夏目漱石 『行人』 「二郎」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『行人』

現代語化

「二郎」
「はい」
「俺は本当にお前の兄だった。本当に子供じみたことを言ってしまって恥ずかしいよ」
「どうしてですか?」
「俺はいくらなんでもお前より学問もしてきたつもりだ。見識も普通の人間よりあると思っていた。なのにあんな子供じみたことをつい口にしてしまった。本当に恥ずかしい。どうか兄さんを軽蔑しないでくれ」
「どうしてですか?」
「どうしてですかって、そんなにまじめに聞かないでくれ。ああ、俺はばかだ」
「ただお兄さんの顔が少し赤くなったからといって、お兄さんの言葉を疑うなんて、本当にあなたの人格に対して申し訳ないことをしました。どうか許してください」

原文 (会話文抽出)

「二郎」
「はい」
「おれは御前の兄だったね。誠に子供らしい事を云って済まなかった」
「なぜです」
「おれはこれでも御前より学問も余計したつもりだ。見識も普通の人間より持っているとばかり今日まで考えていた。ところがあんな子供らしい事をつい口にしてしまった。まことに面目ない。どうぞ兄を軽蔑してくれるな」
「なぜです」
「なぜですとそう真面目に聞いてくれるな。ああおれは馬鹿だ」
「ただ御前の顔が少しばかり赤くなったからと云って、御前の言葉を疑ぐるなんて、まことに御前の人格に対して済まない事だ。どうぞ堪忍してくれ」


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