GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』
現代語化
「会わないからまだいいんだ。二人が同じ部屋で顔でも合わせたら、もう大変だよ。一人ずつ相手にするのでさえ大変なのに」
「今でもやっぱり喧嘩が始まるんでしょうか」
「喧嘩はともかく、こっちがイライラするよ」
「二人ともまだ知らないみたいね。あっちがこっちに来ることを」
「どうだろうね」
「あのおばあさんのほうがまだあの人よりいいわよ」
「どうして?」
「五円あげると黙って帰っていくから」
原文 (会話文抽出)
「あの御婆さんは御姉さんなんぞよりよっぽど落ち付いているのね。あれじゃ島田って人と宅で落ち合っても、そう喧嘩もしないでしょう」
「落ち合わないからまだ仕合せなんだ。二人が一所の座敷で顔を見合せでもして見るがいい、それこそ堪らないや。一人ずつ相手にしているんでさえ沢山な所へ持って来て」
「今でもやっぱり喧嘩が始まるでしょうか」
「喧嘩はとにかく、己の方が厭じゃないか」
「二人ともまだ知らないようね。片っ方が宅へ来る事を」
「どうだか」
「あの御婆さんの方がまだあの人より好いでしょう」
「どうして」
「五円貰うと黙って帰って行くから」