GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』
現代語化
「実はこの間のこと島田に話したところ、そうなら仕方ないから、金額はそれでいいけど、できれば年内に受け取りたいとのことなんです」
「年内ってもうあと数日じゃないですか」
「だから向こうでも急いでるみたいで」
「お金があれば今すぐあげてもいいですけど、ないから仕方ないじゃないですか」
「そうですか」
「どうですか、そこをなんとか気持ち広めに考えていただけませんか。私もわざわざ島田さんのために、忙しい中を来たんですから」
「申し訳ありませんができませんね」
「じゃあいつごろ受け取れますか?」
「来年になったらどうにかしましょう」
「私もこうして頼まれて来た以上、何か向こうに返事しないといけないので、せめて期限だけでも決めていただきたいのですが」
「ごもっともです。じゃあ正月いっぱいということにしておきましょう」
原文 (会話文抽出)
「どうも御忙がしいところを度々出まして」
「実はこの間の事を島田によく話しましたところ、そういう訳なら致し方がないから、金額はそれで宜しい、その代りどうか年内に頂戴致したい、とこういうんですがね」
「年内たってもう僅かの日数しかないじゃありませんか」
「だから向うでも急ぐような訳でしてね」
「あれば今すぐ上げても好いんです。しかしないんだから仕方がないじゃありませんか」
「そうですか」
「どうでしょう、其所のところを一つ御奮発は願われますまいか。私も折角こうして忙がしい中を、島田さんのために、わざわざ遣って来たもんですから」
「御気の毒ですが出来ませんね」
「じゃ何時頃頂けるんでしょう」
「いずれ来年にでもなったらどうにかしましょう」
「私もこうして頼まれて上った以上、何とか向へ返事をしなくっちゃなりませんから、せめて日限でも一つ御取極を願いたいと思いますが」
「御尤もです。じゃ正月一杯とでもして置きましょう」