GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』
現代語化
「まあそうです」
「お祓いをしてもらったんですって」
「健ちゃん(比田健三)が勧めたんでしょう?」
「いえ、それが私なんか知らない変な祓い方なのよ。何でも剃刀を頭に乗っけてやるんですって」
「気のせいだから熱が出るんでしょ、気のせいだからそれがまた治るんだろうよ。剃刀じゃなくても、杓子でも鍋蓋でも同じことさ」
「でもいくらお医者さんの薬を飲んでも治らないから、試しにやってみたらどうだろうって勧められて、とうとうやる気になったんですって。どうせ高いお祓い代金は払ってないでしょ」
原文 (会話文抽出)
「腹でも揉むのかい」
「まあそうです」
「御祈祷をなすったんですって」
「御前が勧めたんだろう」
「いいえそれが私なんぞの知らない妙な御祈祷なのよ。何でも髪剃を頭の上へ載せて遣るんですって」
「気のせいで熱が出るんだから、気のせいでそれがまた直除れるんだろうよ。髪剃でなくったって、杓子でも鍋蓋でも同じ事さ」
「しかしいくら御医者の薬を飲んでも癒らないもんだから、試しに遣って見たらどうだろうって勧められて、とうとう遣る気になったんですって、どうせ高い御祈祷代を払ったんじゃないんでしょう」