」では取り除かれている。

  • バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.4 に以下の旨が書かれている。
      ピラミッド構造。上に結論、下に理由のピラミッド構造。上から伝える。

  • 理由を伝えることは、相手に自分がその結論に至った過程を追体験させることである。すなわち、暗に、相手に結論の同意を求める行為である。しかし、暗に同意を求める必要はない。


    • なぜ、暗に同意を求める必要がないのか?

    • 同意か不同意かを問うのが目的ではない。同意か不同意かを問うのであれば、それを明確に意図した文章にすればよい。

    • 同意か不同意かを暗に問う文章になっているのは、自分の出した結論への自信のなさを示しているのだろう。自信のなさを正面にださないのは不誠実だ。

    • よって、暗に同意を求める必要はない。


  • よって、理由は低位であり、伝える必要性はうすい。



 

アブダクション

記事ページ 発行: 2008年05月09日

abduction

不明推測法 (バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.271.)

三中 信宏: 系統樹思考の世界 (講談社現代新書, 2006) p.178.

> 人工知能におけるアブダクションの研究史の中でとくに大きな影響を及ぼしたジョセフセン夫妻は、アブダクションの推論様式を次のように定式化しました。

  前提1 データDがある。
  前提2 ある仮説HはデータDを説明できる。
  前提3 H以外のすべとの対立仮説H'はHほどうまくDを説明できない。
  結 論 したがって、仮説Hを受け入れる。

三中 信宏: 系統樹思考の世界 (講談社現代新書, 2006) p.179.

> ジョセフソン夫妻は、アブダクションによりある仮説がベストであると判定されるための諸条件を箇条書きに要約しました(John R. Josephson and Susan G. Josephson 編, 1994)。

  (1) 仮説Hが対立仮説H'よりも決定的にすぐれていること。
  (2) 仮説Hそれ自身が十分に妥当であること。
  (3) データDが信頼できること。
  (4) 可能な対立仮説H'の集合を網羅的に比較検討していること。
  (5) 仮説Hが正しかったときの利得とまちがったときの損失を勘案すること。
  (6) そもそも特定の仮説を選び出す必要性があるかどうかを検討すること。



関連:
私は陽には知らなかった、アブダクションというものを
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1944.html

 

数学の証明の勉強が、論理的で分りやすい文章文章を書く妨げになっているのではないか

記事ページ 発行: 2008年05月17日

数学の証明の勉強が、論理的で分りやすい文章を書く妨げになっているのではないだろうか。

日本の教育では、論理的な文章を書く練習は、数学の証明でしか行われない。

しかし、数学の証明と、論理的で分りやすい文章は、似て非なるものである。単に異なるものであればよいが、似ているところが混乱を生じさせる。以下に、異なる点を述べる。

  • 使用できる論理:
    • 数学の証明: 演繹のみ *1
    • 論理的で分りやすい文章: 演繹と帰納(狭義の帰納・類推・アブダクション)
ややこしいことに、数学的帰納法は、帰納ではなく演繹である。*2 *3

  • 文章の流れ:
    • 数学の証明: 前提を積み上げて、最後に結論を述べる。底辺から頂上へ登るピラミッド型。逆茂木型 *4。
    • 論理的で分りやすい文章: 最初に結論を述べて、それを分解しながら説明する。 頂上から底辺に降りるピラミッド型 *5。

注釈:
*1: 書籍による補強:
リュディガー・ティーレ=著, 金井 省二=訳: 証明のすすめ (森北出版, 1990) p.14.

>しかし数学における証明は演繹的なものでなければならない。

*2: 出典
数学的帰納法 - Wikipedia [2008年 5月 5日 13:37 の版]

>なお、数学的「帰納法」という名前がつけられているが、数学的帰納法の解法プロセス自体は帰納法ではなく演繹法である。先に述べた、「2 により次々と次の命題の正しさが伝播されてい」った結果証明されていく様子が帰納のように見えるためつけられたにすぎない。

*3: 数学的帰納法は、完全帰納法と呼ばれる。演繹と対をなす帰納は、不完全帰納法と呼ばれる。

参考文献: リュディガー・ティーレ=著, 金井 省二=訳: 証明のすすめ (森北出版, 1990) pp.154-155.

*4: 木下 是雄 : 理科系の作文技術 (中公新書, 1999) pp.75-88 において「逆茂木型」と呼んでいる。

*5: バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.4 など。

 

「プレジデント」2008年6月2日号『「原稿1枚・5枚・10枚別」スラスラ書く技術』の中からピックアップしてコメントしたり、他の文章にリンクを張ったりする

記事ページ 発行: 2008年05月18日

「プレジデント」2008年6月2日号の「特集: 読まれる文書、バカにされる文書」の中の『「原稿1枚・5枚・10枚別」スラスラ書く技術』の中から何点かピックアップしてコメントしたり、他の文章にリンクを張ったりする。

ここ1ヶ月、文章術や論理の本を読んできたので、その復習を兼ねる。



■1■ 樋口 裕一 氏による。
p.35.

> 上司や社外の人に向けの文章で、相手の意に沿わない内容の報告をしなければならない場合は、最初に状況を説明する帰納型がおすすめです。

ここでの「帰納型」とは、前提を積み上げて、最後に結論を述べる型のこと。底辺から頂上へ登るピラミッド型であり逆茂木型である。

通常は、よくないとされている(が、日本ではよく見られる)型である。それをあえて使うべき状況が明示された。これは結論を先に言ってしまうと、相手が話を聞いてくれなくなる可能性があるからであろう。

私は、人に話を聞いてもらえなかったことや、書いた文章を読んでもらえなかったことは、今までない。しかし、社会では、聞いてもらえないこと、読んでもらえないことがあるのだ。

文章は、人に読んでもらえてナンボであり、それをまず第一に考えるべきだ。

■2■ 齋藤 孝 氏による。
p.36.

>アウトプットを前提に情報収集することが大切です。

これは、バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) pp.196-198 に同様のことが書かれている。

即ち、仮説をまず立て、それを立証あるいは反証する目的に集中して、情報収集するということである。関連 *1

■3■ p.37.

> これは文章を構成する三脚のようなものです。あまり似たもの同士だと距離が近すぎて倒れてしまいます。

p.38.

>より汎用性が出て説得力が増します。

関連 *2

■4■ 樋口 裕一 氏による。
p.37.

>自分の考えを示すのは問題提起のアレンジの一つです。

質問ドライブを仕込んだ文章のバラエティの一つになる。

■5■ p.37.

>【問題提起】...
【意見提示】...[他説と自説の提示]
【展開】...[自説を裏付け、他説をつぶす]
【結論】...

アブダクション(:不明推測法)的な文章構成である。

■6■ p.39.

> 相手の要請がQ&AのQにあたるものとすれば、Aにあたるものをタイトルに集約すべきです。

「○○について」文章を書いてこいと言われて、「○○について」という題名の文章をだすのはよくない。

読書感想文の題名として「○○を読んで」が良くないのは、中学・高校あたりで教えられた記憶がある。習ったことは応用して活かさないといけない(→自分)。
注釈:
*1 関連:
私は陽には知らなかった、アブダクションというものを

*2 関連:
連想による目標点の包囲という手法を用いた話し方は、よくない

 

ピラミッド型構造とネットワーク型構造 2. 知の伝達におけるピラミッド型構造とネットワーク型構造

記事ページ 発行: 2008年05月20日

ナビゲーション:



2. 知の伝達におけるピラミッド型構造とネットワーク型構造


知の伝達の代表的な形態として、

 2.1 他者への説明と、
 2.2 教育

を取り上げる。

2.1 他者への説明


・ピラミッド型構造 : ローコンテクスト: 他者への説明の本文
・ネットワーク型構造: ハイコンテクスト: 他者への説明の導入部

他者への説明の本文がローコンテクストであることは自明である。相手が知らないから(:共有基盤がないから)、説明するのだ。

バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) では、わかりやすい文章はピラミッド型構造で書くべきだとしている。

しかし、導入部に関しては、相手が知っていることだけを記し、さらにストーリー風に語るべきだとしている *1。つまり、ハイコンテクストな状態にある内容は、ピラミッド型に成形されていないストーリー風に語るべきだというのだ。

2.2 教育


・ピラミッド型構造 : ローコンテクスト: カリキュラム
・ネットワーク型構造: ハイコンテクスト: 教授のお話

カリキュラムが、テーマとテーマの間の関連性を切り離すものであることをテッド・テルソンは指摘している *2。

脚注


*1 バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.27.

>導入部は、伝えようとするテーマについて読み手が既に知っていること、または知っていると思われることをストーリー風に語り、

*2 書籍における表現:
テッド・テルソン「リテラシーマシン――ハイパーテキスト原論」p.84. あるいは、原文 p(1-20).

>カリキュラムは、どんなテーマでも単純化してしまう。それぞれのテーマの間に存在する多くのつながりを切り落としてしまい、そのテーマの内容の豊かさや本来の魅力をそぎ落とした順序正しい骨組みだけが残るのだ。

引用はhttp://misonou.com/lib/gakuryoku.pdfおよびhttp://blog.livedoor.jp/memejapan/archives/23792290.htmlから。

ナビゲーション:

 

対象・経緯・見解・対策

記事ページ 発行: 2008年05月25日

  1. 対象
  2. 経緯
  3. (原因に対する)見解
  4. 対策

この構造は、バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.85 に類型が見られる演繹的論理構造に似ている。

「対象」章を、導入扱いすれば演繹的論理構造になるのかもしれないが、「対象」は明示(:ナビゲーションしやすいように、アンカーを設置)したいよね。

 

ある文章の導入部に見られた 状況・複雑化・疑問

記事ページ 発行: 2008年05月25日

AはBである。(=S, 状況)
BにはCな問題がある。(=C, 複雑化)
Cな問題について説明する。[=Cな問題の理由は何か?](=Q, 疑問)

S, C, Qに関しては、バーバラ・ミント=著, 山?? 康史=訳 : 新版 考える技術、書く技術 (ダイヤモンド社, 1999) p.47〜 を参考のこと。

 

「論文の書き方:結果から結論をどのように導くか?」関連書籍

記事ページ 発行: 2008年08月14日

論文の書き方:結果から結論をどのように導くか? - Y日記



 

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