夏目漱石 『虞美人草』 「嵐山へ行くところも見た」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『虞美人草』

現代語化

「嵐山に行くところも見たよ」
「見ただけですか?」
「知らない人に話しかけられないでしょ。見ただけさ」
「話しかけてみたらよかったのに」
「団子食ってるところも見た」
「どこで」
「やっぱり嵐山だよ」
「それっきりですか?」
「まだある。京都から東京まで一緒だった」
「なるほど。数えてみると同じ電車だったね」
「君が駅まで迎えに行ったところも見た」
「そうだったんですか」
「あの人は東京の人らしいよ」
「誰が……」
「誰が?「が」とは」
「誰が言ったんですか?」
「宿屋の女中が言った」
「宿屋の女中が? 蔦屋の?」
「うん」
「蔦屋の女中は……」
「そっちに曲がるのかい?」
「もう少し、どうです、散歩は」
「もういい加減に引き返そう。さあ、大事なゴミ箱。落とさないように持って行って」

原文 (会話文抽出)

「嵐山へ行くところも見た」
「見ただけですか」
「知らない人に話は出来ない。見ただけさ」
「話して見れば好かったのに」
「団子を食っているところも見た」
「どこで」
「やっぱり嵐山だ」
「それっ切りですか」
「まだ有る。京都から東京までいっしょに来た」
「なるほど勘定して見ると同じ汽車でしたね」
「君が停車場へ迎えに行ったところも見た」
「そうでしたか」
「あの人は東京ものだそうだね」
「誰が……」
「誰が?¨がとは」
「誰が話したんです」
「宿屋の下女が話した」
「宿屋の下女が? 蔦屋の?」
「うん」
「蔦屋の下女は……」
「そっちへ曲るのかい」
「もう少し、どうです、散歩は」
「もう好い加減に引き返そう。さあ大事の紙屑籠。落さないように持って行くがいい」


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