GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』
現代語化
「留守だったんで」
「入れなかったのか?」
「うん。玄関先でちょっと」
「何て言ってた?」
「前に来るって言ってたけど、ちょっと旅行してたんで遅くなっちゃった、すいませんって」
「旅行?田舎に用事があるようには思えないけどな。行った先を話した?」
「何も言ってませんでした。ただ、娘に頼まれて来てたって。多分あのお縫さんちかな」
原文 (会話文抽出)
「あの人ですか。――でも御留守でしたから」
「上げなかったのかい」
「ええ。ただ玄関でちょっと」
「何とかいっていたかい」
「とうに伺うはずだったけれども、少し旅行していたものだから御不沙汰をして済みませんって」
「旅行なんぞするのかな、田舎に用のある身体とも思えないが。御前にその行った先を話したかい」
「そりゃ何ともいいませんでした。ただ娘の所で来てくれって頼まれたから行って来たっていいました。大方あの御縫さんて人の宅なんでしょう」