GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』
現代語化
「面倒って、どんな面倒のこと?」
「それは起きないとわかんないだろうけど、お兄ちゃんも碌なことじゃないと思ってるみたい」
「でも、義理があるしさ」
「金払って縁切ってるんだから、義理はないでしょ」
「そんで、その金もらったのって、14、5年も前なんだよなぁ。そのずっと前から、お兄ちゃんの家に引き取られてたんでしょ?」
「3歳から7歳までだって。お兄ちゃんがそう言ってたよ」
「そうなんだ」
原文 (会話文抽出)
「御兄さんは貴夫のために心配していらっしゃるんですよ。ああいう人と交際いだして、またどんな面倒が起らないとも限らないからって」
「面倒ってどんな面倒を指すのかな」
「そりゃ起って見なければ、御兄さんにだって分りっ子ないでしょうけれども、何しろ碌な事はないと思っていらっしゃるんでしょう」
「しかし義理が悪いからね」
「だって御金を遣って縁を切った以上、義理の悪い訳はないじゃありませんか」
「その上その御金をやる十四、五年も前から貴夫は、もう貴夫の宅へ引き取られていらしったんでしょう」
「三つから七つまでですって。御兄さんがそう御仰いましたよ」
「そうかしら」