GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『行人』
現代語化
「そういう意味じゃなくて」
「だからさっきから言ってるじゃないの。私が冷淡に見えるのは、私が腑抜けのせいだって」
「そう、腑抜けをわざと誇張して見せて困るね。誰もうちのものに対してそんな悪口を言う人はいないからね」
「言わなくても腑抜けよ。よくわかってるわ、自分でも。でも、これでも時々他から親切だって褒められることもあるのよ。そんなにバカにしたものでもないわ」
原文 (会話文抽出)
「あなた何の必要があってそんな事を聞くの。兄さんが好きか嫌いかなんて。妾が兄さん以外に好いてる男でもあると思っていらっしゃるの」
「そういう訳じゃけっしてないんですが」
「だから先刻から云ってるじゃありませんか。私が冷淡に見えるのは、全く私が腑抜のせいだって」
「そう腑抜をことさらに振り舞わされちゃ困るね。誰も宅のものでそんな悪口を云うものは一人もないんですから」
「云わなくっても腑抜よ。よく知ってるわ、自分だって。けど、これでも時々は他から親切だって賞められる事もあってよ。そう馬鹿にしたものでもないわ」