GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』
現代語化
「この年を越さなきゃいけないんです。どの家だって暮れにはまとまったお金が必要ですよ」
「私にはそんなお金はありません」
「冗談じゃないですよ。これだけ大きな家をしていて、そんなお金の工面もできないなんて、あり得ません」
「あってもなくても、ないものは仕方ないんです」
「いやいや、あなたのお給料は月に八百円だそうですね?」
「八百円だろうが千円だろうが、私の給料は私の給料です。あなたの関係することじゃありません」
原文 (会話文抽出)
「永い間の事はまた緩々御話しをするとして、じゃこの急場だけでも一つ」
「この暮を越さなくっちゃならないんだ。どこの宅だって暮になりゃ百と二百と纏った金の要るのは当り前だろう」
「私にそんな金はありませんよ」
「笑談いっちゃいけない。これだけの構をしていて、その位の融通が利かないなんて、そんなはずがあるもんか」
「あってもなくっても、ないからないというだけの話です」
「じゃいうが、御前の収入は月に八百円あるそうじゃないか」
「八百円だろうが千円だろうが、私の収入は私の収入です。貴方の関係した事じゃありません」