夏目漱石 『道草』 「あなたどうなすったんです」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』

現代語化

「あなたどうしちゃったんですか」
「風邪を引いたんだって、医者が言うじゃないか」
「それはわかってます」
「自分がどうしたって言うんだ」
「どうしたって――あなたが病気だから、私だって氷嚢取り替えたり、薬飲ませたりしてるじゃないですか。なのにあっち行けとか邪魔だとか、ひどすぎます……」
「そんなこと言った覚えはない」
「そりゃ熱が高いときのことだから、多分覚えてらっしゃらないんでしょう。でも普段からそんな風に考えてらっしゃらなければ、いくら病気だって、そんなこと言わないと思いますよ」

原文 (会話文抽出)

「あなたどうなすったんです」
「風邪を引いたんだって、医者がいうじゃないか」
「そりゃ解ってます」
「己がどうしたというんだい」
「どうしたって、――あなたが御病気だから、私だってこうして氷嚢を更えたり、薬を注いだりして上げるんじゃありませんか。それをあっちへ行けの、邪魔だのって、あんまり……」
「そんな事をいった覚はない」
「そりゃ熱の高い時仰しゃった事ですから、多分覚えちゃいらっしゃらないでしょう。けれども平生からそう考えてさえいらっしゃらなければ、いくら病気だって、そんな事を仰しゃる訳がないと思いますわ」


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