夏目漱石 『道草』 「貴夫どうしてその御縫さんて人を御貰いにな…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』

現代語化

「なんでそのお縫さんって人と結婚しなかったの?」
「ありえない。そんなこと考えてたのは島田だけだろ。それに俺はまだガキだったし」
「あの人、その人の実の子じゃないんでしょ」
「そうだよ。お縫さんは藤さんの連れ子」
「でも、もしお縫さんと結婚してたら、今はどうなってただろうね」
「どうなってたかはわかんねぇよ、やってみないと」
「でも、もしかしたら幸せだったかもしれない。そっちの方が」
「そうかもな」
「なんでそんなこと聞くの。つまんない」
「最初から気に食わなかったんだろ……」

原文 (会話文抽出)

「貴夫どうしてその御縫さんて人を御貰いにならなかったの」
「まるで問題にゃならない。そんな料簡は島田にあっただけなんだから。それに己はまだ子供だったしね」
「あの人の本当の子じゃないんでしょう」
「無論さ。御縫さんは御藤さんの連れっ子だもの」
「だけど、もしその御縫さんて人と一所になっていらしったら、どうでしょう。今頃は」
「どうなってるか判らないじゃないか、なって見なければ」
「でも殊によると、幸福かも知れませんわね。その方が」
「そうかも知れない」
「何故そんな事を訊くのだい。詰らない」
「どうせ私は始めっから御気に入らないんだから……」


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