GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『虞美人草』
現代語化
「あら、ずいぶん気楽な人ね。そんなに面白い本なの?――あとでちょうだいね。失礼じゃないの。――こんな世間知らずでわがままな奴で、本当に困ってるのよ。――その本って小野さんから借りたの?すごくきれいだね――汚さないようにね。本は大事に扱わないと――」
「大事にしてますよ」
「そうだったらいいけど、またこないだみたいに……」
「だって、あれはお兄さんが悪いんですもん」
「甲野君がなにかしたの?」
「いえ、あなた、みんなわがまま者ばかりが集まってるもんだから、いつも子どもみたいに喧嘩ばっかりしてて――こないだもお兄さんの本を……」
原文 (会話文抽出)
「なに?」
「おや気楽な人だ事。そんなに面白い御本なのかい。――あとで御覧なさいな。失礼じゃないか。――この通り世間見ずのわがままもので、まことに困り切ります。――その御本は小野さんから拝借したのかい。大変奇麗な――汚さないようになさいよ。本なぞは大事にしないと――」
「大事にしていますわ」
「それじゃ、好いけれども、またこないだのように……」
「だって、ありゃ兄さんが悪いんですもの」
「甲野君がどうかしたんですか」
「いえ、あなた、どうもわがまま者の寄り合いだもんでござんすから、始終、小供のように喧嘩ばかり致しまして――こないだも兄の本を……」