夏目漱石 『明暗』 「少し借りてやろうか」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『明暗』

現代語化

「ちょっと借りていこうかな」
「貸すのは嫌だ。くれるならくれるでもいいけど――いや、くれるのもごめんだ。くれる気なんてないだろうから。仕方がないなら、まあ取るしかないな」
「朝鮮に行く前に、面白い秘密でも提供して、岡本さんからちょっとせしめていこうかな」
「ところでいつ発つんだ?」
「まだはっきりしてない」
「でも行くことは行くんでしょ?」
「行くよ。君が急かしても、急かさなくても、行く日が来ればちゃんと行く」
「僕は急かすんじゃないよ。時間が合えば君のために送別会を開いてあげようと思ってるんだ」

原文 (会話文抽出)

「少し借りてやろうか」
「借りるのは厭だ。貰うなら貰ってもいいがね。――いや貰うのも御免だ、どうせくれる気遣はないんだから。仕方がなければ、まあ取るんだな」
「一つ朝鮮へ行く前に、面白い秘密でも提供して、岡本さんから少し取って行くかな」
「時にいつ立つんだね」
「まだしっかり判らない」
「しかし立つ事は立つのかい」
「立つ事は立つ。君が催促しても、しなくっても、立つ日が来ればちゃんと立つ」
「僕は催促をするんじゃない。時間があったら君のために送別会を開いてやろうというのだ」


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